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[49] D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年05月08日 22:08:46  No.49001 [返信]
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I P:58.188.174.213
あの島での事件から一年後、村田はラゴンを倒す証拠を入手するため3つの会社に侵入する。
しかし3つの会社には恐ろしい龍が存在していた・・・



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年04月22日 20:11:13  No.49002
I P:58.188.182.56
登場人物など紹介
※この物語はフィクションです。
村田 清貴(むらた きよたか) コードネーム 清
出身地 日本  性別 男  1982年生

この物語の主人公。軍隊「WPK」に所属。非常に高い戦闘能力を持っている。過去に剣道をやっていたとか。ラゴン日本社事件の帰還後ラゴン社を訴えるが敗訴。その後ST総隊長になる。

JACK・ROSE(ジャック・ローズ) コードネーム ジャック
出身地 アメリカ  性別 男  年齢 1982年生

「WPK」に所属。村田と同じ時期に入隊。そのため2人は親友である。戦闘能力も高い。ラゴン日本社事件の生還者。その後ST副隊長になる。

TOM・KING(トム・キング)コードネーム トム
出身地 アメリカ  性別 男  年齢 不明

ラゴン日本社事件で死亡した元ST総隊長。
遺体は発見されていない。

イ・ヨンサク コードネーム ヨン
出身地 韓国  性別 男  1989年生

「WPK」に所属。この年齢で所属することはめずらしい。特に戦闘機などの乗り物をものすごくうまく扱う。だけどまだ若いので実戦経験は少ない。ラゴン日本社事件の生還者の一人。その後STパイロット及びWPKパイロット指導教官になる。

見山卓士 コードネーム タケシ (たクラッシュ氏考案)
出身国 日本 性別 男 1980年生

清の先輩・・・に当たるわけだが、ST内では下剋上。
戦闘能力が低いがSTに所属を許されている。
すばやい動きが苦手だがスタミナはあり、そして武器や機械の製造、修理はゴッドハンド。そこを大佐に認められ、なんとかSTにしがみついている。普段はテンション低いが友情には熱い。
薬品の扱いも得意なので、10分で救急箱を作れる。

大佐(名前不明)

出身地 不明  性別 男  1925年生

「WPK」をまとめている。第二次世界大戦にも参加していた。とてつもない強運の持ち主らしい・・・

ラゴン・D・ニクス

出身地 アメリカ 性別 男 年齢不詳

巨大企業ラゴンの社長。世界各国のラゴン社を転々としている。
ラゴン日本社事件でAD-2を村田と戦わせた男である。

「WPK」(ダブリューピーケー)

「ワールド・ピース・キープ」(世界平和維持)の略。アメリカが作ったと言われているが実は大佐が作った私兵部隊。年齢、人種、性別関係なく所属できるが、入隊試験は非常に難しい。主に重大な事件や紛争などが発生したときに派遣される。海沿いに基地が立てられている。

「ST」(エスティー)

「スペシャル・チーム」の略。「WPK」の中でも特に戦闘能力が高い人々が所属する。主に表立った任務をする「WPK」に対し「ST」は極秘任務を遂行する。

「RAGON」(ラゴン)

超巨大企業。さまざまなことをしている。その中でも薬品やクローン技術はずば抜けている。どの国にもひとつ会社がある(フランス、ロシアを除く)。イギリスに本社がある。最近発電会社も作った。



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンィクー  投稿日:2009年04月17日 21:16:46  No.49003
I P:58.190.24.58
WPK使用武器紹介

アサルトライフル

WPKはAN-94を採用。
旧ソビエト連邦で開発されたAK-47をベースに作られた突撃銃。
頑丈で整備が簡単なAKは多数の製品が作られており現在も世界各地で使用されている。
アサルトライフルとは
小口径・中威力弾を使用していること。
単射(セミオート)と連射(フルオート、または3連射)が選択できること。
小型かつ軽量であること。
である。
AN-94は
2点バスート(2連射)が可能でありその結果敵に玉が命中しやすくなる。(フルオートをすると反動で敵に玉が当たりにくくなるため)

ハンドガン
「WPK」ではコルト・ガバメントの改造版を採用。
コルト・ガバメントとは大型のハンドガンのことである。
サプレッサー(銃声を消すために銃の発射口につけるもの)やスコープ、ライトにレーザーサイトをつけることができる。
また、各隊員によってさらに改造がされている。
村田は通常よりも高い威力の玉が発射できるように改造しており、ジャックは連射ができるように改造してある。

ミニジェット
「WPK」で一時期使用していたもの。
背中につけることで空が飛べるようになる。しかし安全性がないため現在は使用していない。


「WPK」は大型のモーターボートを使用している。
船首には大型の機関砲(大きなマシンガン)を装備している。

ヘリコプター
「WPK」では軍用ヘリを使用している。
機関砲やミサイルを装備している。

戦闘機
「WPK」ではオリジナルのものを使用している。
機関銃を装備、またミサイルを20発装備することができる



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年07月02日 21:37:17  No.49004
I P:121.82.158.175
第一部

第一章 証拠
負けた・・・
2011年俺はアメリカのとある裁判所の控え室にいる。
一年前に起きたラゴン日本社事件。俺は帰還後ラゴン社を訴えた。
しかしこちらの証拠不足によって敗訴した。
このままではラゴン社は龍の生産をし続けるだろう。そして龍を使って・・・大体やることはわかる。あの社長のことだ。
それだけは絶対に止めなければいけない。
ガチャ。控え室のドアが開いた。大佐だ。
「大佐!」
「清、残念だったな。証拠不足だったんだ。仕方がない」
「人をあれだけ殺したラゴンだけは絶対に許せない!」
「その気持ちも分かるが今じゃ無理だ。そこで、少し話があるんだが」
「え?」
「ラゴン社に侵入しないか?」
「はあ?」
な、何言ってんだこのじじじい!?
「実はな、WPKにあるものが届いたんだ。とりあえずWPKに帰ろう」
「はい」
俺たちは裁判所を後にした。



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年04月20日 20:51:32  No.49005
I P:121.82.152.96
数時間後俺達はWPK基地についた。
「こっちに来てくれ」
俺は情報管理室に連れて行かれた。
「これを見てくれ」
「はい」
俺は渡されたものを見た。ラゴン社の場所が書かれている。
「これが何か?」
「その中で中国とアメリカの会社の場所を見てくれ」
俺は中国の会社の場所を見た。なぜか場所が山の中になっている。
「何でこんなところに会社があるんだ・・・」
次にアメリカの会社の場所を見た。次は建物が全く無い平野がラゴン社の場所だった。
しかし他の国の会社は首都付近に会社がある。
「他の会社の場所と見ても分かるように中国とアメリカだけ都会以外の場所に会社があるんだ。ここで日本社のことを思い出してみてくれ」
「日本社は離れ島に・・・なるほど!」
「分かったか。これは恐らく人目に見られてはいけないからこんな場所に会社があるんだろう。人目に見られてはいけないもの・・・それは」
「龍・・・ですね」
「しかし君が日本社で見たのは本当に龍なのか?」
「本当ですよ!それより、この資料はどこから送られてきたのですか?」
「さあ」
「・・・」



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年04月22日 20:35:21  No.49006
I P:58.188.142.115
「で、どうするんだ?」
「・・・まずは中国社に侵入します」
「何故中国社からなんだ?」
「さあ」
「・・・」
「武器などの準備をしてきます」
「分かった。わしは中国政府に入国許可等を貰うために連絡を取る。出発日時などはその後だ」
「了解」
俺は敬礼をして情報管理室を出た。
俺は武器庫にいってアサルトライフルをハンドガンとナイフなどを準備した。
ん?このハンドガンも大分痛んできたな。そうだ、あの男に修理を頼もう。
俺はWPK宿舎内の一つの部屋に行った。
「失礼します」
「・・・おお、清か」
「ハンドガンの修理をしてほしいんですけど」
「分かった。貸せ」
「いつもすまないですね、タケシさん」
「ふん・・・」
俺はタケシにハンドガンを渡した。
「明日になったら修理が終わる」
「はい。失礼しました」
俺はタケシの部屋を去った。
タケシ・・・なんでSTの隊員なんかが分からん。
俺は他の武器と荷物を一つにまとめて飛行場に行った。そこの荷物置き場に荷物を置いた。
俺はふと時計を見た。あ・・・もう20時回ってる・・・
俺は自分の部屋に戻って寝ようとした。するとジャックに会った。
「よお、清」
「ジャック・・・早く寝ろよ」
「何でだ?今から夜間集会だぞ」
「え・・・」
夜間集会・・・夜にWPK内の隊員全てがホールに集合し、大佐の長ったらしい話を聞くどの訓練よりも厳しいものだ。
俺達はホールに行った。
「みんな、集まったか」
「全員集合完了!!」
みんなが叫んだ。
「よし、まずは一つお知らせがある。ST総隊長である村田清貴が明日、侵入任務を遂行することになった」
ホール内がどよめいた。
え、明日かよ・・・
「静粛に!さて、ココからが本題だ。さて、きょぅ・・・」
俺は立ったまま寝てしまった。



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年04月23日 20:50:50  No.49007
I P:58.190.27.173
第二章 開始
・・・ん?
俺は目が覚めた。そこは自分の部屋だった。どうやら寝てる間に誰かに運ばれたらしい。
「清、起きたか」
この声は・・・う、じじいだ。
「大佐!おはようございます」
「集会中に寝るとは全く・・・それよりも今日出発だぞ」
「もう今からなんですか!」
「そうだ、とっとと着替えろ」
大佐はそう言って部屋から立ち去った。
俺はさっと着替えた後タケシの部屋に行った。
「失礼します」
「清か。ほら」
タケシは俺にハンドガンを投げてきた。
「今までのカスタムと同じままだ」
「ありがとうございました。では、失礼します」
俺はタケシの部屋から出た。
飛行場に向うと飛行機が離陸準備をしていた。
「早くしてくださ〜い」
この声は・・・ヨンだ。
「すまないな」
俺は飛行機に乗った。
「荷物は?」
「積んどきました」
「ありがとな」
「こちら管制塔。離陸準備OKだ」
「了解。発進」
飛行機は滑走路を走り出した。
「離陸」
飛行機は空高く飛び上がった。
そのとき、大佐から無線が入った。
「はい」
「今回はラゴン中国社付近にある森まで飛行機を近づける。そこから君はパラシュート降下してもらう」
パラシュート・・・怖いなあ・・・
「できるだけ不要な戦闘はさけろ。生物兵器以外への銃器の使用は禁止だ。あくまで君は証拠を入手するだけでいいんだ。いいな」
「了解」
「幸運を祈る」
無線は切れた。
「今回の任務で使用している飛行機はどこにでもあるような小型機なんです」
いきなりヨンがしゃべりだした。
「え、あ、そうなのか・・・」
「なので決して頑丈なものじゃないんです。だから龍に襲われたときは死を覚悟してください」
「お、おう・・・」
冷静な口調でとんでもないこと言うなこいつ・・・
「パラシュートは清さんが座っているいすの下に入ってます」
「分かった。到着まで何時間くらいだ?」
「さあ」
「・・・」
俺は少し眠たいので寝ようとした。・・・やっぱり寝れない。



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年04月24日 20:32:42  No.49008
I P:58.188.253.244
俺は地図の確認をした。
森、湖、山、そしてラゴンのビル・・・本当に何もねえんだな・・・
やることねえなあ・・・
「まだつかないのか?」
「まだ太平洋の上ですよ」
「燃料もつのか?」
「もしかしたら日本で補給するかもしれません」
しれませんって・・・そんな適当でいいのかよ。
俺は到着するまでボーっとしていた。いつの間にか夜になっていた。
あ・・・そういえばアメリカから中国まで一日で着くわけねえよな・・・
夜が明け朝になった。
「つきましたよ」
「お・・・そうか」
結局寝れなかった・・・
俺はパラシュートをつけた。
「降下準備OK」
「ドア開けます」
俺は装備品を持った。アサルトライフルとハンドガン一丁ずつ。ナイフ一本。そして缶詰5個。超軽量装備・・・
ドアが開いた。
「降下!」
俺は飛び降りた。上を見るとヨンが手を振っていた。
観光旅行じゃねんだから・・・
吹き付ける風・・・うっすら見える森・・・低い山・・・点にしか見えないラゴンのビル・・・怖いよ・・・泣きそう・・・俺高所恐怖症なんだぞ・・・
高度が低くなってきたのでパラシュートを開いた。俺はゆっくりと森の中に入っていった。
着陸!!衝撃がきつかった。その辺に装備品が飛び散ってしまった。
俺は装備品を集めてアサルトライフルを構えた。任務開始!!



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年04月29日 17:01:44  No.49009
I P:121.82.153.218
第三章 人間
俺はラゴンのビル目指して森の中を進んだ。
途中巨大な木が生えていた。
でけえ木だなあ・・・
そう思って木を眺めていると何かが落ちてきた。
何だ?そう思ってみてみると・・・小さな蛇だった。
かわいいな。そう思って少し見ていた。
あ、こっちにもいる。あ、こっちにも。こににも・・・っていすぎじゃねえか?
また木から蛇が落ちてきた。今度は何十匹も落ちてきた。
なんかやばそうだな・・・蛇はこっちに噛み付こうとしている。
ガサガサ!!木が大きく揺れた。
その瞬間とてつもなく大きい蛇が木から出てきた。
まずいな・・・俺は銃を構えた。
「おっさん。俺が助けてやろうか?」
どこかから声がした。
「誰だ?」
違う木から男が降りてきた。格好は腰パンによれよれのカッターシャツ。手には刀のようなものを持っていた。
「俺の後ろにいな」
男はそういって刀を構えた。
「行くぞ!」
男は突進した。しかしズボンのすそを踏んでこけてしまった。
蛇は男を噛み付こうとした。
「全く・・・」
俺はそういいながらアサルトライフルを撃った。しかしあんまり効いてないようだった。
俺は男に近づいた。
「これ借りるぞ」
男から刀を取って構えた。蛇がこっちに向って来たので刀を振り下ろした。
蛇は頭がふたつに割れて倒れた。
楽勝だな・・・
俺は男を起こした。
「・・・すまない」
「そんな格好で戦おうとするからだ」
その男はまだ若そうだった。
「なんでこんなとこにガキがいるんだ?どこに住んでいる?」
「ついて来いよ」
男は歩き始めた。



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年04月29日 17:13:49  No.49010
I P:121.82.153.218
数分後、森の中に家が見え始めた。
「ここが俺等の村だ」
「こんなところに人がいるのか!?」
「人口は50人くらいだ。食料は現地調達。衣服は都心まで買いに行く。俺はこの村の副村長のウォン・ル。ウォンとでも呼んでくれ」
「ああ」
「とりあえず俺んちに来いよ。おっさん」
オッサンって言うなくそガキ・・・
俺達はウォンの家に入った。
「親とかはいねえのか?」
「みんな死んだ・・・」
「そうなのか・・・すまない」
「この部屋に入ってくれないか?」
俺は案内された部屋に入った。薬品が大量におかれている。
「これは?」
「俺が都心まで行って買い揃えた薬品だ。俺はここからちょっと行った所にある大学の薬学部に入ってるんだ」
「ほお」
「あんた、軍隊の人間か?」
「ん?まあ、そうだが・・・」
「ならちょっと待っててくれ」
ウォンは部屋の奥に行った。
数分後、鍵を持ってきた。
「違う部屋に行く」
俺達は違う部屋に行った。
う!俺は強烈な匂いに吐き気を催した。
「なんだこの部屋は!?」
「死体安置室。今では一日に何人も運ばれてくる」
「今では?」
「ああ」



Re:D・R・G・O・NU 〜three Companys three evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年05月01日 21:47:18  No.49011
I P:58.188.35.237
「昔はそこまで死者は多くなかったんだ。だが山のところにラゴンという会社が作られた次の日から急に死者が増えたんだ」
「原因は分かっているのか?」
「死因は初めのころは特定できた。巨大な切り傷がついていたり銃で撃ちぬかれていたりしている」
「そうか」
間違いない。龍の仕業だ。
「しかし今では死因が特定できない死体が運ばれてくる」
「特定できない?」
「ああ。目立った外傷はない死体が多い。あとは体が変異している死体とかがある。その中の一つを見てほしいんだ」
ウォンは近くにあった白衣を着て死体安置室の奥にある扉に入った。
数分後、担架に白い布を乗せて戻ってきた。
「これは?」
「とりあえずバケツを用意しときな」
ウォンは白い布を取った。
な!?担架の上には人が乗っていた。体は痩せこけていて背中が異常に大きくなっていた。
「生きているのか?」
「ああ。脳死といったほうがいいか。結構前に運ばれてきたものだ」
「この背中は・・・」
「何か分からない。まだ生きているから何もできないんだ」
「そうか・・・」
俺はふとある疑問が浮かんだ。何故このガキはこんなところにいるんだ?普通学生が、しかも薬学部のやつが死体なんか研究しないだろ・・・
「お前は何故死体を調べているんだ?」
「俺はこの村唯一の医者でもある。死体くらい調べるさ。さ、見せたいもんはこれだけだ。外に出よう」
ウォンは担架を戻しに行った。俺はきれいな空気のあるところに行きたかったので一目散に外を目指した。
数分後ウォンが戻ってきた。
「で、おっさん一体何しに来たんだい?」
「・・・ん?」
「観光旅行じゃねえよな?俺達を助けに来てくれたのか!?」
「え、いや、あの、その・・・」
「助かったよ!!もうこの村は崩壊寸前だ。みんなで町に行こう!!おーい!!みんな〜!!」
「おい、大きな声を出すな・・・」
さっきから俺は村の中で何かの気配を感じていた。人間ではない何か・・・
その瞬間、いたるところから銃を持った龍が大量に出てきた。
「ほら言わんこっちゃない・・・」
「・・・俺刀とって来る・・・」
ウォンはそういって家の中に入っていった。
俺はアサルトライフルを構えた。どこからでもかかってきな!!
龍たちは銃を撃ってきた。俺は物陰に隠れた。
一体あの銃は何なんだ・・・まあいい。
俺は一瞬物陰から出てアサルトライフルを2点バーストで撃っていった。
何体かの龍が倒れた。しかしその倍の数くらいの龍がやってきた。
「クソ・・・」
龍はこっちに向って銃を構えた。龍はこっちに向って大量の銃弾を発射した。俺はまた物陰に隠れた。
その時、龍が攻撃をやめた。
何だ・・・
「グオーーーー!!!」
雄たけびとともに大きな龍が現れた。
その形、大きさ、手に持っている武器は2本の剣・・・まさかこいつは!?



