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メルマガでこんな記事がありましたよ。 店頭にウナギが多く並ぶ日が近づいて参りました。今年の「土用 丑の日」は今月21日ですが、一足早くウナギに関する話を書かせて 頂きます。 さて、ウナギの蒲焼は、関西では腹から身を割き、関東では背中 を割くのですが、武家社会の江戸では「ウナギを腹から割くのは切 腹につながる」として 忌み嫌われたというのが通説になっていま す。しかし、実際は流れの緩い川で育つ「旅物」は泥臭く、背皮が 硬い為、蒸して余分な脂肪と臭みを落とした上で、背を焼き、皮を 柔らかくする手法が考え出されたとも言われています。 また、普段何気無く「江戸前」という言葉を使いますが、そもそ も「江戸前」はウナギを意味していました。江戸前というと寿司を 思い浮かべる人が多いのですが、これは生魚の握り寿司が食べられ 始めた江戸後期に入ってからです。江戸時代は江戸城の前の海であ る隅田川河口や深川物だけが本物の江戸前で、江戸の北で取れたウ ナギは「江戸後ろ」、利根川から運ばれてきたウナギは「旅物」と 称されていました。ちなみに、「場違い」は江戸前でないウナギを 指し、その語源となっています。海に接する深川のウナギは塩分が 適度で、良質な餌が多かった為、美味だったと言われています。 現在では、養殖ウナギが主流となっています。明治時代に服部倉 五郎という名の川魚屋の次男がウナギの養殖を始め、浜名湖で養殖 が活発になってきた時から天然物が減っていきます。ちなみに農水 省の統計では日本のウナギ消費量は年間15万トンですが、国内生産 量は養殖を含めて、鹿児島県7,374トンを筆頭に2万トン強(2003 年)に過ぎません。天然物はわずか593トン、1万尾のうちわずか40 尾という超レアもので、味もさることながら価格が高いそうです。 かつては、「場違い」と馬鹿にされていました利根川物は今では 貴重品となっています。時代が変われば食べ物の価値も大きく変わ るものですね。
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