Re:D・R・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバンディクー  投稿日:2009年05月03日 19:51:04  No.49012
I P:58.188.144.233
第四章 再会
奴はまぎれもなく日本の島で戦った龍・・・確か名はWD-2だ。
奴、死んでなかったのか・・・
奴は剣を構えて突進してきた。
俺はさっと避けたが奴は振り返って剣を振り下ろした。俺はアサルトライフルで弾いた。
俺は後ろに下がってアサルトライフルの引き金を引いた。だがさっきの反動で壊れてしまったようで弾が発射されなかった。
やばい・・・俺は腰のホルスターからハンドガンを取り出した。
俺はハンドガンを撃った。見事に奴にヒットした。しかしあまり効いていないようだ。
奴は体当たりをしてきた。
「ぐは!!」
俺は後ろに倒れた。奴は剣を構えてゆっくり近づいてきた。
終わったな・・・
「お〜い。こっちだ〜!」
この声は・・・ウォンだ。
奴はその声に反応してウォンのほうを見た。
「おっさんも弱ええなあ・・・」
ウォンは手に持っている刀を構えた。
奴はウォンに一気に近づいて剣を振り下ろした。ウォンは思いっきりジャンプして奴の後ろに回って切りつけた。
「ヴ!」
奴は尻尾で思いっきりウォンを叩いた。が、ウォンは逆に尻尾を切りつけた。
「グ!」
奴は振り返った。
奴は剣を振った。ウォンは刀でガードした。
ウォンが刀を振った。奴は剣でガードした。
2人はものすごい速さでそれを繰り返した。
「すげえな・・・」
俺はそうつぶやきながら周りにいた龍をハンドガンで撃っていった。



Re:D・R・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月06日 21:23:43  No.49013
I P:58.188.32.199
「グ!!!」
奴がひるんだ。ウォンはすかさず刀で切った。
「ギャア!!」
奴は倒れた。
「やったな!」
「くたばれ!!」
ウォンが刀を奴の腹に刺そうとした。しかし奴は立ち上がって翼を羽ばたかせた。
「うわ!」
ウォンは後ろに倒れた。
奴はどこかに飛んでいってしまった。ほかの龍と一緒に。
「大丈夫か?」
「ああ・・・」
「なかなかやるな、お前」
「そうでもないぜ。で、おっさん何しに来たんだ?」
「実はなラゴン社に侵入しようと思っているんだ」
「マジかよ!おっさんスパイか?」
「スパイじゃないんだけどな・・・」
「よ!2011年のジェームズ・ボンド!!」
「だからな・・・」
こいつばかだ。
「で、どうやって侵入するんだ?」
「山の会社に行くつもりだが・・・」
「そのためには湖を越えないといけないぞ。ほとりに俺たちの使っているボートがあるから貸してやるよ。あと、その銃壊れてるのか?」
「ああ、さっき壊れた」
「代わりにこの刀持っていっていいぞ。おっさんも刀使えるんだろ?」
「おお。ありがとな」
「俺はここにいるから。そうだ、湖には変な生き物が住んでるから気をつけな」
「どんな生き物だ?」
「ネッシー」
「ネ、ネッシー!?」
こいつやっぱりばかだ。



Re:D・R・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月08日 22:06:57  No.49014
I P:58.188.174.213
第五章 珍獣
「ネッシーって一体何なんだ?」
「とにかく見た目が一時期話題になったネッシーに似てるから村の奴はそう呼んでいる。ボートを襲ったり俺たちの仕掛けたトラップを壊したりして結構迷惑してるんだ」
「どのくらいでかいんだ?」
「結構でかい。5メートルくらいじゃねえか?」
「分かった」
「死ぬなよ」
「ああ」
俺は湖の方に行った。北だな。
何分か歩くと湖が見えた。
これか。近くにボートがあった。
俺は乗り込んでエンジンをかけた。
ブルルルルルルルル・・・
ボートは頼りない音を立ててゆっくり進み始めた。
にしてもでけえ湖だ・・・
湖の中心ぐらいまで来たとき、何かの影が映った。
何だ?俺はハンドガンを構えた。
その瞬間、前方に大きな波が立った。
「うわ!」
俺はボートにつかまった。
湖の中から生物が出てきた。
本当にネッシーだ・・・
ネッシーは何体もいるようで5体姿を見せた。
俺はネッシーにハンドガンを構えた。どこからでもかかってきやがれ・・・ってこいつ等の弱点何なんだ・・・
ふと俺の頭の中に過去の記憶が蘇った。
俺は何かのシューティングゲームをしている・・・恐竜が出てきている。
湖だ。お、こいつ等と似たような奴等が出てきている。
ゲームから声がした。
「プレシオサウルスの弱点は小さな頭だ!しっかり狙え!」

はっと俺は我に帰った。
頭か・・・俺はネッシーの頭めがけてハンドガンを撃った。
「ギャアーーーー!!」
ネッシーは湖の中に消えた。マジかよ・・・



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年08月25日 13:50:01  No.49015
I P:58.188.34.192
俺は出てくるネッシーをバンバン倒しつつ前に進んだ。
どうだ!?楽勝か?
しかしネッシーもかなり数が多くどれだけ倒してもボートの前に出現した。
くそ・・・弾が無くなってきた・・・
俺はさらにボートを早く進めてハンドガンを撃っていった。
ん?ボートの下に今までとは違う陰が見えた。
その影を見たとき、目の前のネッシーが噛み付こうとしてきた。
やばい!
その瞬間、激しい水しぶきを立てて何かが現れた。そしてネッシーの首に噛み付いてまた消えた。
ネッシーの首は真っ二つに切れた。
なんだったんだ・・・
俺はボートを進めた。何故かネッシーが襲ってこない。
ザバーーン!!!
今度は後ろで水しぶきがあがった。体の半分を出してこっちに向かってきた。
こいつは!!鰐か!?
巨大な口にごつごつした体。それはまさに鰐だった。しかしその大きさは異常だった。20メートルはありそうだ・・・
俺はボートの速さをマックスにした。が、鰐はそれよりも速いスピードで追いかけてきた。
どうするよ・・・俺はとりあえずハンドガンを撃ったが全く効果がなかった。
鰐はボートを噛み付こうとした。
俺は刀を手にとって口の中に刺そうとした。が、うまく刺せなかった。
くそ!!こうなれば・・・
俺はボートから飛び降りた。間一髪で鰐の噛み付きから逃れた。しかしボートは鰐に噛み付かれて大破してしまった。
どうするよ俺!?



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月12日 22:20:53  No.49016
I P:121.82.157.194
俺は泳いで岸まで行こうとした。が、鰐はすぐに近づいてきた。
ちょ、くんなって!
俺はその場に止まった。
鰐は巨大な口をあけてどんどん近づいてきた。
いまだ!俺は水中にもぐった。
鰐は俺が消えたことに気づいてないようだ。俺は鰐の体をつかんだ。
俺はうまく鰐の背中に登ることができた。
ふう・・・
俺はハンドガンにサプレッサーをつけて対岸の方向の水面に撃ち込んだ。
鰐は獲物と勘違いしてその方向に進んだ。
うまくいったぜ!俺はさらにその動作を行った。
だんだん鰐が対岸に近づいてきた。
俺は湖に飛び込んで一気に岸まで泳いだ。
何とか岸に登ることができた。
鰐に気づかれないように俺はとっとと湖から離れた。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月14日 20:58:09  No.49017
I P:58.188.32.88
俺はラゴンのビル目指して森の中に入った。
かなり深い森だな・・・
太陽の光が全く届かない森だった。
俺は周囲を警戒しつつ歩いた。
あ、刀湖に落としてきてしまった・・・
ウォンになんと言おうか・・・
ガサ!草が揺れた。
俺はハンドガンを構えた。
龍が出てきた。
ん?村で戦った龍とは何か違う。形が整ってないというかなんと言うか・・・
そんなことを考えてると龍が襲ってきた。
俺はハンドガンを撃った。龍はあっさり倒れた。
雑魚・・・
俺はまた進もうとした。
ガサ!今度は後ろで音がした。俺はハンドガンを構えた。
何!そこにいたのはさっき倒したはずの龍だった。
何故だ・・・俺はまたハンドガンを撃った。龍は倒れた。
俺は走ってこの森を抜けようとした。
この森はやばいな・・・
ガサガサガサ!!今度はそこらじゅうから龍が出てきた。
クソ!俺は無視して先を急いだ。
龍は低空飛行でものすごい速さで追いかけてきた。
俺は振り返って一匹ずつハンドガンで撃ち落していった。
龍はその場に落ちたがまた起き上がって追いかけてきた。
俺はまたラゴンのビルに向かって走った。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月17日 14:52:53  No.49018
I P:121.82.170.240
第六章 変化
やっとついた・・・
俺はラゴン社の前に立った。
俺はおもいっきり入り口のドアを蹴り飛ばして中に入った。
中は静まり返っていた。
おかしいな・・・人がいてもいいんじゃねえか?
俺はハンドガンを構えてゆっくり進んだ。
近くに廊下があったのでそこを進んだ。
ん?目の前に何かがいた。
俺は近づいた。
まずい、人だ!
俺は警戒しつつさらに近づいた。
「おい」
俺は人に話しかけた。が、何も反応しなかった。
「聞いてるのか?」
やはり反応しない。
仕方ない。無視しよう。
そう思った時人がこっちを見た。
「おい。お前ここの社員か?」
しかし人は聞いてないようだった。
「しゃべれよ!」
「ううう・・・」
「は?」
「う、ぐ、ぐぎゃーーー!!」
人は突然叫び始めた。
「どうしたんだ?」
人は見る見るうちに姿が変わった。
まさか・・・
その姿は龍だった。さっきの森であった奴に似ている。
ち・・・俺はハンドガンで龍の頭を撃った。龍はその場に倒れた。
でも復活するんだよな・・・
俺は倒れた龍にハンドガンを向けつつその場を去った。
しかし龍はいつまでたっても起き上がらなかった。
おかしいな・・・



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月18日 21:20:22  No.49019
I P:121.82.173.105
俺はゆっくりとその場を去った。
さて、どこに行こう・・・お!
俺は近くにビルのマップがあったのでそれを見た。
ラゴン社の情報は・・・ここだな
俺は地下一階に行くことにした。
近くに階段があったので俺は階段を使って地下へ降りた。
地下は電気が全く通ってないようで真っ暗だった。
何も見えねえ・・・そうだ
俺はハンドガンにつけてあるライトのスイッチをオンにした。
げ!?ライトをつけた瞬間そこには恐ろしい光景が広がっていた。
いたるところに赤い水溜り。壁は真っ赤に染まり、いたるところに人や龍の死体が転がっていた。
俺は人の死体の一つに手を当てた。まだ暖かいな・・・
俺は死体を避けつつ先を進んだ。
扉があったので入った。実験室だ。
中には様々な実験器具や紙が散らばっていた。
俺は近くに落ちてた紙を拾った。
うーん・・・中国語だ。全く読めん。
とにかく俺は散らばっている紙で字が分かるようなものを拾い集めた。帰ったらウォンに解読してもらおう。
俺はまだ何かないかと思って実験室を調べた。
また扉があったので入った。
なぜかこの部屋だけ電気が通っているみたいだった。
俺は近くにPCがあったので起動させようとした。

ERROR

はあ・・・




Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月21日 09:57:44  No.49020
I P:121.82.166.11
他に何かラゴン社の情報が何かないかと思って俺はその部屋を物色した。
薬品薬品薬品・・・他に何もねえのか・・・
仕方がない。この紙だけで十分か。
俺はその部屋を後にした。
俺は一階に戻ろうとした。
嘘だろ・・・
なんとさっき見た死体が動いていた。人は龍と化して。
俺はハンドガンで頭を撃ち抜いていった。多分これが弱点のはずだ。
龍は次々と倒れていった。
俺は急いで一階に向かった・・・ん?
ふと何かの扉が見えた。
俺は気になったのでその扉の中に入った。そこには一台のコンピューターがあった。
画面を見ると世界各国の国旗が映し出されていた。
俺はなんとなく日本の国旗を押した。
「ラゴン社爆破システムの作動設定を開始します。まず、パスワードを入力してください」
画面に零から九までの数字が出た。
は?爆破?パスワード?何かやばそうだ・・・でもこんな廃墟みたいな場所なんだ。爆破したほうがいいだろう。
俺はパスワードを考えた。壁を見るとパスワードっぽいものが書かれていた。
36789
これでも打ってみるか・・・
「パスワード一致。これより設定を開始します」
マジかよ!?
「まず、爆破場所を設定してください」
画面にここの地図のようなものが出た。
あ、湖にも繋がってるんだ・・・ボートとかあるかも。
とりあえず俺は全部を爆破するよう設定した。
「次に、爆破時間を設定してください」
短すぎたら脱出できないかもしれない・・・
俺は15分に設定した。
「15分後に爆破します。それまでに全社員は非難してください」
社内にサイレンの音が響いた。
俺はとりあえず湖のところに行くことにした。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月22日 17:38:37  No.49021
I P:121.82.171.227
ふう・・・
俺は何とか湖のところまでたどり着いた。
そこには数隻の小型潜水艦があった。
乗れるかな?俺はそのうちの一つに乗り込んでエンジンをかけた。
ブルルル・・・
使えるな。俺はハッチを閉めると潜水を開始した。
穴があったのでくぐるとそこはあの湖の中だった。いたるところにネッシーが泳いでいる。
あ!俺の目の前にあの鰐が現れた。
鰐は口をあけてこっちに向かってきた。
何かないか・・・これだ!
俺は何かのスイッチを押した。潜水艦からミサイルが発射された。
ミサイルは鰐の口の中で爆発した。鰐の頭は吹き飛んだ。
よし!俺はまた進み始めた。
途中でネッシーが襲ってきたのでミサイルで蹴散らしていった。
そんなことをしてると対岸にたどり着いたようだった。
俺は浮上して潜水艦から出た。
そのとき、後ろで爆発音が聞こえた。
爆破成功だ!俺はハンドガンを構えて村に戻った。
村ではウォンが待っていた。
「スパイのオッサン!無事でよかった・・・あれ?刀は?」
「すまない。途中で湖に落としてしまった」
「そうか。ま、どーでもいいけど」
「え?」
「あの刀は安物なんだ。俺のよく使う刀はあんなもんじゃない。切れ味抜群の超珍しい金属を使った最高級の刀さ」
「そうなのか・・・それより、解読して欲しいものがあるんだが」
「ん?どれだ?貸しな」
俺はウォンに紙を貸した。
「俺んちでゆっくり解読するよ」
「分かった」
俺たちはウォンの家に入った。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月25日 21:27:29  No.49022
I P:58.188.172.2
「にしてもこんなボロッちい紙しかなかったのか?」
「俺は日本人だ。中国語は分からん。どの資料がいるかなんかわからねえからそこらへんに落ちてた紙を拾ってきたんだ」
「おっさん日本人なのか!?」
「そうだが」
「中国語ペラペラだな。なのに中国語が読めないのか?」
「ああ、すげえだろ?何とかかんとかの翻訳機能で俺の言葉が自動的に中国語に翻訳されるんだ」
「あっそ」
「・・・それより俺の銃はどうした?」
「ああ、あれか?直らなかったから捨てた」
「・・・てめえ」
俺はハンドガンの引き金を引こうとするのを自分で必死に止めた。
「翻訳完了だ」
「何て書いてあったんだ?」
「簡単に言うとこういうことだ・・・」
ウォンは説明を始めた。

ラゴン社は手っ取り早く龍を作れないかと考えていて、そのなかのひとつにウイルス案が出ていた。
これを空気中に撒き散らし、生物内の体に侵入させることが成功するとウイルスがその生物の体の中を蝕む。
ウイルスはその生物から栄養分を吸収し龍となる。
そしてその生物の体から龍が誕生する。
しかしそんな簡単にいくわけがない。
実際に龍に変異したのは数%。それ以外は死亡、もしくは巨大化などの突然変異だけであった。

「・・・とだけ読み取れた。あとは何が書いているかさっぱりだ」
「そうか・・・まあこの資料ごと持って帰るから今解読してもらう必要なかったけど」
「何だよそれ!」
そのとき、外から悲鳴が聞こえた。
「何だ!?」
「ウォン。武器を持て。外で何かが暴れている」
龍が暴れているんだろう。
俺たちは外に出た。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月28日 20:44:16  No.49023
I P:121.82.156.82
「きゃーー!!」
若い女の人が龍に追われていた。
「助けてください!」
若い女の人が寄ってきた。
「当たり前だ・・・」
「どうしたんですか?村長?」
村長かよ!!
「突然みんなが怪物になったの!」
「分かりました。私の家に非難してください。あなた以外に生存者は?」
「おそらくいないかと・・・」
「そうですか・・・」
村長はウォンの家に入った。
俺たちは龍の相手をした。
俺はハンドガンで頭をぶち抜き、ウォンは自慢の刀で龍の首を切り落としていった。
すぐに龍は全滅した。
「楽勝だな!!」
「安心するのは早いぞ・・・」
すぐに別の場所から龍が出て来た。
俺たちはまた龍を倒していった。
「きゃーーー!!!」
村長が家から飛び出してきた。腕に引っかかれた跡がついている。
「どうしたんですか!?」
「化物が・・・いたのよ」
「そんな訳ないはずですが・・・」
「本当にいた・・・う・・・」
突然村長が倒れた。
「大丈夫ですか!?」
村長は龍に変化した。
「うそだろ・・・」
ウォンは腰が抜けてしまったようだった。
「全く・・・」
俺は龍の頭をぶち抜いた。龍は倒れた。
「こんなこと・・・」
「仕方ないだろ。とにかく、お前の家の龍を倒しに行くぞ」
俺はウォンを立たせて家の中に入った。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年05月30日 21:54:07  No.49024
I P:121.82.167.48
「何だこいつ?」
家の中には龍がいた。
その姿は今までの龍とはまったく違っていた。
非常にグロテスクだ・・・皮膚が・・・説明するのも嫌だ・・・
「気持ちわりい!!」
ウォンはそう叫んで外に飛び出した。
「おい・・・」
俺は龍にハンドガンを撃った。龍には効いてないようだった。
龍はゆっくりと近づいてきた。
俺はゆっくりと後ろに下がった。
「グオーーー!!!」
龍は突然叫び出した。
やばそうだ・・・俺は家から出た。
「大丈夫か?」
ウォンが近寄ってきた。
「ああ」
「よかった・・・おい!あいつ・・・」
ウォンは何かを指差した。俺はその方向を見た。
そこにはさっきの龍がいた。その龍が何かを食っている。
なんとほかの龍を食っていた。
龍は食事をおわらせた後こっちを向いた。
「グオーーー!!!」
龍は突然こっちに向かってきた。さっきとは比べ物にならない速さだ。
俺とウォンはさっとよけた。
「食らえ!!」
ウォンが龍を後ろから切りつけた。しかし龍にはあまり効いてないようだった。
龍はウォンのほうを向いて爪で切り裂こうとした。
「あぶねえな!」
ウォンは何とかよけた。
俺もこんなことしている場合じゃねえ・・・
俺もハンドガンで龍を撃った。戦力になっていないことはわかっているが。
龍はウォンの腕に噛み付いた。
「ぐ・・・」
ウォンが刀を離した。
「すぐ助けるぞ!」
俺はウォンの刀を拾って思いっきり振りかぶった。
「もう終わりだ・・・」
龍の頭をぶった切った。龍の首が地面に落ちた。
ウォンがその場に倒れた。
「大丈夫か!?」
「ああ・・・」
ウォンの腕には無数の歯跡が残っていた。
「手当てしねえと・・・」
俺はウォンを担いでウォンの家に入った。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年06月10日 14:25:09  No.49025
I P:58.188.215.184
第七章 帰国
俺はウォンの部屋に入ってウォンを横に寝かせた。
近くにロープがあったのでウォンの腕に巻きつけた。
「さて、消毒液はどこだ?」
「待て、おっさん・・・」
「ウォン!何だ?」
「龍にやられた傷は消毒するだけじゃだめだ・・・」
「じゃあどうしたら?」
「死体安置室に注射器と薬品がおいてある。それを持ってきてくれ」
「わかった。あと、ひとつだけ言わせてもらいたいが」
「何だ?」
「俺の名前は村田清貴だ」
俺はそう言って死体安置室に向かった。
薬品どこだ?あった!
俺は薬品の入ったビンと注射器を持った。
突然巨大な破壊音が部屋に鳴り響いた。
「なんだ!?」
部屋の壁が壊され、外で殺したはずの龍がやってきた。
切り落としたはずの首がまたついていた。
「グオーー!!」
クソ・・・
俺はハンドガンを構えて後ろに下がった。
いったいどうしたらいいんだ・・・そうだ!
俺は龍と間合いを取りつつ無線機を手に持った。
「ヨン!こちら清だ」
「清さん!」
「今どこにいる!?」
「中国の飛行場です」
「戦闘機あるか?しかも大型の」
「あると思いますが・・・なぜですか?」
「ミサイルを積んで此処まで着てほしい。場所わかるよな?」
「わかりますけど・・・ミサイルとかだめですよ!」
「龍に襲われてるんだ!とりあえず着てくれ!俺ともう一人乗れる飛行機だぞ!」
「え、ちょっと待って・・・」
俺は無線を切った。
龍は襲ってくる気配を見せない。俺はウォンのいる部屋に入った。
「ウォン!治療は後だ!外に出るぞ!」
「わかった・・・」
俺はウォンを担いで外に出た。
ウォンを少し離れた場所に寝かし、薬品と注射器を渡した。
「ありがとな」
ウォンは注射器に薬品を入れて注射を自分の腕に打った。
俺は龍のいる方向にハンドガンを構えた。
ゆっくりと龍がウォンの家から出てきた。
「グオーーーーーー!!!!!!」
ヨンが来るまで持ちこたえなければ!



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年06月14日 21:24:42  No.49026
I P:58.188.34.184
龍はまた近くに転がっている龍を食べ始めた。
食べ終わった瞬間目にも留まらぬ速さでこっちに向かってきた。
俺は間一髪避けることができた。
俺はウォンの刀を手にして龍を背中から切り倒してやろうと思った。
しかし龍は空高く飛んで俺の後ろに回った。
振り返った瞬間龍は爪で思いっきり引っかいてきた。
「グバ!」
俺は後ろに倒れた。龍が俺の上に乗りかかってきた。
「ギャアーーー!!!」
龍が倒れた。
「清貴!まだまだだな」
ウォンが刀を持って立っていた。
「大丈夫なのかお前!?」
「大丈夫だ!それよりこいつに攻撃されたのか?」
「ああ」
「これを腕に打つぞ」
ウォンが俺の腕に注射を打った。
「なんでこれを打たないといけないんだ?」
「ウイルスが体に回るからだ」
「ウイルス・・・まさかお前ウイルスのことを最初から知っていたのか!?」
「詳しいことは後だ。またこいつが蘇るぞ!」
龍がまた立ち上がった。

ダダダダダダダダダダダ!!!

機銃の音が鳴り響いた。
「ギャアーー!!」
龍が倒れた。
「清さん!つかまって!」
上を見ると飛行機が飛んでいて、浮き輪が落ちてきた。
「ヨン、早かったな」
「早くつかまって!!」
俺とウォンは浮き輪につかまった。
ロープが引っ張られて俺たちは飛行機の中に入った。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年06月20日 23:28:53  No.49027
I P:58.188.178.8
「2人ともそこの椅子のシートベルトを締めて!」
俺たちは椅子に座ってシートベルトを締めた。
飛行機の扉が閉まって動き出した。
「後ろに龍確認!揺れるからしっかり椅子につかまって!」
機体はものすごい速さで飛んでいる。しかし龍もそれに負けない速さで飛んでいるようだ。
「逃げれるか?」
「無理ですね・・・仕方ない。殺ります」
飛行機はUターンして龍のほうを向いた。
「ミサイル発射!」
機体からミサイルが発射された。見事龍にヒットした。
龍は木っ端微塵に吹き飛んだ。
「やったな!」
「とりあえず中国の飛行場に戻ります」
飛行機はまた進み始めた。
「ウォン、ウイルスのことだが・・・」
「分かった。お前の知りたいことを全部言ってやるよ」



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年06月26日 21:04:51  No.49028
I P:58.188.141.233
ウォンが喋り始めた。
「一年前・・・確か日本の島にアメリカが゛あの゛爆弾を落としたときくらいかな」
「・・・あのことか」
「そうか、お前たちWPKもその島に行ってたんだったな」
「そんなことまで知っているのか!?」
「ニュースになってたじゃねえか」
「そうだったかな・・・とにかく続きを」
「その事件から一ヵ月後、村に一人の男が来たんだ」
「男?」
「歳はまあまあいってたかな。そして片目に眼帯をしていた」
「眼帯・・・」
「その男は俺にあるものを渡してきたんだ。それがこれさ」
ウォンは死体安置室にあった注射器と薬品を見せた。
「その男は俺にこう言った。もし変な生物に怪我を負わされたらこれを打て。と」
「ほお・・・」
「そしてその男が村を去った後、俺たちが戦ったような奇妙な生物たちが出現しだしたんだ」
「そうなのか」
「そしてその約一年後に清貴が来たって訳だ」
「・・・あまりいい情報にはなってないけどな」
「うるせえよ!!」



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年07月02日 21:36:38  No.49029
I P:121.82.158.175
「ヨン、後何時間でWPKにつく?」
「まずこの飛行機を返すために中国の基地に行きます。そこにWPKから超高速大型戦闘機が来ているということなのでそれに乗り換えてWPKに戻ります。なので恐らく5時間くらいで着くと思います」
「5時間!?そんな早く着くのか?」
「超高速、ですからね」
じゃあなんで俺の乗った飛行機はのろのろしたやつだったんだ!?
「清、俺はどうなるんだ?」
「WPKで保護した後何かするだろう。心配はしなくていい」
「良かった・・・」
ウォンはそう呟いて目蓋を閉じた。
ラゴン中国社で発見できた資料は一つ。新種のドラゴンウイルスの存在。
次はアメリカか・・・今回みたいに一筋縄ではいかないだろうな・・・

《第一部 完》



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年08月24日 21:38:28  No.49030
I P:58.188.141.14
第二部

第一章 荒野
「大佐・・・こんなんで大丈夫なんすか?」
俺は今崖の上に立っている。遠くにうっすらとビルが見える。
「心配するな。少なくとも計算上ではラゴン社の敷地内に潜入することができる」
「だからって何で崖の上からパラシュート降下しないといけないんだよ!!」
「仕方ないじゃないか。ラゴンアメリカ社の敷地の周りには高圧電流が流れている柵が立っているんだ。だから空からの侵入しかないんだ。君が高所恐怖症なのにこんなことさせてすまないな」
このじじい・・・もっとましな方法があったはずだろ!
「分かりましたよ・・・では作戦に入ります」
「今回の作戦も前回同様情報入手のみを遂行しろ。前回はビルを爆破するわ派手にやってくれたしな」
「了解」
俺は無線を切り、崖の先端部分に立った。失禁しそう・・・
今回もアサルトライフルとハンドガンが一丁ずつ。そして缶詰五つ。
俺は崖から飛び降りた。
ああーーーーーー!怖いよーーー!!
俺は絶叫しながら落ちていった。そしてパラシュートの紐を引いた。
パラシュートが開き、俺はゆっくりと着地していった。
パラシュートを外し、俺はハンドガンを構えた。
すげえな・・・うわさ通りだ・・・
俺は崖に眼を向けてそう思った。古代生物の化石がごろごろと顔を出している。
俺は今、アメリカのモンタナ州にあるラゴン社兼発電所に来ている。
ちなみにWPK基地があるのはカルフォルニア州だから・・・そんなことどうでもいいか。
俺は小さいころから古生物が好きで化石の発掘されている地域などはよく知っている。
此処モンタナ州では最大最強の肉食恐竜として名高いティラノサウルスが数体発掘されている。
それがラゴン社とどう関係してるのかは分からない。だが此処まで化石が発掘されている貴重な場所にわざわざでっかい発電所を建てたんだ。何かあるに違いない。
は!しまった・・・俺はついボーっとしてしまった。
気づいたときはもう手遅れだった。周りを龍たちに囲まれてしまっていた。
龍は全員武装していた。全部で三体確認できる。
下手に攻撃するとこっちがやられてしまう。仕方が無い・・・
俺はハンドガンとアサルトライフルを地面に捨て、ゆっくりと両手を上げた。
このままでは今までの苦労はすべて水の泡になってしまう。そして俺は奴らに・・・考えたくも無い。
だが恐らく低脳な龍のことだ。此処で俺は撃ち殺されるんだな。
「ギャーーーーー!!!」
一体の龍が突然叫び声をあげて倒れた。他の龍はそっちの方を向いた。
チャンスだ!俺は片手にハンドガンとアサルトライフルを持ち、二体の龍に向けて撃ちはなった。
龍たちは叫び声をあげて倒れた。
・・・何が起こったんだ?
俺は最初に倒れた龍に近づいた。体に穴が開いている。そこから弾丸を取り出した。
ライフル弾か・・・一体誰が・・・
「手を上げろ、若造・・・」



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年09月10日 22:46:20  No.49031
I P:121.82.152.5
ちぇ・・・
俺はまた地面に武器を置き、ゆっくりと手を上げた。
「こっちを向け」
声からして男だ。
俺は男の方を向いた。
うわ・・・何だこいつ・・・
俺は男の格好に驚いた。一言で言うと不潔だ。ぼさぼさの髪と髭には白い粉がついている。多分フケだろう。
来ている服はずたずただ。あちこちが破れている。
手には銃を握っていた。これは狙撃銃か?見たこと無い形だ。
胸の部分には恐竜の頭蓋骨の化石が描かれたワッペンが貼ってあった。
「ほお、WPKの兵士。しかもSTか」
男は俺を見てそう言った。
恐らく俺の戦闘帽についているワッペンを見たんだろう。そこにはでっかい文字でSTって書いてるし。
「お前は、ラゴンの人間か?」
俺が尋ねた。
「まあな・・・」
「じゃあ何故俺を助けた?」
こいつが恐らく龍を撃ち殺したんだろう。
「お前には死んでもらったら困るから」
「は?」
「まあいいさ。とりあえず俺と一緒に来い。武器を持ちな」
俺は地面においていた武器を拾った。
こいつ・・・本当に敵か?
俺は男と歩きながら話をした。
「若造、名前は?」
若造って言うなよ・・・
「敵になんで名前を明かさなきゃいけないんだよ」
「そんなこと言うなって。俺はジャン・ブラン。フランス生まれだ。フランスではジャン・レノに似てるって言われているんだぜ」
こいつはどうやら自分の姿を理解できていないようだ。どこがジャン・レノなんだよ。
「ほお・・・でもジャン・レノはフランス生まれじゃないんだぞ」
「・・・若造の名前はなんて言うんだ?」
「お前の行動しだいによって言うか言わないか決める」
「まあいいさ・・・ほら、ついたぞ」
俺は小さな小屋に連れてこさせられた。木造建築だ。手作り感たっぷしだ。
「中に入れ」
俺は言われたままに中に入った。
ヘクション!!俺は中があまりに埃っぽくてくしゃみをしてしまった。
「どうだ。これが夢のマイホームさ」
・・・手に負えない馬鹿者だな。
「ラゴン社に住んでるんじゃないのか?」
「俺は付近の見回り担当さ。お前みたいな侵入者が居たら捕まえる。時と場合によってここから脱出させたり、ラゴン社に連れて行くこともある」
「ほお。で、俺はどっちなんだ?」
「お前はその両方でもない」
「例外だと?」
「WPKってことはラゴン社をぶっ壊しに来たんだろ。俺も手伝うよ」
「お前・・・ラゴン社員だろ!?」
「もうこんな仕事嫌なんだよ。なあ、俺と一緒にラゴン社をぶっ壊そうぜ」
ジャンは俺の肩に手を回してきた。
罠だなこれは・・・



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年10月24日 22:10:32  No.49032
I P:58.188.140.76
「で、どうなんだ?俺と一緒に潰しに行くのか?」
とりあえず侵入方法も分からないしこいつに付いて行くか・・・
「いいぜ。で、どうやって潰すんだ?」
「まずラゴン社に近寄らないといけない。俺のジープで入り口まで行くぞ」
ジャンは銃を持って外に出た。
「なあ、ジャン」
「何だ?」
「その銃は何だ?」
「狙撃銃。ロシア製のSVDを俺流に改造したのさ」
「俺流?」
「ああ。対物用狙撃銃にしたのさ」
よくそんなことできるな。
「そうなのか」
「さ、早くジープに乗れ。お前は後ろだ」
ジャンはさっとジープの運転席に乗った。俺はその後ろの積荷部分に乗った。
「出発進行〜」
ジャンはジープのエンジンをかけた。
エンジン音を立ててジープは動き出した。
小屋から少し離れると、辺りは木が少ししか生えてないような荒野だった。
そのとき、急にジャンがジープを止めた。
「どうしたんだよ」
「まずい、MRDだ・・・」
「MRD?」
「あれをみろ」
ジャンの指をさす方向を見た。うっすらと何かが見えた。
「なんだあれ?」
「ラゴン社の開発した最新兵器だ。お前、龍は分かるよな?」
「ああ」
「奴はクローン技術により製造されたティラノサウルスと龍の遺伝子を結合させ、さらに全身を様々な装備でカバーした装甲生物・・・と言ったところか」
「どんな装備だ?」
「まず、奴の両手部分にはバルカン砲が一機ずつ付いている。翼の部分には地対空ミサイル。両膝部分にはロケットランチャーが一機ずつ。口部分にはレールガン。そして背中にはレーザー砲が付いている。後体のいろんな部分にはジェットが付いていてこんな重装備でも時速300kmで移動が可能。そして体のすべての部分を分厚い鉄板でコーティングしてある」
「とんでもない兵器だな・・・なんでそんなもの作った?」
「知るかよ。だが俺は奴のせいで散々な目にあってきた」
「散々な目?」
「奴に何回殺されかけたことか・・・」
何でラゴン社員を襲うんだよ。馬鹿か?
「とにかくまずいぞ!おい若造、お前は俺の狙撃銃で何とか奴を倒してくれ!ラゴン社に行くのは後だ、まずは奴をどうにかするぞ!」
「お、おう・・・」
何だこの慌て様。奴はこっちに気づいてないように見えるが・・・っておい!!
ジャンがジープを動かした途端、MRDが此方に向かってレーザーを撃って来た。
「クソ!若造、とっとと相手をしろ!」
俺は急いで狙撃銃を構えた。これはまずいことになりそうだ・・・



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2009年12月11日 21:00:15  No.49033
I P:58.188.140.28
第二章 死闘
MRDはこっちに向かって物凄い速さで飛んで来た。
俺は頭部に一発銃弾を当てた。しかし、分厚い装甲には傷一つ入ってないようだった。
「ジャン、全く効かねえぞ!」
俺は運転しているジャンに向かって叫んだ。
「どこか奴の装甲が薄い所があるだろ。そこを狙え!」
どこだよ!俺は狙撃銃を適当な箇所に撃ち続けた。だがまったく歯が立たない。
MRDはこっちに向かってバルカン砲を発射してきた。
「ジャン!」
ジャンの運転技術で何とか避けることができた。
「若造、なんとかしてくれ・・・」
そんなこと言われてもどうすることもできねえよ。
弱点はどこなんだ・・・
「若造!前も頼む!」
俺は運転席の方向を見た。銃を持った龍達が空を飛んでいた。
俺は一体ずつ撃ち落していった。
その時、ジープに物凄い振動が走った。
「チッ!」
ジャンは急いでハンドルを切ったが無駄だった。ジープは転倒し、俺たちは投げ飛ばされた。
恐らくMRDが突進してきたんだろう。俺は急いで立ち上がり、狙撃銃を手に持った。
「ジャン、大丈夫か!?」
俺はジャンを探した。
「若造・・・助けてくれ・・・」
ジャンの声をするほうを見た。ジープの下敷きになってやがる・・・
「すぐに助け・・・れない・・・」
ジープの後ろにはゆっくりとMRDが迫っていた。ジャンをターゲットにしているようで俺には一切見向きもしなかった。
落ち着け・・・奴は半分機械なんだ・・・
「目だ!」
ジャンが叫んだ。目・・・だと・・・
俺はMRDの目に標準を合わせた。どうやらセンサーのようになっているようだ。
俺は狙撃銃で目を撃った。目のセンサーが砕け散った。
MRDその場で停止した。やったか!?
「若造、早く助けてくれ・・・」
運良くジープは少し力を入れただけで動いた。俺はジャンを引きずり出した。
「助かったぜ。さあ、ラゴン社まではまだまだだ。ジープに乗れ」
ジャンはそう言ってジープを元に戻した。頑丈なジープだ。
俺たちはまたジープに乗って走り出した。
「赤外線モード故障。サーモグラフィモードに変更」
MRDからそのような声が聞こえMRDはまた立ち上がった。
「まだ死んでなかったのか!?」
俺はそう言ってまた狙撃銃を構えた。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2010年01月04日 22:50:13  No.49034
I P:121.82.152.64
俺はまたMRDの目を狙い、狙撃銃を放った。しかし、MRDはびくともしなかった。
「ジャン、きかねえぞ!」
「こうなったら一か八か・・・この先にはラゴンの発電所もある。その近くに行けば何とかなるかもしれない」
なるほど。MRDはほぼ機械だ。発電所の近くに行けば少なからず電磁波が流れていることだろう・・・多分。
「分かった!早くしてくれよ!」
俺はそう言ってジープにつかまった。
「おい、ちゃんと応戦してくれよ!」
ジャンが叫んだ。だが、あんな相手戦うだけ無駄だ。俺はジープにつかまり続けた。
ん?突然MRDが立ち止まった。様子がおかしい。
「ジャン、MRDが止まったぞ」
「あん?マジかよ」
ジャンは運転しながらMRDのほうを見た。
「おい若造!奴、ミサイル発射準備を行ってるぞ!」
「やばいじゃねえか!どうしたら・・・」
「撃ち落せ!その狙撃銃だったらできるさ」
無理だろそんなことよ・・・そう思いながら俺は狙撃銃を構えた。
MRDの翼部分からミサイルが四発発射された。
速い・・・上手く狙えるか・・・
俺は狙撃銃を撃ち放った。
ミサイルの一発に何とか着弾し爆発した。それに巻き込まれ、他のミサイルも次々に爆発した。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2010年07月09日 23:53:48  No.49035
I P:219.115.240.29
「やったか!?」
「すげえじゃねえか若造!」
ジャンはそう言って猛スピードでジープを走らせた。
「おい、まだ着かねぇのか!?」
俺は焦りながらジャンに話しかけた。さすがにコレが続いたら持たねぇよ・・・
「あと一キロ」
「はぁ!?」
一キロだと・・・!?
「マジで言ってるのか?」
「ああ・・・ってあの体制は、やべぇぞ・・・」
「ん?・・・何やってるんだあれ?」
MRDは再び立ち止まり、その場にしゃがみこんだ。
「・・・レールガン」
「レールガン?」
「レールガンを撃って来るぞ・・・」
レールガン・・・電磁誘導を利用して弾丸を放出するという兵器らしい。一応実用化に向けて試験がされているって聞いたことはあるが、まさか既に実用化されてたとは・・・
「おい若造よく聞け」
「あ?」
「ジープを捨てる。此処からは徒歩だ」
「何言ってやがる!?」
馬鹿なのか!?そんなことしたら奴に殺されるだろ・・・
「あのレールガンは対戦車用につけられたようなもんだ。ジープを撃つ事ができても人間くらい標的が小さいと狙うことができないんだ」
「・・・そうか。それでジープを囮にして俺たちは逃げると」
「ああ。それにレールガンの射出後にMRDは一定時間動くことができない。逃げるのは簡単だ。行くぞ!」
ジャンの掛け声で俺とジャンはジープから飛び降りた。そしてレールガンの射程範囲から遠ざかった。ジープはそのまま直進している。
そして、MRDからレールガンが発射された。爆音と電流とともに弾丸が飛んでいき、ジープに直撃した。一瞬にしてジープは木っ端微塵になった。
「ふう・・・危ない。大丈夫か、若造」
「ああ・・・」
俺とジャンは発電所に向かって歩き出した。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2010年07月15日 23:08:36  No.49036
I P:219.115.240.29
第三章 潜入
約一時間後、俺とジャンは発電所の前に着いた。
「やっと着いたな・・・ジャン、どうやって潜入したらいい?」
入り口には何個も監視カメラが付いており、そこから入るなんて問題外だ。また、発電所の周りは巨大な塀が立っており、よじ登るのも難しそうだ。ジャンなら何かいいルートを知っているかも知れない。
「そうだな・・・これしかないかもな」
ジャンはそう言って手に持っていた狙撃銃を構え、入り口の監視カメラを撃ち始めた。
監視カメラは次々と壊れていき、発電所内のサイレンが鳴り響いた。
「おい、何してるんだ!?」
馬鹿だろこいつ・・・まじでふざけるな。
「監視カメラはあそこにしかない。中は恐らく警備の龍だけがいると思う」
「・・・質問に答えろよ」
「人間はいないと思うから思う存分暴れていいぞー。ほら来た!」
入り口から何体もの龍が飛び出してきた。龍はこちらを見た瞬間、銃を構えてきた。
「クソ!」
俺はアサルトライフルを構え、龍を次々と撃っていた。龍はどんどんと倒れていった。
「若造、行くぞ」
「分かったよ・・・」
もっと賢い方法あったと思うんだけどな・・・
俺とジャンは龍を撃ち殺していきながら発電所内部へと入っていた。
「此処の構造はどうなってるんだ!?」
「いろいろ施設があってややこしいんだが、発電所のタービンを止めるのが先決だ。まずは制御室に行くぞ!付いて来い!」
ジャンが前に立ち、龍を倒しながら前に進んでいった。
俺はその後につき、ジャンのバックアップをした。
龍の数は想像以上に多く、いたるところから飛んでくる。
「クソ!いったんストップだ!」
ジャンは急に立ち止まり、物陰に隠れた。俺もその隣に隠れた。
「どうした?」
「龍の数が多すぎる。ここで全員を倒してから先に進むぞ!」
ジャンはそう言うと狙撃銃のスコープを覗き、空を飛んでいる龍を撃ち落していった。
俺も地上で銃を撃って来る龍をアサルトライフルで倒していった。
何分にも渡る銃撃戦の末、俺たちは何とか龍を倒すことができた。
「これで終わりか?」
「まだ油断はできないが、とりあえず先に進もう」
ジャンと俺は立ち上がり、制御室へと向かった。



Re:D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜  投稿者:リボルバー  投稿日:2010年07月30日 22:29:33  No.49037
I P:219.115.240.29
「ここだ」
数分後、俺達は制御室に着いた。
「どうして此処に来たんだ?」
俺は尋ねた。此処の電気を止めてどうするつもりだ。
「此処で作られた電気は地下にある研究所に供給されている。地下に入るためにはまず此処の電気を止めて、無人のセキュリティシステムを少しの間だけでも止める必要がある」
ジャンが答えた。
「研究所・・・だと・・・?」
此処の地下に研究所があったのか。発電所はそれを隠すためのダミーでもあり、十分な電力を供給するためでもあったようだな。
「そうさ。ま、こんなことしなくても研究所に人はいないと思うぜ」
「は?」
何言ってるんだこいつ。
「もう、此処の研究所は捨てられたも同然。お前、MRDを見ただろ」
「ああ」
「あいつみたいな危険な兵器がここらをうろちょろしてるのは、実験データを採取するためだった。そして実験終了後、MRDを本社に写すための準備をしていた。だが・・・」
「だが?」
「研究所で準備を行ってた時、MRDが暴走を起こしたんだ。そのせいで施設内はめちゃくちゃ。当然大量の研究員が死亡、生き残った奴等もすぐに此処を捨てていった。俺はその時も荒野で見張りをしてたから巻き込まれなかったんだがな」
・・・待てよ。ラゴンの奴等は全員ここから立ち去ったんだろ。じゃあ何でこいつは此処に残ったままなんだ。
「お前、何で此処にいる?ラゴン社の人間なんだろ」
「・・・忘れられていた、とでも言っておこうか」
忘れられてたってそれは無いだろ。これは何かあるな。
「嘘・・・じゃないよな?」
俺がそう言ったその時、突如巨大な音が聞こえた。
「何だ!?」
俺とジャンは外に出た。
何!?
俺達の目の前には何とMRDがいた。
「・・・ジャン、どうする」
「・・・逃げるぞ、若造」



[66] 幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年09月20日 01:06:04  No.66001 [返信]
[本文を見る]
I P:203.181.121.212
車の小説が書きたくて、どうしても書いてしまいました。
レッドゾーンさんの小説とカブってしまいましたが、お許しください。

あらすじ

高校3年の吉田 耕一。幼馴染の大川 櫻と久しぶりに会い、
しぶしぶドライブに連れて行く。そこに謎のZ31が現れる。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年09月24日 23:00:40  No.66002
I P:203.181.121.212
登場人物紹介

吉田 耕一(ヨシダ コウイチ)18
とある事故により、左腕をなくした男。クラスでも人と全く話すことはしない。車の運転以外では歌が得意で、中学校では、彼がいるクラスは必ず合唱コンクールで優勝していた。関西育ちなので、キレると関西弁になる。
車種はマツダ RX−7 FC−3S

大川 櫻(オオカワ サクラ)18
耕一と同じ学校に通っている、幼馴染の女。合唱部で、歌が好き。
学校の中では、唯一耕一と話せる者である。耕一の走りを見てからは、すっかり走りにとりつかれている。
車種はマツダ RX−7 FD−3S

白田 京(シロタ ケイ)36
Z driversと言うチームのリーダーにして、首都高7人衆の一人。
「C1最速」と恐れられている。
車種は日産 フェアレディZ33

北平 修(キタヒラ シュウ)36
Z driversの副リーダー。数々の車を廃車にしていることから、「殺し屋Z」と恐れられている。
車種は日産 フェアレディZ32

大原 清(オオハラ キヨシ)38
wing driveRsのリーダー。電撃のように鋭いコーナリングから、「狂気の電撃」と呼ばれている。かつて、「首都高最強」の男を殺したらしい。
車種は日産 スカイラインGT−R BNR32

横山 弥彦(ヨコヤマ ヤヒコ)36
wing driveRsの副リーダー。冷静そうな走りを見せるが、チャンスがあれば、相手を事故らせるような荒々しい走りへと変貌する。
車種は日産 スカイラインGT−R BNR32

石田 治(イシダ オサム)37
メンバー全員が何かしら障害を抱えている、白刃というチームのリーダー。事故により、片目を失った男。そのため、プロのドライバーの実力を持ちながらも、プロになることが出来なかった。
車種はマツダ RX−7 FC−3S

原 桐子(ハラ キリコ)25
生まれつきの難聴を持った女性。白刃の副リーダー。優しい性格で、周囲から人気を集めている。
車種はトヨタ 80スープラ



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年09月20日 03:13:15  No.66003
I P:203.181.121.213
鈴木 正義(スズキ マサヨシ)30
ロータリーセブンのリーダー。ロータリーエンジンをこよなく愛する男。
車種はマツダ RX−7 FD−3S

城嶋 文弘(ジョウシマ フミヒロ)26
スバリスターズ、リーダー。ラリーに憧れ、峠で名を上げてきたチームだが、どういうわけか首都高に参戦。
車種はスバル GC8

町田 昇平(マチダ ショウヘイ)27
首都高エボリューション、リーダー。城嶋とは峠時代からのよきライバル。「横羽最強」と呼ばれている。
車種は三菱 ランサーエボリューションW

中原 一志(ナカハラ ヒトシ)20
「ふざけてねーよ」という、ふざけたチームのリーダー。妙にノリがよく、走りもラフな感じ。通称「おふざけ番長」
車種はトヨタ ハイエース

田路 悠木(タジ ユウキ)19
Non Powersと言うチームのリーダー。とにかく地味。持っている車種も地味。通称「地味」という、地味な名で地味にがんばっている。
車種はトヨタ AE86レビン

春川 正(ハルカワ マサシ)28
首都高7人衆の一人。通称「情熱のC1ランナー」
車種はポルシェ911

野ノ平 銀(ノノヒラ ギン)35
首都高7人衆の一人。通称「銅(アカガネ)」
車種は日産 シルビア13

佐々原 銀(ササハラ ギン)35
首都高7人衆の一人。通称「銀(シロガネ)」
車種は日産 シルビア15

浅原 昌一(アサハラ ショウイチ)40
首都高7人衆の一人。通称「無敗の番長」
車種は三菱 ランサーエボリューションZ

山田 安彦(ヤマダ ヤスヒコ)23
首都高7人衆の一人。通称「ベイサイドランナー」
車種は日産 スカイラインGT−R BNR33 



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年09月22日 00:16:45  No.66004
I P:203.181.121.212
マツダ RX−7 FC−3S
通称FC。ロータリーエンジンというエンジンを積んだ、けっこう古い車。馬力はわずかに他の車より劣るが、コーナーで十分巻き返せる戦闘力を持つ。

マツダ RX−7 FD−3S
通称FD。FC−3Sから、更に進化したマシン。同じくロータリーエンジンを積み、馬力、コーナリング性能も上がった。

日産 S30Z
通称Z。相当昔の車。馬力もそれほど無く、C1向けの車。某漫画で主人公の登場車種となったが、ブームは起きなかった。

日産 フェアレディZ32
通称Z32。スタイルなどを含めた、完璧なスポーツカーとして誕生したが、走り屋達から「駄馬」と貶されている・・・

日産 フェアレディZ33
通称Z33。確かコーナーに強かった。wikiにもあまり書かれていないので、大層な事は言えません。

日産 スカイラインGT−R BNR32
通称R32。かの有名なGT−R。とにかく直線に強く、加速ではおそらく最強。

日産 スカイラインGT−R BNR33
通称R33。R32よりも直線での最高速が速い。ただし、その分コーナーでの性能を悪くしてしまったところがある。

日産 スカイラインGT−R BNR34
通称R34。この代で、コーナリング性能を大きく見直し、加速、最高速も損なわない性能にした。この小説の中でたぶん最強。

日産 シルビア13
通称S13。元々はデートカーとして生まれた車。その性能が買われて、今ではすっかり走り屋の車となった。

日産 シルビア15
通称S15。シルビア系の最終形態。6速のミッションなど、さまざまな部分で強化が施されている。

トヨタ 80スープラ
トヨタ車最高。と、作者は思っている。馬力は勿論、空気抵抗も少ないため、今直人気が高い。

トヨタ AE86
某漫画で名を上げた車。ご存知の方も多いと思う。馬力は最低。唯一の利点は軽量。コーナリングに優れている。と言うこと。初心者向けの車として有名。

トヨタ ハイエース
正直言って、速く走るための車ではない。宅急便とかなんかの会社が使ってる、ワンボックスタイプの車。ね・・・。

三菱 ランサーエボリューションW
通称エボW。馬力も十分あるが、なんと言ってもその旋回性。コーナリング重視の車。このタイプはあまり人気ではなかったようだ・・・。

三菱 ランサーエボリューションZ
通称エボZ。馬力を更にアップし、旋回性も磨き上げた。割と大人しそうな外観だが、ボディは以前より格段にがっしりとしている。

スバル インプレッサGC8
通称GC8。作者はメカ音痴なので、メカのことには触れなが、馬力はある。ただし、それに負けてかコーナリング性能がイマイチ。すいません。これしか言えませんでした。

ポルシェ911
かの有名な外車、ポルシェ。エンジンが後ろにあり、加速を担当するタイヤも後ろにあるので、コーナーの脱出速度に特に優れる。

作者のいい加減な説明のため、分からないことだらけだと思います。
wikiで調べた方が良いかもしれません。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月29日 17:57:04  No.66005
I P:203.181.121.211
第0話 全ての始まり

18年前・・・
首都高横羽線・・・

一台の黒い車が火を噴いていた。
ドライバーは投げ出され、そのまま動かない・・・
一番近くに居た車の男がその光景を見て笑っている。

?「ははははははっ!!黒影FC!無様だなぁ!!くははははっ!!」

投げ出された男は左腕を失っていた。血はこれでもかと言うほど流れ、意識は朦朧としていた。

投げ出された男「あのGT−R・・・殺す・・・」

それが男の最期の言葉だった。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月28日 00:09:51  No.66006
I P:203.181.121.213
第一話 スピードという麻薬

六月某日。午後7時。A高校。

俺は部活が終わり、荷物を持って出口へ向かった。

俺「明日は日曜か・・・。また首都高行くか。」

大概の奴は、マックやらモスバーガーやらに寄って帰るらしい。(最近知った。)
俺は特に寄る所も無く、一人中央線に乗って帰ろうとしていた。
俺が普段乗る扉の位置に、数人の女子が集っていた。その中に一人、俺の幼馴染にして唯一心を開ける者が居た。大川 櫻だ。

俺「よ。」
大川「よ。」

はい。会話終わり。他の女子がめんどくさいので、他の扉から乗る事にした。
夜の車窓は、ハッキリ言って殆ど何も見えないので、立ってるにしろ座っているにしろ眠っている。
新宿で乗り換えてまた眠り、気付いたら下車駅。たまに乗り過ごす。

大川「あ、また。」
俺「ん?お前か。なんか用か。」
大川「今日暇だからさ、ゲーセンとか行こうよ。」
俺「他の奴らはどうした。」
大川「用事だって。」
俺「別に良いけど、俺はひとりで勝手にやらせて貰うからな。」

俺達二人には親は居ない。俺は交通事故で、大川は強盗かなんかに殺されて・・・。
目的のゲーセンに着いた。俺は自動車のゲームやら電車のゲームやら旅客機のゲームやら、基本的には景色が前から後ろに流れるものしかやらない。
大川はその俺をいつも見ている。金が無いんだとさ。じゃあ誘うなよ・・・。

夜11時。今から行けば、首都高も一般車が少なくなっているだろう。
特にこれといって会話も無く、大川と別れた。
家に帰り、荷物を置いたら俺はガレージに向かった。

俺「さーてと。今日も行くか。FC。」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年09月25日 00:00:06  No.66007
I P:203.181.121.212
エンジンを掛けたとき、携帯が鳴った。大川からメールだ。
鍵をなくして家に入れないんだとよ。ちゃんと管理しろよ。
仕方がないので、首都高に行く前にそいつの家に行った。家の目の前で座って待っていた。

大川「凄くウルサイ車だと思ったら、吉田君のだったの?」
俺「うん。」
大川「ちょっと乗せてってよ。暇だしさ。」
俺「ちぇっ・・・」

大川を乗せて、車は首都高へと向かった。いつも通りに木場から新環状線に乗る。

大川「高速道路?どっか遠くへ行くの?」
俺「違う。首都高をグルグル回ってるだけ。」
大川「楽しいの?」
俺「うん。」

隣に大川がいるので、あまり飛ばさず、法定速度以内で流している。
新環状線、C1、湾岸線に横羽線・・・。いろいろ回って、新環状線右回り、福住の辺りに来たとき、一台の車が後ろからライトを点滅させて、バトルを挑んできた。Z31だ。
俺は面倒くさいし、大川の目の前でそんなことはしたくないので、ブレーキを踏み、バトルをする気は無いと意思表示をした。

大川「何なの?あの車。」
俺「ん・・・、(なんて説明しよ・・・)」
大川「キャ!!ぶつけてきた!!」

Z31ドライバー「何だよ!そんなチューンでバトルする気はないだぁ?ナメてんのかよ!」

更にもう一度ぶつけてきた。普段ならここで関西弁になり、一気に突き放そうとするのだが、隣に一般人がいる。危険なマネは出来ない。
ヘタすればそいつも、全てを失ってしまう。

大川「あんな車イヤ。どうにかして逃げようよ・・・」
俺「う・・・うん。でもどうするの?」
大川「そのくらい考えてよ。男でしょ。」
俺「はぁぁ!?」
大川「とにかく逃げれればなんでも良いから。」

俺は一瞬戸惑った。飛ばせばこんな奴らすぐに振り切れるのだが、大川の前でそんなことしてもいいのか。いや、どうせすぐだろ。

俺「10秒間だけ飛ばすぞ。いいな。」
大川「うん。お願い。」

俺はアクセルを一気に床まで踏み込んだ。一気にバックミラーの彼方へと消えていくZ。

Z31ドライバー「げぇぇ!!嘘だろぉ!!いきなりバトル開始かよ!!」

3連続の左右の切り替えしをクリア。たったそれだけでZは視界から消えた。ジャスト10秒。アクセルを緩め、ここから一番近い、塩浜出口へと向かった。

大川「うわぁ〜。おもしろ〜い。はや〜い!!」
俺「えっ・・・?」
大川「もっと飛ばしてよ。」
俺「えっ・・・?」
大川「ダメ?」
俺(いや、普通に考えてダメだろ・・・法律違反だし。)

気がついたら塩浜出口を降り、その辺の路肩に止まっていた。
面白い・・・ってなんだ?いや、面白いときもあるけどあれはつまらんかっただろう。なんていったって相手が弱すぎた。

大川「あたしも車乗ろうかな・・・」

どうやらコイツは、そこらの麻薬よりも危険なものに取り付かれたようだ。こんな危険な行為を分かってくれる者が居たとは。しかも女。

大川「もっかい高速道路行こうよ。」
俺「お前、免許取れば。」
大川「そだね。」

その後、大川のリクエストに答えて、首都高を4時までぶっ続けで走った。めっちゃ疲れた・・・。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月28日 00:15:15  No.66008
I P:203.181.121.213
第二話 命を張った戦い 1

日曜日。家でお気に入りのレースゲームをやっていたら、誰かが訪ねてきた。

大川「や。今日も高速道路行こうよ。」
俺「昼間はマズイだろ・・・。」

昼間は交通量も多い。思うように飛ばせないし、公衆の目に留まるような時間にそんなことをやるのは迷惑だろう。夜中も同じなのだが・・・。

俺「そうだな。今日は首都高には行けないが、俺の知り合いに会いに行こうか。」
大川「え〜。」
俺「明日学校だろ。まぁ、車関係の奴だから、そこそこ楽しいと思うぜ。」

俺は、愛車FCで都内にあるマンションを尋ねた。俺は駐車場にあるギャランと言う車を指した。

俺「あれが、これから会いに行く知り合いの車だ。ギャランって言うんだ。」
大川「へ〜。なんかそれっぽい。」

エレベーターで5階に上がり、脇坂と言う表札の前で止まった。脇坂耕吉(ワキサカ コウキチ)。知り合いの名だ。インターホンを押してしばらく待つと、眼鏡を掛けた同い年くらいの男が現れた。

脇坂「何だよ〜。来るなら来るって言えよ〜。」
俺「ああ、わりいな。コイツは大川。走りの世界に目覚めた女だ。」
大川「どうも〜。」
脇坂「ども、脇坂です。」

脇坂の家の中で何をしていたかと言うと、やっぱレースゲーム。大川にいろいろ教えながら、バトルを繰り返していった。
一段落したとき、思い切って脇坂に頼み事をして見た。

俺「なぁ、こいつに車買わないか。」
脇坂「え?でも免許持ってないんでしょ?」
俺「俺達は無免でやってたじゃん。」
大川「えっ、無免?」
脇坂「うーん、免許は近いうち取らせるとして、車種は何にする?」
俺「そうだな、GT−Rはどうだ?四駆だから安定性も良いし。」
脇坂「そんなの買える金あるか?」
俺「そりゃそうだ。じゃぁどうしようか。」
脇坂「ここは本人の好きな車種にするか?」
俺「そうしよう。じゃ、お好きな車種をどうぞ!」
大川「えっ・・・、私がぁ!?」

レースゲームの車種選択画面で、いろいろ見ながら大川は悩んだ。
ポルシェ 買えるもんならかって見やがれ
GT−R さっき買えないって言っただろ
AE86 首都高でトップに立てるわけが無い
フェラーリ ・・・・・・

結局、俺のFCの次の型のFD−3Sという車にした。馬力次第ではC1や湾岸線でもトップに立てる力を持った車だ。脇坂がその車を売っている店を知っているそうなので、おそらく一週間以内にはこちらの手にあるだろう。

そして一週間後・・・土曜日・・・

俺の家のガレージに一台車が追加された。黒いFCの隣に、白いFDが止まった。

俺「すげぇな。ホントに手に入っちゃったよ。」
脇坂「お前が言ったとおり、リミッターは解除しといた。で、無改造。ノーマルのまま。まぁ、初心者だからね。」

二人でいろいろ話していると、大川が来た。いよいよ、大川のファーストランが始まる。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年09月27日 12:13:00  No.66009
I P:203.181.121.211
俺「木場から入って、C1へ行こう。内回りでな。」

C1内回りは初心者向けのコースといわれている。外回りは上級者向けだ。とりあえず、今日は内回りコースのレイアウトを覚えてもらうために、80キロで流してもらう事にした。

俺「俺は一人で走ってくる。しっかり覚えておけよ。」
大川「えっ、何か教えてくれるんじゃないの?」
脇坂「あいつはああいう奴なんだよ。」

俺はビデオカメラを取り付けてC1内回りへ向かった。学校の都合上、土曜日の夜しか走れない。たった一日だけではコースは覚えられないので、他の日でも覚えることが出来るように、録画しておくためだ。
C1内回りを録画し終わり、芝公園の辺りで降りた。近くに走り屋達が集う広場があった。何かじろじろ見られている。人があまり多いところは好きじゃないので、人通りの少ない静かな場所で止めた。

?「あれか?先週君を10秒ほどでぶっちぎったFCって言うのは。」
Z31ドライバー「間違いねぇ!あの黒いFCですよ!GTウイングも付いてるし。」

やがて、コンコンと窓をたたく音がした。悪そうな奴ではなさそうだ。俺は窓を開け、話を聞いてやった。

俺「何ですか?」
?「先週、君、Z31とバトルした覚えはあるかい?」
俺「覚えてないですね。」
Z31ドライバー「何だとぉ!!」
?「覚えてないならそれで良い。少しバトルをしてもらえないかな。」
俺「構わないですよ。あなたの名前は?」
田路「田路 悠木。Non Powersというチームのリーダーだ。とりあえず、うちのメンバーとバトルしてもらいたい。」
俺「良いですね。そっちは誰が走りますか?」
田路「今呼んでくるよ。」

暫くして、3台の車が来た。グロリア、クラウン、セルシオ・・・。首都高ではあまり光の当たることの無い、地味な車がそろっている。

田路「まずはこの3台とバトルしてもらう。C1内回り・芝公園出口に先に入った方が勝ちだ。それで良いかい?」
俺「構いませんよ。それで行きましょう。」

芝公園からC1内回り。アクセルを目いっぱい踏み込む。前から後ろに加速Gが掛かっていく。100キロ・・・120・・・140・・・

俺「面倒だ。さっさとケリをつけさせてもらう!!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年09月27日 23:35:51  No.66010
I P:203.181.121.213
浜崎橋の右コーナー。かなり長いストレートの直後に、下り勾配の付いたコーナーがあるので、かなり手前からブレーキを掛ける。
下り勾配に差し掛かり、一瞬車がジャンプする。

俺「ヒューーー!ここのジャンプはいつ来てもひやひやするぜ!」

思いっきりハンドルを切り、車はドリフトを始める。タイヤは滑り、路面に黒い軌跡を残していく。
次は汐留のS字コーナー。ここは3車線あるので、ある程度オーバースピードでも十分クリアできる。
最初の左。一番右の車線から、思いっきりブレーキを掛ける。ハンドルを切る。タイヤが滑る・・・。
次の右コーナーはさっきの左よりも僅かにきついコーナーだ。タイヤを滑らせ、車体が左に向いたまま、一気にハンドルを右へ切る。
逆ドリフトというテクニックだ。

俺「あっれ〜。あっという間にバックミラーから見えなくなっちゃったよ。おっせーなぁ、あいつら。」

その後は別に本気で走らなくても、およそ5分の走りで追い抜かれずに一周した。
芝公園出口の近くに田路が居た。俺はその近くで止まった。

俺「一周してきましたよ。俺の勝ちですね。」
田路「そうか。あいつらもまだまだだな。次はもう少し強い奴と戦ってもらう。」
俺「何人かかってきても同じですよ。」
田路「果たして本当にそうかな。」

お?今度は何が来るんだ?っと思っていると、AE86とS30が来た。この2台は某漫画で主人公の登場車種となった車だ。でも、いくら漫画のマネをしても、その主人公のようにはいかないのが現実・・・。

田路「この2台とのバトルだ。ルール・コースはさっきと同じだ。頼んだぞ、二人とも。」




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年09月27日 23:36:49  No.66011
I P:203.181.121.213
始まった。芝公園からスタート。浜崎橋の右下りコーナーを3台がドリフトで駆け抜ける。汐留のS字も同じくドリフト。

俺「へえぇ。存外まともそうな奴らだな。この先はコーナーの多い銀座区間か。ちょっとやばそうだぞ。」

トンネルをくぐり、問題の銀座区間へと入った。ここはS字コーナーが多く、車線の間に橋げたみたいのがあったりして、首都高では一番難しいところだと思う。
最初のS字。右、左の順で、きついコーナーが続く。3台はドリフトで何とかクリア。しかし、コーナーでFCと他の2台との車間が少しだけ縮まった。コーナーでは負けている。

俺「ちょっとこれはやべぇんじゃねぇの!?」

ストレートでその差は簡単に挽回出来た。緩い左の後、最初の橋げたが現れる。この緩いコーナーでミスって、コントロールを失ってしまうと、橋げたに激突しかねない。
次はさっきのよりも緩いS字だが、最初の左は上り、次の右は下りという風になっている。そして、下りの左コーナーの出口には橋げた。
斜線の真ん中を通るような中途半端な走行ラインでは勿論激突。かといって、橋げたの左側を通ろうとすると、コーナー外側の大きな壁が迫り、ちょうどよいスピードでないと壁に激突してしまうことも有り得る。
右側は大幅な減速が必要だ。かなり減速すれば無事に通り抜けることが出来る。しかし、この後はC1でかなりの長さを誇るストレート。ここで相当な減速をすれば、そのストレートでの加速が伸びず、タイムロスにつながる。
俺はいつも外側を通るようにしている。マシンを適正速度に減速させて、どうにかクリア。直後のストレートで大幅な差をつけた。

AE86の男「くっ・・・。コーナーで差が詰められない。テールランプが小さくなっていくっ!!」
S30の男「追いつけねぇ!!」

江戸橋ジャンクションで、たった一車線の下り右コーナー。一車線だが、わずかに白い斜線の入ったスペースがある。そのスペースを利用し、派手にドリフト。
宝町ストレートで遅れをとっていた2台は、今にも視界から消えそうなFCを見て相当焦っていた。2台のうち、先頭を走っていたハチロクは、江戸橋の右コーナーでスピン!!

AE86の男「のわぁっ!!しまったぁぁぁ!!」
S30の男「はっ!!馬鹿ぁぁぁ!!!」

AE86、S30 スピンアウト――



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月13日 17:38:49  No.66012
I P:203.181.121.211
俺は再び芝公園の広場へ戻った。

俺「正直言って全く相手になりませんね。次は誰が?」
田路「本気で言っているのか?タイヤのグリップがやばいんじゃぁ
・・・」
俺「そんなものは言い訳にはならない。とにかく、あんたのチームを今夜潰す。」

その一言で、Non Powersのメンバー達は後ずさりした。田路は、吉田の車から、吉田本人から何かオーラのようなものを感じた。

田路(何だ?車の限界を知らないような相手ではないし、虚勢を張っているわけでも、単なる脅しを言っている様な感じでもない。)

こいつには揺らぐことの無い自信がある―――

とんでもない奴を相手にしてしまった。だが、このまま帰してくれる訳でもなさそうだ。完全にこのチームを潰すつもりだろう。

田路「良いだろう。山本、吉川、平田。来るんだ。彼らはうちのチームの二番手、三番手、四番手だ。」
俺「彼らを倒せば、次はあんたってわけですか?」
田路「ああ。」

車種は呼ばれた順に、MR−2、アルテッツァ、ロードスターだ。どの車種も、馬力こそあまり無いが、コーナリングに優れている。
再び芝公園から4台がバトルを始める。

田路はAE86レビンに乗って、どこかへ駆けていった。

メンバー「田路さん、どこ行くんですか?」
田路「神田橋か、霞ヶ関の辺りからC1内回りへ行く。待ち伏せて連続バトルに持ち込む!!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月14日 17:07:16  No.66013
I P:203.181.121.213
激しいスキール音で4台は最初の大きなコーナー、浜崎橋へ突入。Non Powersの3人は携帯電話をメーター類の近くに置き、お互いに連絡を取り合っている。チーム戦だからこそ出来る、簡単かつ高度な戦法だ。

山本(MR−2)「相手のFCはタイヤのグリップがやばい筈だ。後方からバンパープッシュを仕掛けて、スピンアウトさせるぞ!」
吉川(アルテッツァ)「了解!」
平田(ロードスター)「分かった。」

バンパープッシュとは、コーナーで相手を抜き去るための技だ。コーナーに入って、相手の車を後方横から軽くぶつける。上手くいけば、相手はバランスを失い失速。こちらは開けた道を全開で進むだけだ。
フルブレーキングでジャンピングポイントを通過、左へ大きくドリフト。すかさず山本のMR−2が左後方から迫る!!

俺「大体やる事は分かってるんだよ!!」

アクセルを思いっきり踏み込み、迫るMR−2をかわす。次は汐留のS字コーナー。左から始まり、次はさっきよりもキツい右。
最小限のブレーキでコーナーへ突っ込む!コーナークリアと同時に、サイドブレーキで車体を一気に右へ回転させる!!

山本「何だそりゃァ!!強引過ぎる!!頭おかしいんじゃねえの!?」

フルスロットルで加速、この先は首都高最難関、銀座エリアだ。

平田「嘘だろぉ!!何なんだ、あの加速!!」

吉田のFCはおよそ500馬力。GTウイング(レーシングカーの後ろについてるアレ)というパーツを装着。一見普通のFCに見える。だが、普通の者はやらないような秘密が隠されているとか。

吉田「読者の方には教えてやる!!コイツの車重、1トン切ってるんだぜ!!」

車重およそ950キログラム。元の車重が1200キログラム強。車体の材質をカーボンという材質に変えたために、これほどの軽量化が可能になったのだ。
軽量化によるメリットは、加速、最高速の性能が飛躍的に上がること。反対に、デメリットは、ハンドル・アクセル・ブレーキの操作が一瞬でも狂うと、どこに吹っ飛ぶか分からなくなる、非常に扱いにくい車へと変貌する。
圧倒的な加速力で、3台を一気に引き離す。難しい銀座区間のS字コーナーを何とかクリア。宝町ストレートに入る!

吉川「くっそぉ・・・。ぜってぇ抜かすっ!!」

吉川はこのストレートでスクランブルブーストを掛けた。上り坂の部分でFCを抜かした。
スクランブルブースト。この装置を起動させると、マフラー(排気ガスが出るあそこ)から白煙が出て、加速力が一時的に上昇する。ただし、その分エンジンに相当な負担がかかるため、下手をするとエンジンブロー。つまり、エンジンが壊れてしまう。

俺「オイオイ。下手にそういうの使うなよ。車の悲鳴が聞こえるぞ。まぁ、このくらいのストレートなら、ぶっ壊れたりしないだろうけど。」

順位が入れ替わる。アルテッツァ、FC、MR−2、ロードスター。
江戸橋JCTの右下りコーナー。アルテッツァがドリフトを始める。FCも続けてドリフトに入る。

俺「今だ!!」
山本「吉川っ!!後ろっ!!!」
吉川「!!!」

FCの右フロントがアルテッツァの左後ろにヒット!!バンパープッシュだ!!
アルテッツァはバランスを失いスピン。後ろの2台は何とかよけた。だが、アルテッツァはその後車線をふさぐような形で停止。再び走り出したときには、3台ははるか彼方へ。

吉川「ちきしょぉ・・・」

吉川 アルテッツァ スピンアウト―――



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月27日 23:47:07  No.66014
I P:203.181.121.213
山本「吉川、大丈夫か?」
吉川「今、自走して出口に向かっています。大きなダメージはなさそうです。」
山本「そうか。それは良かった。警察には見つかるなよ。」
吉川「はい。」

残りは2台。呉服橋、神田橋とFC先頭の状態が続く。

山本「代官山のトンネルの右上りコーナーでバンパープッシュを仕掛ける。万が一失敗したら、後はお前が頼むぞ。」
平田「は、はい。」

竹橋JCT、北の丸、そして代官山・・・!!

山本「頼むぜMR−2!!いっけぇーー!!」

事故を覚悟でFCに立ち向かっていく!FC・突然ブレーキを踏み、MR−2とトンネルの壁の間に入り込む!?

俺「アホんだらぁ!!そんなスピードで突っ込んだら死ぬでぇ!!わざわざ助けてやらなアカンやろぉ!!」

ガッシャァァァン!!!

山本「え・・・?助けられた・・・?」
平田「よっしゃぁぁぁ!!抜けるっ!!」
山本「止めろ!平田!」
平田「え?」
山本「アクセル抜いて、80キロに戻せ。副リーダー命令だ。」
平田「は、はい・・・」

3台は再び芝公園の広場へ戻った。メンバー達が、傷んだMR−2を見て驚きの声を上げた。どうしたんですかと詰め寄る者もいた。

山本「このバトルは無効だ。日を改めてやり直そう。それで良いですよね。リーダ・・・、リーダー?どこ?」
メンバー「待ち伏せして連続バトルに持ち込むと言って、どっかに行きましたよ。」
山本「そうか。ま、いっか。どうせ地味なリーダーだし。それよりもあんた。ありがとな。って、あのFCの奴もいない!?」
メンバー「『修理代をもらっていく』って言って、山本さんの鞄から財布を取って逃げました。」
山本「うっそぉぉぉぉ!!!」

その頃・・・信号で止まっているFCの中で、俺は山本とか言う奴の財布を見ていた。

俺「ひゅーーー!!万札ばっか!!速い奴の財布はぜんぜん違うなぁ!!!」

同時刻・・・C1内回り
AE86が、誰かを探すように迷走していた。Non Powersリーダーの田路の車だ。

田路「アレ?みんな・・・どこ?」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月28日 19:35:37  No.66015
I P:203.181.121.212
第3話 命を張った戦い 2

土曜日。午後7時。俺は学校の近くにこっそり止めてきたFCを動かした。下道を普通に走る分には問題ないようだ。だが、首都高で一暴れは出来そうに無い。明日は日曜なので、脇坂の教えてくれた板金屋に行くことにした。
1車線の小さな道をひっそりと走っていると、交差点から女が飛び出してきた。

大川「やっほー。」
俺「お前か。早く乗れ。見つかるぞ。」
大川「今日も首都高?」
俺「違う。今日は修理。」
大川「なーんだ。ま、いいや。連れてってよ。」
俺「別にいいけど・・・。」

脇坂の書いたメモを頼りに、脇坂お薦めの板金屋へ向かう。場所は江東区の砂町というところだ。割と近い。

俺「えーっと、ここかな。『ハルカワ ボディーワークス』。間違いなさそうだな。」

俺は、近くの従業員に声を掛けた。すぐに見てもらえるそうだ。しばらくして、再び従業員が来た。

従業員「だいぶ傷んでますね。修理に長くて一週間って所でしょう。」
俺「いえ、明日の夜までには直してください。それが出来る人がいるでしょう。」
従業員「あ、もしかして、脇坂って人の知り合いか何かですか?」
俺「そうですよ。」
従業員「分かりました。今すぐ呼んできます。」

しばらくして出てきたのは、この店のボス。春川 正。首都高7人衆の一人。搭乗車種はポルシェ911の964と呼ばれるタイプ。

春川「一体何した。こんなになって、車がかわいそうとか思わないのか。」
俺「先週、俺とバトルしていたMR−2が、こっちにバンパープッシュを仕掛けようとしました。おそらく事故覚悟の突込みだったんでしょうが、事故らんばかりの勢いで、壁にぶつかりそうになったので、間に入って助けました。」
春川「間違いないな。脇坂の言っていたFCだ。その噂は聞いていたんだが、あんたが本当にそのFC乗りかとちょっと試してみたんだ。済まなかったな。注文通り、明日の夜、多分12時ごろになると思うが、その頃に取りに来てくれ。」

俺はFCを預け、大川のFDの面倒を見ることにした。徒歩で家まで帰ったので、非常に疲れた・・・。

俺「先週はどんな感じだったの?」
大川「ちょっとスピード出してみたかな。面白かったよ。」
俺「じゃぁ、首都高のバトルでもやってみますか。」
大川「バトルって何?」
俺「ん?知らないのか。それもそうか。バトルっていうのは、車同士でレースすることだよ。早速来たぜ!ハイエースの宣戦布告だ!!」

後ろからハイエースがライトを点滅させてきた。このとき、相手とバトルがしたくなければ、ブレーキを踏んでその意思を示す。これが首都高のマナーだ。
大川初のバトル。赤坂ストレートから、C1内回り!
ハイエースの加速が速い。ノーマルのFDと、大川の腕では敵わないだろう。赤坂ストレート後の左のゆるいコーナー。相手よりも速いスピードでコーナーに突っ込む!だが・・・

ガッシャン!!

曲がりきれずに、FDは外側の壁に横から当たってしまった。タイヤがノーマルなので、路面への食いつきは最悪。結果、またもやさっきの板金屋に行くことになった。




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月15日 16:54:19  No.66016
I P:203.181.121.213
春川「またあんたか。何だ、夜遅くに。」
俺「彼女がFDの右側ぶつけてしまって・・・。またお世話になります。」
大川「どーも〜。」

春川はFDの右側を見て、作業に取り掛かった。傷はひどくないらしい。

俺「彼女は、僕の学校の知り合いで、最近走り屋の世界に興味を持った、初心者なんです。」
春川「そうか。まぁ、初心者ならこれくらいは当たり前だろう。そうだ、直すついでに、ボディの剛性も上げとくか?」
大川「はしりや・・・?ごうせい・・・?」
俺「走り屋って言葉も知らないのか。そういえば説明してなかったな。」
大川「暴走族みたいな・・・違うよね。」
春川「そんな奴らと一緒にしないでくれ。暴走族はカッコつけただけのバイクや車に乗ってるだけの連中。走り屋は、市販されている車をレーシングカー並みに改造して、公道やサーキットを走る者達のこと。」
俺「剛性って言うのは、言うならば車体の硬さだな。溶接やら何やらして、車体を硬くする。」
春川「ただ硬いだけでもダメなんだ。馬力を受け止める強さと、馬力を路面に伝えるネジレって奴が必要なんだ。分かるか?」
大川「硬すぎても、やわらかすぎてもダメってこと?」
春川「そうだ。で、この車、あんたのFCと一緒に引き取りに来てくれるか。分けると面倒だしな。」
俺「分かりました。」

今日はもうすることがなさそうなので、俺達は家に変えることにした。突然後ろからクラクションが鳴った。MR−2だ。

山本「おまえぇぇぇ!!財布を返せーーー!!」
俺「やべぇ!!逃げるぞ!!」
山本「逃がさぁーーーん!!!」

ものの30秒とせずに捕まってしまった。

吉田 耕一   逮捕――――

山本「何だ!上のやつは!ここまでカッコつける必要ねぇだろ。で、財布!」
俺「ごめん、全部使っちゃった。」
山本「この野郎ぉぉぉーーーー!!」

都内某PA(パーキングエリア)

GT−Rだらけの駐車場に、中年のおっさん二人を真ん中に、若者が何人か集まっている。

大原「はい。これより、Wing DriveRsの作戦会議を始めたいと思います。司会進行はリーダーである俺、大原 清が務めまーす。
で、今週はどんなバトルがあったの?」
メンバー「やはり、首都高エボリューションとスバリスターズのバトル。勝敗はつかぬまま終わったそうです。」
大原「ここんとこ、毎週一回はやってるな。そのチーム。」
メンバー「今日は、Z Driversと神田橋シルバース。Z Driversが勝利を収めました。」
大原「おー。あいつまたチーム潰したのか。凝りねーなぁ。」
メンバー「最後に、先週気になるバトルがありました・・・」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月15日 20:59:35  No.66017
I P:203.181.121.211
大原「なに?それ?」
メンバー「黒いFCがNon Powersというチームを壊滅寸前まで追い込んだとのことです。」
大原「へ〜。それ、一人で?」
メンバー「一人のようです。信じがたいですよね。」

作戦会議が終わり、走りに行く前にトイレで用を足している大原。どうもいつもより深刻な顔をしている。

大原(黒いFC・・・。たった一人でチームに挑む。か。)




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月15日 21:00:42  No.66018
I P:203.181.121.211
次の日

俺は朝一番に春川の店に行った。FDの方はもう直っているらしい。FCはボディは直っている。後は中身のダメージを受けた部分を交換するだけのようだ。

春川「あんたか。まだFCは直ってないぜ。FDの方、引き取りに来たのか?」
俺「今から追加で注文なんですけど、良いですか?」
春川「簡単なのなら構わない。何だ?」
俺「FD、俺のFCと同じくらいの剛性にしてください。それから、ロールケージを入れて、駆動系のパーツは出来る限り最高級のものにしてください。」
春川「駆動系は専門じゃねえから出来ないが、ロールケージと剛性は何とかなりそうだ。それで構わないか?」
俺「構いません。それでお願いします。」




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月15日 21:01:30  No.66019
I P:203.181.121.211
その夜

俺と大川は直った車で首都高を走ろうとしていた。車に乗り込もうとしたとき、大川が車の内装が変わったのに気付いた。

大川「この変なパイプみたいなの何?」
俺「ああ、それ。ロールケージって言ってさ、ドライバーを衝撃から守るための物なんだ。」
大川「へー。」
俺「じゃぁ、俺は芝公園に行く。お前は、C1内回りを走りこめよ。」

そして、俺は芝公園に行った。あの広場では、待ってましたといわんばかりにあのチームのメンバーが顔を揃えていた。そして、一人の男が歩み寄ってきた。山本だ。

メンバー《ガーッ・・・田路さん。来ました。あいつです。》
田路《ザッ・・・分かった。作戦開始だ。》

山本「来たか。言わなくても分かるな。」
俺「財布ですか?」
山本「いや、まぁ、そっちもだけど、メインはバトルだろ。」
俺「分かりました。じゃぁ、今度は外回りでどうですか。」
山本「よし。そっちで行こう。」

今回はFCとMR−2だけでバトルするようだ。C1外回りは、内回りに慣れた者が、更なるレベルアップをするための上級者向けコースと言われている。
FC先行でスタート。最初は一ノ橋JCTの右の中速コーナー。少し速度を落としてクリア。麻布のトンネルをクリア。そして赤坂ストレート!!

俺「このストレートで離す!C1では500馬力の車が一番早いんだ!たぶん!!」

最後のは気にしないで行きましょう。赤坂ストレートクリア。差が一気に広がる。霞ヶ関トンネル手前の右コーナー。間に少しストレートを挟み、左コーナー。連続ドリフトで更に引き離す!

山本《ガーッ・・・ただいま霞のトンネル。国会前の左コーナー手前です。》

国会前のコーナーは下り勾配つきの左コーナーだ。スピードに乗りすぎると、ジャンプしてしまい、壁に激突してしまう。丁寧に減速してドリフトで華麗にクリア。

俺「かなり軽量化してるからな。あんだけ減速しても少し飛んでしまったな。」

山本《国会前コーナー通過!コーナーワークでも負けてんのか!?俺!田路さん!こいつ、この前よりも速くなってますよ!大丈夫ですか!》
田路《大丈夫だ。とにかく、宝町ストレートまで食いついていけ。その辺りで僕と合流するはずだ。》

千鳥ヶ淵の右上りコーナー。2台はドリフトでどうにかクリア。代官山、竹橋JCT、一ツ橋・・・。何が何でもくらいついていこうとするMR−2。そして勝負は江戸橋JCTまでもつれ込む!!

山本「このコーナーをクリアすれば、後は田路さんがどうにかしてくれる。」

江戸橋のコーナー。2台のテールランプが赤い子を描いていく。そして宝町ストレート!

田路「きた――――」

白と黒のツートンボディ。AE86。獲物を待っていたかのようにゆっくりと走っていた。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月18日 02:57:46  No.66020
I P:203.181.121.211
俺「ここで援軍か。良いぜ。来い!!」

先頭のハチロクはこちらの進路をふさぐように走っている。後ろのMR−2はゆっくりとチャンスをうかがい、抜きに出る作戦か。
一つ目の橋げたを通過。同時にS字コーナー。一見すると、ゆるいS字だが、直前の宝町ストレートでスピードがかなり乗っている。そのため、200キロ近いスピードから、一気に100キロほどまで減速する。
3台は同じようなラインでそのコーナーを通過。ゆるい右の直後にまた橋げた。

俺「ここのストレートで抜けるか!?頼むぜFCィ!!」

黒いFCは、この僅かなストレートで一気に先頭のハチロクと並んだ。その瞬間、銀座区間最後のS字が襲い掛かる!!

田路「このストレートでそれだけ(アクセルを)踏むかぁ!!?曲がり切れなくなっても知らないぞ!!」

FCはかなり速めにドリフトに入る。フロントがハチロクの目の前を通過!!外側のガードレールとの隙間は5センチと無い!まさに神業のようなコントロール!!
突然のFCの走りにビビって、田路は一瞬アクセルを抜いた。その一瞬で、距離は5メートルほど離されてしまった。

田路「あいつ、狂ってるぜ・・・」

俺「お前は俺が狂っているというだろう。読者の方も、そんな危ない行動はサーキットでやれよと言う人もいるだろう。だけど、俺にはそこしかない。サーキットみたいに芝生も無い、この場所しかないんだ。」


生きている以上、命張ってんねんから――――


トンネル内のかなり緩いS字、そして汐留S字までのストレート。一気に距離が離れていく。2台のライトは遠くにかすんでいく。バトルは終わりに近づく・・・。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月18日 02:59:21  No.66021
I P:203.181.121.211
いや、終わらなかった。もう一台、このFCと決着を付けていない者がいた。

平田「敵わないのは分かってんだ。でも、やり残したままは気色悪いだろ。」

俺はバトルを続けた。それでやつの気が済むならそれで良い。ここからのバトルはあのロードスターのドライバーのためのバトルだ。
浜崎橋JCT右下りコーナーッ!!
2台ほぼ同時にドリフト、だが、そのスピードが違う。内側に陣取ることに成功したFCは最小限の角度のドリフトで、鮮やかにパッシング(追い抜く)。

平田(やっぱ敵わねえ。コーナーたった一つでこれだ。抜かれるとかじゃなくて、何か別のもの・・・)




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月18日 03:00:00  No.66022
I P:203.181.121.211
平田の後ろからもう一台来る!!ハチロクレビン!!その細いランプは、獣か、それとも・・・

田路「平田、お前の敵う相手じゃない。《山本、お前もだ。後は僕が、何とかしてみせる!!》」

ラストスパートッ!!芝公園の出口まで距離は無い。スクランブルブーストを掛けて追いつかんとするハチロク!!

田路(お前の走りで気付かされたよ。僕は、自分が戦士みたいに思っていた。命張って戦っていると、思っていた。
でも違った!僕は戦士なんかじゃない。いつも後一歩のところで引いてしまう。銀座区間のS字でやっと気付いた。あまりにも臆病すぎた・・・。)

右車線のトラックをパスし、次のコーナーに向けて右車線へ。そのとき、マフラーから左側から白煙を吐き出しながら、ハチロクが左側に並んだ!!
芝公園出口手前の左から始まる緩いS字コーナー。2台の鮮やかなパラレル(平行)ドリフト!!

田路「いっけぇぇぇぇ!!!!!」
俺「させっかァァァァ!!!!!」

その次の、左に芝公園出口のある右コーナー。フェイントモーションでクリアしていく2台!フルスロットルで加速する暇も無く、次の右コーナーが迫る!
十分速度を落としている2台。ハチロクはグリップでコーナーに進入!対するFCは後ろのタイヤを僅かに滑らせた!

ガッシャッ!

FCの左後ろがハチロクの右後ろにヒット!ハチロクはバランスを少し失った!外側の壁が迫る!!!アクセルを抜いて態勢を立て直す!!
その横で、FCは加速力を生かして一気に引き離す!

田路「引き離される・・・。追いつけないッ!!」


田路 悠木 AE86  失速――――


山本《リーダー!後は俺が・・・!》
田路《無駄だ。お前じゃ敵わない。》
山本《でも、このままでは・・・》
田路《これ以上続けても勝ち目は無い。僕達の負けだ。》

敵の力量を知り、勝ち目は無いと判断した田路。Non Powersの3人は下道に下り、元の広場へ戻った。

メンバー「田路さん!結果は!?」
田路「済まない。ダメだった・・・。」

その言葉で、広場は人の声はしなくなった。しばらくすると、ロータリーエンジンの音が聞こえた。吉田のFCだ。

田路「僕の負けだよ。君、速いんだな。」

田路は右手を差し出した。俺も右手を出し、握手をした。そのとき、田路が俺の左腕を見た。そして、目を丸くしながら話し出した。

田路「君、左腕は・・・!?」
俺「これですか。昔事故で、どっかにぶっ飛んでいってしまったんです。驚きましたか?」
田路「右腕だけだと、シフトが使えない。もしかして、オートマ?」
俺「そうですよ。ハンドルは、船の舵を切るように、穴の部分に手首を入れて回します。」

メンバー全員が、まるで恐ろしいものを見るような目になったのに気付いた。それは身体障害者をみて、自分と違うところをまじまじと見つめる、一般的な目ではない。
目の前にいるものは、ハンデを背負い、それをものともせずに事を成し遂げる者。そのことに気付き、恐れ、おののいているのだろう。

俺「じゃ、いつかまた会いましょう。」

吉田は最後にそれだけ言って、広場を出た。風に揺れる葉の音が、彼を賞賛する拍手のように聞こえた。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月28日 19:38:20  No.66023
I P:203.181.121.212
第4話 失う悲しみ 1

家のガレージ――

黒いFCと白いFDの間に俺は突っ立っていた。今回は、生活保護の金や、道端で拾った金を使ってFDをチューン(改造)した。エンジンの馬力を280馬力から400馬力に変えた。エンジンのパワーを上げると、駆動系(ブレーキなど)にかかる負担が多くなる。なので、駆動系をを最高級の品に変えた。
ただし、一つだけ何もいじっていない部分がある。大川に大切なことを知ってもらうために、そこには一切手をつけていない。

大川「よ。」
俺「よし。そんじゃぁ、お前のFDに乗せてもらおうかな。」
大川「デートって感じ?」
俺「はぁ?お前がどこまで上手くなったか見るんだよ。」

いつも通り、木場からC1方面へ。今日はあるチームに協力してもらって、こいつに大切なことを知ってもらう。
後方から、3台のハイエースが来た。ライトを点滅させ、バトルのサインを出す。

ハイエースの男「コイツだ。準備はいいな。皆。」
ハイエースの男《おーけー!》
ハイエースの男《了解》
ハイエースの男《こちら第二部隊。準備完了。》
ハイエースの男《こちら第三部隊。いつでもいけます。》
ハイエースの男「きちんと教育入れさせてもらうぜ。」
ハイエースの男「女って言ってたな。どんな走りをするんだ?」
ハイエースの男「相手はブレーキを掛けない。バトル開始だ!」

4台はいっせいに加速。俺はこの3台のスペックを知っている。400馬力のFDがストレートで負けるような相手ではない。まずは、どれだけ怖がらずにアクセルを踏めるかを試させてもらう。
俺はほんの数秒で異変に気付いた。加速競争で負ける相手ではない・・・ハズなのに、ほぼ同等の加速。何故だ?
俺は大川の足元を見た。アクセルを半分ほどしか踏んでいない。加速性能をワザと引き出さず、相手にこちらの力を誤認させるためだろうか。
いや、違う!大川は、部活の都合上走りに出れるのは土曜の夜だけ。週一回の走り込みで、合計5、6日ほどしか走っていないだろう。
ワザとアクセルを目いっぱい踏まないなんて芸当が出来るほど、経験を積んでいないのは明らかだ。じゃあ何故・・・?
大川はシートから体を前にずらした。まるでヤンキーみたいな座り方だ。加速力が一気に上がる。
まさか・・・!?
俺はもう一度大川の足を見た。やはりそうだ。


足が短すぎて、アクセルに足が届いていない――――ッ


これはもう馬力だとかではない。こいつの体の問題だ。

俺(あっちゃぁーッ、この状況は車を扱った作品の中でも初めてなんじゃないのか?あまりにも致命的過ぎる!)




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月29日 22:36:14  No.66024
I P:203.181.121.212
江戸橋JCT C1方面左コーナー。
このコーナーは最初が上りで、後半が下りという特性を持つ。しかもかなりの急コーナー。
上りは、勾配によって車速が落ち、いくらか曲がりやすくなる。だが、下りは車速が上がり、上りに比べて曲がりにくくなる。
このコーナーの中間地点に入った途端に、急に操作性が変わる。どうクリアするのか。
相手より遅いタイミングでブレーキ!同時に一気にハンドルを切り、左へ旋回!タイヤが滑る!ドリフトだ!
下りに入り、十分に減速したFDはドリフトを止め、次の直線に向かって加速していく。
外側の壁すれすれでストレートへ入った。
宝町ストレート。
ここはしばらく下りが続く直線なので、ハイエース3台は、FDの加速に大きく遅れをとる。

ハイエースの男「速い。馬力競争じゃぁこっちが不利だ。」
ハイエースの男「だが、この先の銀座区間は唯一、馬力が殆ど関係なくなるエリア。」
ハイエースの男「つまりコーナー勝負がメイン。」
ハイエースの男「でも良く考えたら、俺らもコーナーでは不利じゃね。」
ハイエースの男「じゃぁ勝てねーじゃん!」
ハイエースの男「どーすんの?どーすんのヨ、俺!?」
ハイエースの男「ライフカードかよ!?そんなCMあったなぁ・・・。」
ハイエースの男「『続ける』『降りる』『どちらでもない』の3枚からどうぞ。」
ハイエースの男「『どちらでもない』で」
ハイエースの男「いや、じゃぁ何?」

こんなグダグダな会話をしているうちに、大川のFDは一気に銀座区間を通過。あっけね〜。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年10月30日 22:51:03  No.66025
I P:203.181.121.213
汐留S字
今度は別のハイエース3台と遭遇。予想通りバトルを挑んできた。
大川はブレーキを踏まず、そのままバトルを受けようとする。
4台同時に加速。一番前は大川のFDなので、この先の浜崎橋JCTで、横羽線を進むか、このままC1外回りでいくかを選ぶことが出来る。
大川が選んだのはC1外回り。右下りコーナーを通って、芝公園方面へ。

大川「そういえばさ、ここに付いているメーターは何?」

大川は新しく取り付けた油温計や、水温計を指した。

俺「ああ、それはあんまり気にしなくて良いよ。」

油温計、水温計といったメーター。簡単に言ってしまえばエンジンの負担を示しているといった方が良いか。
こいつらが赤い部分まで来てしまうと、オーバーヒートとなり、エンジンの出力が一気に低下。最悪の場合、マフラーから変な煙が出て、エンジンブローしてしまう。

俺(かなりメーターが上がってるな。ブローは近い・・・!)

芝公園の緩い2連続S字をクリア。一ツ橋JCTの右コーナーが迫る!
思ったよりも遅くブレーキを踏み、減速に入る。そして思いっきり右にハンドルを切り、コーナー出口でフルスロットルで加速。
3台のハイエースに立ち上がりで差をつける!

ハイエースの男「すげっ・・・!」
ハイエースの男「立ち上がりでアクセルを踏むタイミングが速い!」
ハイエースの男「クソッ!初心者なんじゃねぇのか!?」

トンネル内のS字を通過し、谷町JCT、そして赤坂ストレート!!

ハイエースの男「我慢ならねぇ。ここで一気にブチ抜く!!」

FDのすぐ後ろを走っていたハイエースが、スクランブルブーストを掛け、一気に加速。FDを抜いた!!

俺「焦る必要はない。次のコーナーで勝負は付く。」

俺の予想は的中した。このストレートの後は霞ヶ関トンネル入り口の右下りコーナー。一見あまりきつくなさそうだが、勾配がかなりあるため、減速は思ったよりも速めにしておく必要がある。
かなりのスピードでコーナーに突っ込んだハイエース。曲がりきれずに外側の壁に激突。フロントのタイヤを中心にスピン!!

俺「アクセルを抜くな!そのまま突っ切れ!!」

その言葉に、大川は思いっきりアクセルを踏み込んだ。タイミングよく、FDはハイエースを回避。後ろの2台はビビって減速。
傍から見ればリンチみたいなバトルに2連続で勝利!



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月08日 05:21:50  No.66026
I P:203.181.121.213
再び法廷速度に戻ったFD。すると予定通り、ハイエース3台がバトルを仕掛けてきた。

大川「も〜っ、何なのあの変な車ぁ!!」

これで合計9台。これに勝てば、あとはリーダーただ一人となる。正直言うと、そうなって欲しくない。そろそろくるか・・・

俺(エンジンにかなりの負担がかかっている。ブローは近い・・・)


千鳥が淵コーナー バトルスタート―――ッ


FDの情けないエンジン音が、一気に甲高い音に変わる。後ろにつく3台は、チーム『ふざけてねーよ』の2,3,4番手だ。そりゃ速い。
代官山トンネル入口 比較的緩めの下り左コーナー。
大川はブレーキを踏まずにコーナーへ向かう。曲がりきれるか!?
コーナーでオーバースピードで進入した場合、入口は外側・コーナーの中盤で内側・出口で外側、という風に通った方が一番速いらしい。
この法則は俗に、「アウト・イン・アウト」と呼ばれている。
そのセオリー通りに、アウト・イン・アウトでクリア。そしてハイエース軍団もほぼ同じように通っていった。

俺「上手くなったな。」
大川「まぁね。」

竹橋JCTの手前の緩いコーナー。手前が上り坂なので、スピードが乗っているとどうしてもジャンプしてしまう。
ジャンプするポイントの手前で思いっきり旋回を始める。そして、ふわりと接地感が消える。

ガンッ・ギヤァァァァ・・・!!

見事に接地。見事などリフトを決め、ハイエース軍団に差をつける!
一ツ橋出口 S字コーナー、神田橋、呉服橋、江戸橋JCTコーナー・・・そして宝町ストレート――――ッ!!
思いっきりアクセルを踏み込み、この先のキツい銀座区間までFDに鞭を打つ!
だが・・・!?


ズウンッ!バラバラバラ・・・・

大川「えっ・・・、どーしたの・・・?」
俺「エンジンブロー。エンジンが壊れた。とりあえず、京橋の辺りで降りて、レッカー車呼ぼう。」

京橋で降りレッカー車を待つ間、大川は何度もエンジンを掛けようとした。だが、勿論エンジンは動かない。
まるで、死人に何度も声を掛けているようだ。

俺「死人は何も答えてくれない。お前も分かるだろ。」

そう言っても、エンジンを動かそうとする大川。目には涙のようなものが浮かんでいた。

大川「このエンジン、直せないの・・・?」
俺「直せる。が、直すつもりは無い。」
大川「何で・・・?」
俺「一度でもブローしたエンジンは、ブロー癖という変な癖がついてしまう。いくら直しても、ブロー癖ってやつは直らない。」
大川「でも・・・、」
俺「奇麗事や、センチな感情ではどうにも出来ないものがある。分からないか?」

その言葉を最後に、大川は黙ってしまった。もうエンジンを掛けることもしない。
改造車、チューニングカーの世界は、失って失って、何かに気付くものだと俺は思っている。
エンジンぶっ壊して、壁にぶつけて、ヘタすれば再起不能になったときに気付くのかもしれない。


機械は生きている

生きているから

死なせてはいけない――――


失ってから

やっと気付き

そして悲しむ――――



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月28日 19:43:16  No.66027
I P:203.181.121.212
第5話 失う悲しみ 2

しばらくして、レッカー車が来た。運転していたのは・・・春川だ。

春川「あんたらか。ちょっと手伝ってくれ。運ぶから。」

言われるままに、FDを荷台に乗せた。レッカー車は2人乗りなので、春川と俺が乗った。大川はタクシーで帰ってもらった。
レッカー車の車内で、春川は俺に聞いた。

春川「何故冷却系の装置を付けなかった?」
俺「失う悲しみを知ってもらうためです。」
春川「なるほどな。この世界はそういう物だからな。」

春川の板金屋に到着。だが、春川はエンジンは専門ではない。他の誰かに手伝ってもらうとのことだ。ということで、春川がその相手に電話している間、俺はレジやら金庫やらをいじっていた。

春川「・・・・・・あ、鈴木自動車ですか?春川ボディワークスの春川です。鈴木 正義さん、いらっしゃいますか?」

なんやかんやで、エンジンは鈴木自動車というところの鈴木正義という男が、新しいエンジンを持ってきてくれるんだとか。
春川のポルシェで送ってもらい、俺は家に帰っていった。

辰巳PA――

2台のBNR32、それと、Z32,33が止まっていた。Rはwing driveRsのリーダー、副リーダーだ。Zは、Zdriversのものだ。

大原「久しぶりだな、白田、それから北平。」
北平「そちらこそ、お元気そうで・・・。」
横山「ここに俺らを呼んだのは、何かわけがあるんですよね。」
大原「ああ。お前らも最近聞いているだろ、黒いFC。」

他の3人は、それがどうしたのというような顔だ。

大原「忘れたのか、18年前のアレを!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月11日 00:10:51  No.66028
I P:203.181.121.213
一週間後

新しいエンジンを積んだ白いFDがガレージに運ばれてきた。

春川「持ってきてやったぜ。あんたの注文通りにな。馬力は400、タイヤのグレードを上げて、ボンネット、リアスポイラーを変えた。軽量化はホントに良かったのか?」
俺「彼女はまだその域に達していないと思います。有難うございました。」
春川「あ、金は要らねえぜ。俺の店はあまるほど持っているからな。じゃ。」

そう言って春川は去っていった。
俺はちゃんと注文通りに作られているかもう一度見た。うん。ちゃんと作られている。
だが、一つだけ注文し忘れているところがあった。アクセルやブレーキ。大川は、身体的な理由でペダルが踏み切れていない。

俺「あっちゃぁ〜、仕方ない。即席で作るか。」

俺は倉庫にあったベニヤ板やガムテープなどを引っ張り出して、ペダルにテキトーに貼り付けた。これで身長130センチ弱のあいつでも踏めるはず。
今日はハイエース軍団、「ふざけてねーよ」の4〜2番手とリーダーの中原とバトルしてもらう。
いつも通り、大川が来た。

大川「あ、車直ったんだね。今日はあたしの車でいい?」
俺「ああ。構わないよ。この前の奴等とリベンジマッチか?」
大川「うん。」

大川の目に迷いは無い。時速が300キロを超えることがあるその場所では、一瞬の迷いが敗北と死の原因となる。
歌でもそう。真っ直ぐで飾りの無い声が最終的には一番だ。

大川「もう絶対壊したりしない。」
俺「金がかかるからナ!」
大川「ちょっと、今カッコいい事言ったのに空気壊さないでよ。」
俺「わりぃ、あ、エンジン壊したくなかったら、このメーターに注意しろよ。」

この前は気にしなくても良いと言った、油温計や水温計だ。エンジンの負担を示しているようなものだ。
これを見て、どれだけエンジンに負担を掛けられるか、勝負どころに出れるかどうかなどを判断する。

俺「このメーターのどれかが赤い部分に到達したら、勝負は中止。ハザードを出して法廷速度に戻せ。ある程度回復するまで待てよ。」
大川「うん。」

木場入口より新環状線内回り入り――――



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月11日 18:03:34  No.66029
I P:203.181.121.211
俺(短い間だが、今回で最後だ。俺の隣にコイツがいるのはこれが最後だ。残りは実践でしか手に入らない。戦って、撃墜(オト)して、ぶち殺して出しか手に入らない。
すべてはお前のため。だが、ここで関係を断ち切ることは俺のためでもあるんだ。それが分かるのはいつになるやら・・・)

白いハイエース3台。後方から追いついてきた。やはりライトを点滅させる。

湾岸線下り有明にてリベンジマッチ開始――――ッ

俺「踏め!!」

400馬力の加速が襲い掛かる。本物。紛れも無く本物の加速だ。有明JCTで11号線へ。レインボーブリッジへと進路を向けるように右コーナー。
200キロオーバーでコーナーに立ち向かう。ブレーキを踏み、後輪を滑らせながら旋回、アクセルで速度をコントロールしコーナーを立ち上がる!
バックミラーのハイエースは一気に後方へ。緩いながらも非常に距離の長いコーナー。直線的にクリアし、加速を無駄にしない。

ハイエースの男「んなアホな・・・!?」
ハイエースの男「置いていかれるッ!?」

レインボーブリッジ、速度は200キロ近くへ突入。侵入者のブレーキを試すように、右コーナーが大きな口を開いている。
再び彼女の渾身のドリフトッ!華麗に立ち上がり、続くストレートへアクセル全開!一般車を押しのけるように避け、芝浦JCTのS字へ。

1号線経由C1内回り――――ッ

ハイエースの男「追いつけないッ!!」
ハイエースの男「ここまでか・・・。」
ハイエースの男「まだだ。俺はまだやれるッ!!!」


「ふざけてねーよ」2,3番手 失速――――


4番手の男はいまだに全力疾走。仲間達が携帯でギブアップを呼びかけるも、一向に耳を傾けない。

ハイエースの男「俺はまだやれるんだ。本当に負けるまで、俺は負けを認めねぇ!!!」

大川は後方のハイエースが見えなくなり、エンジンの負担を抑えるためにスピードを落とした。だが、4番手のハイエースが接近して気が変わったか、もう一度アクセルを踏んだ。

俺「まだやれるとでも思っているのか?その愚か者に分からせてやれ。」
大川「・・・?」


まだやれる まだやれる

そんな薄っぺらな言葉で

勇気はちっともわいてこない


汐留S字コーナー。3車線の内ど真ん中に4tトラック。一般車にコースを邪魔されて上手くドリフトが出来ない。
コーナー入口で軽くドリフトさせ、中盤からは速度を殺して一般車を追い抜くまで待つ。
汐留JCTトンネル、そして銀座区間――――ッ



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月13日 23:31:25  No.66030
I P:203.181.121.211
緩めの左コーナーをクリアし、まずは一つ目の橋げた。そして二つ目ッ!

大川「ッ!!」
4番手「とりゃぁ!!」

共に橋げたの左側を通りクリア。立ち上がって速度は80キロ弱。アクセル全開で宝町ストレートへ突入ッ!
加速力で後れを取るハイエース。ここぞとばかりにスクランブルブーストで追いつこうとする!追いすがるッ!
並ぶ・・・このときハイエースはFDの右側に付く。

4番手「直線ではこちらが不利。この先の江戸橋JCT、コーナーの多いC1内回りと、直線の多い新環状線外回りに分かれる。俺の取る道はC1内回りッ!進行方向左側の道ッッ!!!」

4番手の男はFDに新環状線へ行かせない為に強引に左側に寄せていく。FDは、ハイエースに邪魔されて有利な新環状線へ向えないッ!
上り坂に突入!一番左の車線と真ん中の車線の分かれ目の線を、ちょうどまたぐような位置にいるFD。
右側のハイエースが寄せてくるッ!襲い掛かる――――ッ!!

4番手「喰らえぇぇッ!!」

俺「臆すな!そのまま、そのまま真っ直ぐ、アクセル全開ッ!引いちゃダメだ!」

坂を上りきり、開けた視界の先に分岐点!

4番手「動けよFDッ!!動きやがれッ!!」

迫る、分岐の間のコンクリートの壁ッ!!

俺「まだ引き付けろッ!!」
4番手「このまま行けば、俺もお前も分岐の間の壁に衝突だ!それでも動かねえってかァ!!」

目の前に、迫るッ!!

4番手「これ以上は無理だァッ!!」

ハイエースが引いた!!ワンテンポ遅れてFDがC1へッ!!


ふざけてねーよ4番手 ハイエース 戦線離脱――――ッ



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月17日 00:10:36  No.66031
I P:203.181.121.212
法廷速度に戻し、残り最終戦へ向けてエンジンの負担を軽減する大川。C1内回りを、獣が最後の標的を探す!

4番手「中原さん!あのFDはC1内回りです!」
中原「OKOK。張り切っていくぜ!」

辰巳PAより、黄色い派手なハイエースが出発。「ふざけてねーよ」リーダー、中原一志。そのちゃらちゃらした外見とは裏腹に、実力は・・・そこそこ。今の大川が勝てない相手ではない。

C1を一周して江戸橋JCT――――ッ

中原「おっ、白いFD。アレか?」

俺「来たな。大川、あのハイエース、あいつがハイエース軍団のリーダーだ。」

C1内回り江戸橋JCTより
最終決戦――――ッ

先頭ハイエース、後追いFDでバトル開始。呉服橋、日本橋、神田橋、代官山と、中速コーナーが続く区間、2台は膠着したまま。差は開くことも縮まることもしない。

中原「おっ、思ったよりはまともなやつだな。C1俺についてくる。」

最初のタイトコーナー、千鳥が淵コーナー。大川、獲物に牙を向けるかのごとく、インから一気に抜こうとする。
だが、ハイエースはその大柄な車体を上手く利用し、FDの進路を塞ぐ!
トンネルに入り、しばらくストレートが続く。直線での伸びは互角。ならば、必然的にコーナー勝負で決着は付く!
三宅坂、霞ヶ関トンネルと中速コーナーで追い抜こうとするが、やはり進路をブロック(塞ぐ)される。
霞ヶ関トンネルを出て、その先の赤坂ストレートッ!
ハイエースのマフラーから鋭い白煙が吐かれる。スクランブルブーストだ。

大川「何?あの加速!?」
俺「スクランブルブーストだ。一時的に加速力の上がる装置。格闘ゲームの必殺技みたいなもんだ。」

離れてゆくハイエース、焦る大川。谷町JCTコーナーが近づく。一見緩いコーナーだが、直前の赤坂ストレートで200キロ近くまで速度が上がるので、クリアするには減速が必要。それは前回、このコーナーで思いっきりぶつけたために重々承知しているはず。
しっかり減速をし、かなり良いタイミングでアクセルを踏む。だが、ハイエースは射程距離からはるかに離れてしまった。
そして次の同じくらいの曲率の左コーナー。同じようにブレーキを踏んだとき、異変は起こった!



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月17日 23:47:27  No.66032
I P:203.181.121.213
大川「えっ!?」

車体が外側に滑っていく・・・壁が迫る――――ッ!
咄嗟にブレーキを踏み、車速を落とし、ギリギリもところでクリア。一体何が起こったのか、大川には理解できなかった。だが、吉田は理解していた。

俺(タイヤが「熱ダレ」を起こしている。やばくなってきたかな。)

タイヤの熱ダレ。タイヤに負担を掛けるような走行(ドリフトなど)を続けることによっておきる現象のことだ。
タイヤのグリップ力が下がり、路面に食いつかなくなり、結果、コーナー時に車体が外側に滑るようになる。
この状態で車体を滑らせないようにするためには、速度を落とすしかない。
直線は互角、コーナーはスピードを出せずに失速、敗北。ストレートでもコーナーでも勝てない!絶体絶命――――ッ!!

俺「時間が無い。この一周でケリをつけろ!」
大川「えっ!?」

タイヤの熱ダレは、タイヤに負担を掛ければ掛けるほど進行していく。最終的には、タイヤは滑りっぱなし。空回りし、前へと進まない。

俺「そういうことだ。一周して、汐留JCTまでに勝負をつけろ」
大川「分かった。やってみる。」

芝公園2連続S字コーナーをクリア。鬼門の浜崎橋JCT〜汐留S字〜銀座区間、江戸橋JCTへ、満月の最終局面ッ!!!



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月28日 19:45:05  No.66033
I P:203.181.121.212
第6話 失う悲しみ 3

午前2時30分。煌びやかなビルが並んでいる中に、誰にも理解されることの無い光が二つ・・・。

大川「吉田君、この車・・・」
俺「動きが変わったな。」

タイヤが熱ダレを起こし、路面に食いつかなくなる。浜崎橋のコーナーをかなり低い速度で通過し、差は更に広がる。

中原「あのFD,ペースが落ちてるぜ。どーしたんだ?」

汐留S字コーナー。一番右の車線から、一気に左へ車体を回転させようとする・・・そして次は右にッ!
一瞬タイヤが空回りしたが、そのせいで速度が落ちたのでタイヤが路面を掴み、右へ旋回した。
またしても低速でのコーナリング。ハイエースは遙か彼方へ・・・。

中原「バックミラーに映らなくなっちまった。口ほどでもねえや・・・。」

一足先に銀座区間に入ったハイエース。続いてFD。
死ぬほどキツイS字コーナーをワンテンポ遅れてFDがクリア。

中原「ミラーにあいつのライトが見えた。差が縮まったかな。」

確かに差は縮まっている。大川の走り方が変わったからだ。アクセルを踏む時間が圧倒的に増えた。
とにかく加速、加速、加速・・・ッ!今の大川にはそれしか頭に無い。
よく言えば積極的だが、悪く言えば荒々しい。一言で言うならそういうドライビングだ。

中原「速いッ!やべぇヨ、ブチ切れやがった!」

一つ目の橋げたを、左はハイエース、右はFDでほぼ同時に通過。続く2つ目。大川のFDは外側に流れながらも橋げたの左側を通過。ハイエースは、FDとの接触を避けるために一瞬アクセルを抜いてしまった。
FDが前ッ!宝町ストレートで床が抜けるほどアクセルを踏み続ける大川、後方のハイエース、射程距離から外すまいと必死の追撃!

中原「くぅぉお!!やりやがったなァ!」

江戸橋JCT右コーナー。ギリギリまで加速を続け、コーナーを目いっぱい引きつけて、そこから思いっきりドリフト。
少しだけ壁にこすり付けてしまいながらも、初心者にしては見事なドリフトでコーナーをクリア!アクセルを踏み立ち上がる。
が、車体は前へ行こうとしない!ドリフトの状態から加速体制に移れないッ!横に滑るばかりッ!
隙を見てハイエースが追い抜く!大川はアクセルを一瞬抜いて姿勢を立て直し、タイヤを食いつかせ加速体制に入る。

中原「よっしゃァァ!」

俺「エンジンも熱ダレを起こしてきた。さっさとケリ付けないとマジでちぎられるぞ!」
大川「そんなこと言ったって・・・。」
俺「仕方ない。教えるか。この車に付けた、本当のリーサルウェポンッ!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月25日 20:57:00  No.66034
I P:203.181.121.212
大川「えっ!?」
俺「ハンドルのここ。このスイッチを押すと、このFDは400馬力から600馬力のマシンになる。ただし、600馬力で居られる時間はごく僅か。良くて5秒ッ!チャンスは一回きりッ!」

五秒間だけ。圧倒的に不利な状況を打開できるのはその5秒間だけ!
エンジンは熱ダレを起こし、400馬力あったパワーは実質的には350馬力といったところ。
呉服橋、神田橋、一ツ橋、前方のハイエースは離れていくばかり。大川の心に絶望という濁流が襲い掛かり始める!
だが、その濁流は一瞬にして消え去った。千鳥が淵のタイトコーナーで、ハイエースとの距離をかなり縮められたからだ。

中原「重たい車重がきやがったか・・・こっちもタイヤがタレてきた。決着は近いなッ!」

トンネルに入り、ストレートで差が開く。だが、その先にある3連続左コーナーでやはり追いつく。
そして次はそこそこのストレートを挟んだ3連続右コーナー。

大川(確か、この先に赤坂ストレートって言う長い直線があったような・・・)

中原「この3つのコーナーを抜けて、赤坂ストレートッ!そこでケリをつけるぜ!」

右コーナー2つ目!大川はイン側から抜こうとする!速度が下がり過ぎないように、速めにアクセルを踏み込み、コーナーを立ち上がる!
最後の右コーナー。右というよりかは右から始まる緩いS字コーナーといった方が良いだろう。その先のストレートが赤坂ストレート――――ッ!
そこに至るまでの直線で、ハイエースが再び前に出る!S字に突入!
ハイエースはブレーキを一瞬踏んで車体を曲げる『チョンブレ』を使って、右をクリア!対するFDは!?

中原「ブレーキを踏まない!?140,50は出てるぜ!死にたくねぇなら減速しろよ!」

大川「ブレーキは踏まないッ!次の左をアクセル全開で抜けて、5秒間だけの600馬力にすべてを賭けるッ!」

左コーナーで並び、長さ500メートルの赤坂ストレートへ突入!
FDのマフラーから白煙が出て、加速力が大幅に増加する!
速度は200キロに差し掛かろうとする!
残り250メートル、FDが前に踊り出る!車体の鼻先だけ前に!
200メートル、FDはハイエースを追い抜く!
150メートル、白煙は途切れ、600馬力の加速が終わる!
100メートル、一般車を押しのけながら、最後の加速!
50メートル、谷町JCTコーナーが迫る!
25、FDは速度250キロを記録!壁が迫る、迫るゥ!!
10、迫り来る壁のプレッシャー、耐えられるか――――ッ!
0!!

中原(ちィッ・・・、)

先にプレッシャーに負けたのは中原の方だった。最後の最後で臆してしまった。


中原 一志  ハイエース 失速――――


大川「後ろの車がいなくなっちゃった。」
俺「減速したんだ。何らかの理由で勝ち目は無いと判断したんだろうな。」

中原「俺は最後の最後で臆しちまった。臆病すぎた俺に勝ち目なんてねぇヨな・・・。」

大川「今回は私の勝ちネ。」
俺「勝ち負けつけるならナ。だけど、こういうのって勝ち負けじゃないから。」
大川「どういうこと?」
俺「あのストレートで、お前は最後まで(アクセルを)踏み切れた。で、向こうは踏み切れなかった。ただそれだけ。」


この場所は勝敗をつけるための決闘場じゃない

お互いが無言で語らい合うための

勇気と勇気をぶつけ合うための

そういう場所なんだ――――



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月27日 23:45:13  No.66035
I P:203.181.121.213
辰巳PA

一台のFDがパーキングエリアに入った。車を止めた後、特にすることも無いのでしばらく休憩することにした。

大川「ふぅーーっ。疲れたァ〜・・・」
俺「よくがんばったナ。まさかアレほどやるとは思っていなかったヨ。」
大川「あたしってサ、今どのくらい上手いの?」
俺「まだまだだヨ。中級者ってレベル。」
大川「ちぇ、どーせ吉田君には敵わないヨ。ま、これからもいろいろ教えてよネ。」
俺「・・・・・・」

俺は黙り込んでしまった。俺はコイツともう関わるつもりは無いからだ。俺がこれからやろうとしていることにコイツを巻き込むわけにはいかない。


ここから先は俺の問題

俺自身で解決しなければならない――――


大川「おーい、どーしたの?」
俺「あ、わりぃ。眠くなっちゃって。」
大川「あたしも眠い・・・。じゃ、このままここで寝ちゃお。」
俺「いや、家まで送ってくれヨ。そーゆー関係じゃないだろ。」
大川「はいはい。」

俺は自分のやろうとしていることを言おうかと戸惑ったが、結局言うことにした。

俺「一つ良いか。」
大川「何?」
俺「首都高では、今後一切お前とは関わらない。お前の隣に座らない。」
大川「えっ・・・」
俺「俺はこの先の夏休み中に、ケリをつけるべき相手がいる。俺一人の問題だから、あまり首を突っ込んで欲しくないんだ。それに、こんな戦いにお前を巻き込みたくない。分かるか。」
大川「じゃぁ、あたしはどうすれば良いの?誰に走りを教われば良いの?」
俺「脇坂とかからかな。とにかく、もう俺とお前は首都高では仲間じゃなくなったんだ・・・。」

その言葉を最後に、俺達の会話は途絶えた。朝日が昇るまで硬直した空気が続いていたが、やがて木場方面へと走り出した。
木場出口を降り、俺の家の前に着いた。無言の別れだった。
朝焼けに向って走るFDを俺は最後まで見送りながら、決意を固めた。


ここから先は一人で戦うことでしか分からない――――





Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月29日 08:53:27  No.66036
I P:203.181.121.212
第7話

7月20日。今日から学校は夏休みだ。この夏休みが終わるまでは、思う存分首都高を走りこめそうだ。

ということで首都高――――

俺は黒いFCで横羽線下りを走っていた。最終決戦へ向けて、セットアップをするためだ。

俺(久しぶりに横羽戦を走ったな。やはりここではあまり良くないか・・・。おそらくあいつとの戦いは、C1から湾岸まで、首都高全体を使ったバトルになるだろう。首都高のどこでも完璧に走れるセッティングじゃないと勝てはしなっ・・・あ、)

ガス欠だ。最後の部分が台無しだ。大黒ふ頭で降りて給油をする。FCに積まれているロータリーエンジンというエンジンは、他の車に比べて燃費が悪い。
この車が出来てから20年以上経った。その間に見事に時代に反する車になってしまった。
正直言うと、このエンジンは良いとは思わない。生活保護で得た金が、この車のチューンとガソリン代に消えてしまう。
燃費さえよければ、ゲーセンにでも行きたい。だけど・・・

俺(このエンジンは世界で一番速いエンジンなんだ。燃費は、速さを得るための代償。どんな世界でも強さを得るためにはリスクが付きまとう。)


そのリスクとどう向き合うか――――


俺(俺はリスクから目を離さな・・・)
田路「あっ、誰かと思えば!」

台無しだろーが!割り込んでくるなよ!

俺「な、何の用ですか?」
田路「いや、ここのところ、自分の走りに対して行き詰まりを感じてね。君の走りを助手席で見てみたいんだ。良いかな?」
俺「・・・。分かりました。じゃぁ、助手席に・・・」
田路「あ、出来れば僕のハチロクに乗って欲しいんだが・・・」

えっ!ハチロクゥ!!そんな車でどこを走れというんだ。大黒ふ頭からは湾岸線と横浜環状線が延びている。
湾岸線はとにかく直線ばかり。圧倒的な馬力勝負。横浜環状は、長い直線とコーナーがウザイ程難しい形で並んでいるので、直線で相手に離されない様な加速と高速域でのコーナーの性能、乗り手の腕が求められる。
そしてハチロクという車。
しょぼい馬力、コーナーの性能は良いが、それは低速域の話。高速域ではどうなのかは分からない。

田路「湾岸線を走れなんて言わない。横浜環状、横羽線を往復してくれないか。」

アホな事言うな!そんなショボイ車でまともに走れるわけあらへん。20年以上前に発売されたFCよりも古いねんぞ!
と、言いたい気分だ。だが、田路がどうしても言うので、仕方なく俺は引き受けた。

田路「馬力は400馬力まで上げた。赤坂ストレートで290キロを記録して、それが最高速度だ。」

横浜環状へ上がり、みなとみらい付近で3台の車がバトルしているところに遭遇した。

田路(バトルのようだな。このハチロクの本当のポテンシャルを見るチャンスだ!)



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月29日 14:23:47  No.66037
I P:203.181.121.212
前方を走る車はレガシィ、ランサーエボリューションV×2の3台。
馬力はこちらとほぼ同じだが、コーナーが恐ろしく下手糞だ。おそらく相手にもならないだろうが、

田路「頼む、ぶっちぎってくれ!コイツの本当のポテンシャルが見たいんだ!」

と言うので、仕方なくぶっちぎった。やっぱり大した事なかった。汐入付近でバックミラーから消えてしまった。

田路「すげぇ・・・俺の車ってこんなに速かったっけ・・・?」
俺「腕の差です。向こうがただ単にヘタなだけですヨ。」


レガシィの男「何だァあいつ!?ハチロク!?冗談じゃねぇよ!とにかく報告だ。」

男は携帯電話を取り出し、どこかに連絡した。

ランエボの男「町田さんッ!いま、横羽線なんですが、ものすごい速いハチロクに振り切られました!」
町田『何ィ!そんなハチロク聞いたことねぇぞ!一旦大黒ふ頭に戻れ。』

大黒ふ頭――――

町田は電話を切り、深いため息をついた。

町田「さっきいたあのハチロクじゃァねぇよな。アレはNon Powersの田路の車だ。横羽なんかじゃぁ話にならねぇ。」

そうつぶやいた時、男が一人こちらに近づいてくるのが見えた。町田の良きライバル、「スバリスターズ」のリーダー、城嶋 文弘だ。

城嶋「よう。町田ぁ。お前のチームのやつ、横羽線でハチロクに振り切られたそうだな。」

町田は舌打ちをし、どうせ隠してもばれる事だと思ったので正直に話した。

町田「ああ、そうだよ。悪ぃか?」
城嶋「実はな、俺のチームのやつもなんだよ。」
町田「ッ!?」
城嶋「いま、何人か偵察に行かせたけど、チームの下っ端たちじゃぁ相手にならないだろうな。」
町田「で、用件は何だ?」
城嶋「このままじゃぁ、寝覚めが悪い。今夜中にも、あのハチロクを撃墜しないか?」
町田「なるほど、同感だ。で、どうやって撃墜するんだ?」

二人は建物の隅に隠れ、作戦会議をした。会議が終わるなり車に乗ってどこかへ出かけてしまった。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月30日 20:29:08  No.66038
I P:203.181.121.212
横羽線羽田トンネル

ハチロクは新たな敵と交戦していた。GD8インプレッサ×2、ランサーエボリューションW×2
スタートは馬力の差で前に出られてしまった。羽田トンネルを抜け、緩い右コーナーに差し掛かった。
目前に4台が固まってスローダウンしている。前方のトラックを避け切れなかったようだ。

俺「馬力はある。だが、一般車を避けるのはヘタだ。」

一気にごぼう抜きにし、次は同じくらい緩い左コーナー。アクセルは全開のままで、左足でブレーキをちょんちょんと踏む。「左足ブレーキ」だ。
速度の減少を最小限に抑え、平和島料金所まで続くストレートへ入る。

ランエボの男「そっちはハチロクだろ?コーナーでミスってもストレートで楽に前に行けるんだよ!」

4台に一気に抜き返される。少しずつ開いていく差。

田路「クッ!ハチロクじゃぁ無理もないな。」
俺「いえ、勝算はあります。かなり危なっかしいやり方ですが・・・」
田路「分かった。どんなやり方でも構わない。」

勝利のポイントは、この先の平和島料金所。4台はETCを搭載していてもある程度減速してくるはず。
こちらは相手よりもブレーキをかなり遅らせて料金所に突っ込む。それである程度相手よりも前に出れるはずだ。

インプレッサの男「この先は料金所だな。ある程度速度を落としておいたほうが良い。」

4台、ほぼ同時のブレーキ。すかさず吉田が反応!
相手より前に出たのを確認し、一気にブレーキを掛ける。だが、料金所との距離に対して、ブレーキを始める距離を詰めすぎた。止まれないッ!
そのとき、吉田はハンドルを左に切り、ドリフト走行を始める!

田路「つッ!・・・ドリフトか。これなら普通にブレーキを掛けるよりも制動距離は短くなる。それに、車体を斜めに向けることによって、相手の進路をブロックすることにもつながる。」

速度を十分に落とし、ETC専用のゲートを一番に通過。ランエボ2台、インプレッサ2台が続く。

ランエボの男「だからよぉ、ストレートでは俺の方が圧勝だろうが!」

すぐに1台のランエボに抜かれてしまう。右車線ハチロク、左車線ランエボ!
だが、次のコーナーは横羽線でトップレベルのきつさのコーナー。吉田は、以前田路とのバトルでトドメに使ったあの技を使う。




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年11月30日 20:29:59  No.66039
I P:203.181.121.212
カツンッ!

ランエボにバンパープッシュ!だが、この技は今の相手にとってあまり有効な技ではない。
なぜなら、ランエボは4WDの車だからだ。
4WDとは、4つのタイヤをフルに使って加速することだ。これによる最大のメリットは安定性。まるで競走馬のように4つの足で路面を蹴る。
安定性が武器の車に対して何故その技を使うのか?それは、ドライバーの腕!!
バトル開始直後、4台はコーナーでトラックを避けきれずにスローダウンしてしまったのを覚えているだろうか。
吉田はそれを見てドライバーの腕を判断!結果、バンパープッシュと言う答えにたどり着いた。

ランエボの男「ウワァッ!」

ランエボの男は、操作をミスってスピン。続く3台もスピンするランエボを避け切れずにスローダウン。ハチロクの勝利!

田路「ま、また勝った・・・!ハチロクのポテンシャルはドライバー次第でここまで上がるのか・・・」

田路は改めて吉田と言うドライバーの凄さについて思い知らされたのだ。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月01日 23:23:17  No.66040
I P:203.181.121.212
浜崎橋JCT

一台のZ33がゆっくりとC1を走っている。

白田「あー、今日もつまらん相手を撃墜してしまった・・・。ン?」

後ろから一台のハチロクがものすごい勢いでかっ飛ばしているのが見えた。バトルのようで、もう2台いる。

白田「あのハチロク、Non Powersの田路 悠木か?後ろは・・・GC8インプレッサとランサーエボリューションXか。」

この先は汐留S字。ここC1でかなりの難関の一つだ。一番右の車線から、一気に3台はドリフトに入る。
左コーナーでのドリフトなので、後方からは助手席が良く見える。

白田「田路 悠木!?じゃぁ、運転席に座っているのは誰だ?」

右コーナーのドリフトに入る。運転席にいた男は・・・

白田「なッ・・・!?」


俺「Z33が追って来ましたよ。」
田路「あぁ・・・あんた・・・ヤバイのを敵に回してしまった・・・勝てっこない・・・」
俺「あれは・・・」

吉田の目が変わる。田路は頭を抱える。後ろの2台はビビってスピン。あのZ33・・・


首都高7人衆 bO1 白田 京――――ッ!!


銀色の流線型のボディから強者のオーラがほとばしるッ!

俺「良い相手や。俺のプライドにかけて撃墜させてもらうッ!」

ハチロクからまるで妖気のようなオーラが、白田には見えた。

白田「お前ェェ・・・ッ!」

AE86、Z33 銀座区間突入――――ッ!

まずトンネル内のS字コーナー。先頭ハチロクは、相当派手に角度をつけてドリフト。Z33はブロックされて前に出れない。
トンネルを抜け、次のS字に向けての僅かなストレート。

白田「そっちが何馬力か知らねぇが、こっちは600馬力の車だ。25年以上前の車に出せるかァ!そんな馬力!」

一気に前に踊り出るZ33。さっきの仕返しと言わんばかりに、S字コーナーで派手などリフトを繰り出す。

ガツン!

丁度右から左に切り返そうとしたときだった。ハチロクはZ33に渾身のバンパープッシュ。Z33はバランスを崩す!

白田「クッ・・・!どおぉぉぉぉりゃァァァァァ!!!」

白田は何とか体勢を立て直した。だが、大幅に速度を落としてしまう。

白田「今のはねぇぜ・・・。相当上手いやつじゃないと立て直せない。狂気だぜ・・・。」

田路「今のはヘタしたら殺人になるぞ。」
俺「大丈夫ですよ。首都高7人衆の一人なんですよね。だったら・・・と思って。」

銀座区間後半、一つ目の橋げたへッ!



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月02日 22:13:35  No.66041
I P:203.181.121.211
橋げたの左をZ33、右をハチロクが通過。速度はほぼ同じで2つめへ!
2つ目の橋げたも、同じように通過。宝町ストレートの加速競争へ!

白田「お前はC1を選ぶよなァ!俺は新環状線だ!お前の不利な新環状線だ!ついて来れっかァ!?」

そのとき、前方にレガシィ、GD8インプレッサ、ランサーエボリューションX、Yの4台が。

田路「マズイ!この流れだと新環状線だ!戦線離脱してでもC1内回りへ・・・」
俺「田路さん。このハチロク、馬力いくつでしたっけ?」
田路「よ、400馬力。ブーストは1.0キロだったかな。」
俺「スクランブルブーストは?」
田路「一応つけた。450馬力のブースト1・5キロ。」
俺「なら、勝てますね。」
田路「オ、オイ!?」


江戸橋JCTより新環状線入り――――ッ!


田路「何やってるんだ!新環状線の一部は湾岸線だ!今度こそ勝てっこない!」

C1銀座区間付近、レインボーブリッジ、9号線、そして湾岸線。この4つの区間をつなげて新環状線と言う。
銀座区間付近は、これまで登場したようにタイトなコーナーが続くテクニカルコースだ。
レインボーブリッジと9号線はストレートが長くスピードが乗るので、高速域でのテクニックが鍵となる。
そして湾岸線。直線ばかりでコーナーが殆ど無い。特に新環状線で通る部分はひたすらのストレート。ここで鍵となるのは馬力!
日本で唯一、ゴムタイヤとアスファルトの路面に300キロオーバーの領域が許された公道、湾岸線。ただただ馬力がものを言う。

俺「確かに、普通に考えれば勝機はありません。ですが、宝町ストレートで一つの異変が起こりました。」
田路「異変?相手の車にトラブルでもあったのか?」
俺「いえ、4台の乱入です。恐らく、スバリスターズと首都高エボリューションズの車です。」
田路「それがどうしたんだ?」
俺「見てください。乱入した4台とZ33。」

言われるがままに見てみる。先頭からランエボY,X、GD8,レガシィ、Z33、そしてハチロク。
田路は何処かおかしいのに気が付いた。田路はあのZ33と何度かバトルした事がある。そのときに比べて、何処か動きが甘い。

田路「そうか!前にいる4台が邪魔になって、思うように前に出られない!」
俺「そうです。1台2台ならどうって事無いでしょうが、4台ともなるとライン(通り道)が相当制限されます。しかも、前を走っている4台は腕は確かですが、あのZ33よりもヘタです。」
田路「だけど、それだと俺達にも同じことが言えるぞ。どうやって前に出るつもりだ?」
俺「後で良い板金の店教えます、って言えば分かりますか?」
田路「それって・・・まさか・・・!?」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月09日 20:48:41  No.66042
I P:203.181.121.212
第8話

田路「ヒィィィィ!!」

箱崎JCT手前の4車線左コーナー。まず、Z33にバンパープッシュ。Z33はバランスを崩し、一時的に道が開ける。

白田「のォォッ!またかァ!」

Z33の前に出るハチロク。箱崎JCT右コーナーまでの2車線の直線を、スクランブルブーストで一気に駆け抜ける。
先頭のランエボに並び、右コーナーに突入。吉田はハチロクのリアタイヤ(後輪)を思いっきり滑らせる。
迫り来るハチロクのリアタイヤにビビり、ランエボのドライバーはハンドル操作をミス!壁に激突しながらスピン!

白田「ギヤァァァ!!何やってんだよ下手糞ォ!!」

4台がZ33の進路を塞ぐダムのように立ちはだかる!車が通れるような隙間は無いッ!

白田「ファァァァァック!!」


白田 京 Z33 失速――――


ハチロクは、辰巳パーキングに停車し、エンジンを休めていた。恐らくこの先は、車もドライバーもベストな状態でないと切り抜けることは出来ない。
ということで、ハチロクの車内――――

田路「かんぱーい!!」
俺「イエーイ!!」

車内で二人で宴会。しかも吉田は高校生なのにビールを飲んでいる。

俺「ビールゥ!?だいじょーぶだいじょーぶ!!バレへんバレへん!!」
田路「ハチロク最高ーーー!!」
俺「イエーイ!!!!!!」

30分後・・・

俺「そいじゃぁ、・・・ヒック!・・・行きますね・・・」
田路「ヒック・・・おーけー・・・」
俺「湾岸線で大黒・・・ヒッ・・・埠頭まで行きま・・・ヒッ・・・すね。」

わずか30分で泥酔状態!辰巳PAから大黒ふ頭までは一箇所だけ料金所がある。この先のバトルよりもそっちの方が心配だ。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月10日 23:18:50  No.66043
I P:203.181.121.213
首都高湾岸線 大黒ふ頭付近 路肩

城嶋「湾岸線に誘い込むまでに、だいぶやられてしまったナ。」
町田「だいぶどころか、全滅だろ。」
城嶋「ここまで来てくれるかな・・・」
町田「来てくれなきゃ困る。(ついでに城嶋ともケリをつけたいしな。)」

30分は待っただろうか。さっきから来るのは乗用車や夜行バスばかり。目標のハチロクは・・・

城嶋「来たァ!」
町田「何ィ!」

城嶋はスバルインプレッサGC8に、町田は三菱ランサーエボリューションWに乗り込み、ハチロクの後を追う。

俺「やはり来ました・・・ヒック・・・」
田路「バトルじゃぁ〜・・・ヒッ・・・」

酔い覚めやらぬままバトルに突入。料金所をどうやって抜けたのかなんて突っ込みはナシで・・・。
吉田は、直線ばかりの湾岸線を直進。いきなり相手の意表をつく。

城嶋「湾岸線・・・?横羽線と似た大黒線を選ぶかと思っていたが、意表を付こうという作戦か?」

酔ってるから、進路を間違えただけです。そんな事行ってる場合でもなく、湾岸線を選んでしまい、いきなり窮地へ落ちる吉田。
ライトアップの美しい横浜ベイブリッジで、馬力の差で余裕で追い抜かれる。
いや、追い抜かれたが、決して引き離されてはいない。スクランブルブーストだ。

町田「いきなりそれ使うかァ!」
城嶋「良いのかな?ハチロクのドライバーさん。この先は直線の多く、コーナーが少ない横浜環状と横羽線だぞ。」

先頭の城嶋は湾岸線から横浜環状線を選択。3車線プラス路肩の広い湾岸線から、2車線路肩無しの横浜環状。
上り勾配の後に、結構キツイ右ロングコーナー。湾岸線で相当速度が乗っているので、かなり手前からブレーキを掛けないと、壁にぶつかる。
3台はギリギリのレイト(遅い)ブレーキでコーナーに突っ込む。

城嶋「ほう・・・コーナーでのテクニックも悪くない。なかなかのハチロク乗りだな。」
町田「だが、車がな・・・。悪いが、そんな車じゃあ横羽線で本当に速いやつにはなれない。現に俺だって、横羽線最強じゃねーんだからな。」

町田の言うとおりだ。ハチロクは今はスクランブルブーストを解除して、400馬力。
対して、城嶋のインプレッサは500馬力強。町田のランエボに至っては600馬力オーバーだ。

田路「そんな馬力差を・・・ヒック・・・ひっくり返すことは・・・ヒッ・・・出来るのか?」
俺「フン。・・・ヒック・・・そんなネガな部分ばかり・・・ヒッ・・・にしか目が行かへんのか?馬力が何や?コースが何や?目前の事ばかりしか見えてへん。」


ずっとその先にあるものが見えてへん――――



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月13日 08:14:17  No.66044
I P:203.181.121.212
同時刻 辰巳PA

白田「大原、お前を呼んだのは他でもない。あの黒いFCに関する事だ。」
大原「ああ、アイツね。どーかしたのか?」
白田「あのFCとバトルした。」
大原「おっ、結果は?」
白田「お前今日は機嫌良いな。C1内回り汐留S字スタートで、9号線箱崎JCT付近でバンパープッシュで決着。」
大原「らしくねーな。お前がそんなの避けられない訳無いだろう。」
白田「首都高エボリューションの奴らとスバリスターズの奴らが乱入してきた。合計6台のバトルになったナ。」
大原「それにしても、一体なんでアイツがいるんだ?」

もちろん、白田は答えることが出来なかった。


首都高横羽線上り 汐入


あの3台のバトルは中盤戦に差し掛かろうとしていた。先頭から、城嶋インプレッサ、町田ランエボ、少し遅れて吉田ハチロク。

城嶋「なかなかやるな。横浜環状でここまで付いてくるとは・・・。」
町田「だが、横羽線の汐入付近は、横羽線の中でもかなりストレートが長く、多い。ここで一気に勝負をつける。」

田路「う〜、結構酔ったナ〜。離されんじゃね〜ゾ〜」
俺「わかってるヨ。直線多いからやばいナ。」

汐入から羽田付近までこのようなロングストレートが続く。その度に離されていく2台との距離。

城嶋「バックミラーから君の走りを見続けているが、ここまで離されているのにミスらない。」
町田「普通のやつなら追いつこうとあがいて、最終的にミスって事故るんだがな。酒でも飲んでんじゃねーのかァ!?」

大正解。まだアルコールが抜けないため酔っている。負けていると言うことは分かっていても、テンションが上がっているため全く動じない。
およそ100メートルほど差が付いた頃だろうか。大師河原付近。下りの車線には料金所がある辺りだ。
ここから横羽線は、微妙ながら表情を変える。長いストレートは少なくなり、緩いコーナーがちょくちょく出現するようになる。

城嶋「振り切れなかったナ・・・計算外だった。ここから先はキツイコーナーが多くなってくるから、なるべく差を広げたかったが・・・。」
町田「それにしてもよく付いてこれたナ!ここから先は3台の接近戦になりそうだゼ!」

多摩川を越え、東京都に入り最初のコーナー。羽田出口コーナーッ。
速度の割にコーナーがきついので、大体は思いっきりブレーキを踏む。
だが、ここで事態は急展開――――ッ
町田のランエボが城嶋のインプレッサに接近ッ!ぶつかる!

城嶋「町田・・・ミスったかァ!?寄るなァァ!!」
町田「フンッ・・・」

ギリギリのところで町田がコントロール!軽くバンパーを押すだけで済んだ。
城嶋のインプレッサは一瞬バランスを崩したが、すぐに立て直すことが出来た。だが、町田のランエボに一気に並ばれるッ!

町田「分かってるよなァ、城嶋。コイツは俺の宣戦布告だってナ―ー――ッ!」

仲間割れッ!2対1の変則マッチから1対1対1の三つ巴バトルにッ!
さらに、ハチロクはコーナーで有利の事を生かし、一気に2台の背後に着く。

城嶋「そうか・・・俺に対する宣戦布告だな・・・。良いだろう。お互い、長年直接対決はしてなかったからな!教えてやろうッ!首都高横羽線で最速なのは、ぽっと出のハチロクでもお前のランエボでもない、俺のインプレッサだってなァ――――ッ!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月16日 22:38:17  No.66045
I P:203.181.121.212
そこそこの長いストレート。そして、東京モノレールを右手に、空港西左コーナー。
3台の見事なドリフト。順位は入れ替わらずにトンネルへ。
さらにトンネルを抜け、昭和島JCT、平和島料金所、鈴ヶ森・・・

城嶋「勝負がもつれてきたな。このまま行くと、一番馬力の差が少なくなるC1銀座区間は避けられない。勝負はそこで付くか・・・?」
町田「やるな、城嶋。やはり俺のライバルは峠時代からお前しかいない。だが、それは予想されていたことだ。俺が一番警戒すべきは・・・!」

もしこのバトルが城嶋と町田の2台だけならば、バトルは朝まで続き、バトルどころではなくなるため、タイムアップで引き分けだろう。
だが、今回は珍しい客人がいる。僅か400馬力の吉田操るハチロクだ。単にそこにいるから脅威なのではない。ピタリと食いついているから脅威なのだ!
幼い頃、鬼ごっこなどで逃げる役のときに、鬼に長い間追い掛け回された事はないだろうか。
自分は全力で走っているのに、いくら逃げても鬼は離れない。そうなると、自分より鬼の方が速い様な錯覚に陥る。
それと同じ心理が、城嶋や町田の心にあるのだ。

城嶋「銀座区間は避けられない。俺とハチロクのみのバトルなら、9号線から湾岸線の進路を選ぶだろう。だが、湾岸線では400馬力のハチロクはチギれても600馬力のランエボにチギられる。ならば、江戸橋JCTでC1内回りだッ!」

城嶋と町田は、ハチロクの激しいプレッシャーに耐えつつ、一つ一つのコーナーをクリアしていく。
昭和島JCT付近で別れた東京モノレールが、右側に並んでいる。横羽線はもう僅かッ!!

田路「もうすぐC1銀座区間だな・・・ヒック・・・」
俺「かなりの腕です・・・ヒック、田路さん、ちょっと本気出しますんで、しっかり掴まっててくださ、ヒック、い。」

吉田の目が一気に変わる。とはいえ、まだ酔いは醒めていないのだが・・・。

俺「ほな行くで――――ッ!ヒック・・・!」
田路「台無しだ・・・」

日本航空本社前左コーナー(分かりづらい・・・)。天王洲アイル駅右コーナー、抜ければその先には浜崎橋JCT。

C1内回り 銀座区間――――ッ!!

俺「来た来たァーーーッ!!ここで一気に、ヒック」
田路「あぁ、また・・・」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月17日 19:21:19  No.66046
I P:203.181.121.212
第9話

車線が3つに増え、周囲のビルの高さも高くなってきた。
まずは、銀座区間の入口ともいえる汐留S字コーナー。ここまで幾度と無く通ってきたコーナーなので、ほぼベストなライン(通り道)でクリアできた。

田路「ヒイィィィィィィ!!」

酔っ払っている田路には申し訳ないが、耐えてもらうしかない。
短いトンネル内の結構急なS字コーナー。さっきの汐留S字に続いてベストラインでクリア。
町田はトンネル内S字の二つ目でミス!

町田「しまった、『アンダーステア』だッ!」
城嶋「コーナーの半径に対して、進入速度が速すぎたな。それが原因でズルズルと外側の壁に車が滑っていく。それがアンダーステアだ。(たぶん)対処方法は、速度を相当落とすしかない。だがその間に、ホラ、抜かれてしまう。」

吉田のハチロクが、町田のランエボの隙を突いて、コーナーの内側から抜いた!

城嶋「馬力を上げすぎだ。町田。その溢れる様な馬力は、こういうタイトなコーナーで裏目に出る。さっきのようにナ。峠時代から言っているだろう。馬力だけが速さじゃないとナァ!!」
町田「ちょっとミスっちまった・・・だが、このままってワケには行かない。この溢れるような馬力をしっかり制御し切れてこそ、俺は真の上級者になれると考えている。峠時代から言っているだろう。リスクから目を離してはならないとナァ!!」

俺「弱いナ・・・ヒック、あんなつまらんミスするなんて。たぶん、後方からの、ヒック、プレッシャーに負けてそないなミスする、ヒック、んやろう。ヒック、こういう勝負は精神力や!性能、ドライバーの腕はあって当然。それと+αの揺るぎの無い精神力が、最後の最後で勝敗を分けるんヤ!!」

浜崎橋JCTから数えて3つ目のS字コーナー。3台ともほぼ同じラインでクリア。僅かなストレートを挟み、いよいよ一つ目の橋げたへ。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月20日 20:49:22  No.66047
I P:203.181.121.212
一つ目の橋げたの前に、緩い左コーナーが存在する。城嶋インプレッサ、吉田ハチロクはアクセルを少し緩める程度で難なくクリア。
だが、町田ランエボは、またしてもアンダーステアを発生。大幅な減速を強いられる。

町田「ッ・・・!タイヤが熱ダレを起こし始めた!何としてでも前に出て、コーナーの少ない湾岸線に持ち込まねーとナ。」

一つ目の橋げたをインプレッサ、ハチロク、ランエボの順に通過し、最難関にして銀座区間最後の部分、二つ目の橋げたへ。
二つ目の橋げたの前には、山なりの勾配の付いたS字コーナーがある。最初の左は上りの左コーナーなので、ある程度スピードを乗せてクリア出来るが、次の右・下りは手前のコーナーでスピードを乗せすぎると、外側の壁にぶつかる。

俺「んな事最初の方に言うてなかったか?まぁ、ええけど・・・」

城嶋「もらったァ!このコーナーはこれほどスピードを乗せてしまったら、次の橋げたは外側を抜けるしか選択肢は無くなる。減速して無理矢理内側に飛び込んでも、馬力の差で一気に突き放せる!」

この橋げたをクリアすれば、C1内回りでかなり長いストレート、宝町ストレートが待っている。城嶋はここで一気に突き放す作戦しか頭に無かった。

俺「悪ぃナ。インプレッサのアンタ。次のストレートで突き放すのはこの俺や――――ッ!」

左・上りコーナーでインプレッサに強烈なバンパープッシュ!一気にバランスを失い、かなり減速してしまった。
その間に、ハチロクは余裕で追い抜いた。スクランブルブーストで450馬力に上がったハチロクは、最新鋭戦闘機のような2台を(最新じゃないけど)一気に突き放す・・・ハズが――――ッ!?

俺「嘘やろォ――――ッ!!」

ランエボとインプレッサが怒涛の大追撃!!その2台もスクランブルブーストを使ってきたのだ!!
ランエボは800馬力に、インプレッサは700馬力にハネ上がり、450馬力のハチロクの加速は全くの役立たずッ!!
だがそこで、『一人』の不確定要素が動き出す!!
ハチロクの車内で、風を切る音ば突然激しくなる。助手席側の窓が開いている。田路だ――――ッ!!

田路「おえぇぇぇぇ・・・」

田路は窓からゲr・・・嘔吐物を発射。すぐ後ろのインプレッサの窓にかかる!しつこいながらも、田路はまだ酔いが醒めていないことを補足しておきます。

城嶋「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??これアリィ!?」

前方が見えなくなり、パニックになった城嶋はハンドル操作をミスり、トラックと接触!!
町田はトラックと接触したインプレッサを避けきれずに、スピン(車が回転すること)で自車への被害を最小限に食い止めようとする。

俺「・・・なんか微妙な勝ち方やな・・・」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月21日 19:41:15  No.66048
I P:203.181.121.211
もう後ろから追って来る事はなさそうなので、俺のFCを置いてある大黒ふ頭PAで下ろすことにした。

俺「田路さん、着きましたよ。」
田路「うぅぅぅ〜・・・」

どうしようもないので、このまま放置して家に帰ることにした。
FCに乗り、PAの出口に向う途中に、誰かがこちらを見ているような気がした。「車が走ってるナ〜」なんていう目じゃない。もっと別の・・・

大原「やはり、アイツのFCだったか。」


辰巳PA――――

城嶋「クッ・・・ダメだったか・・・」
町田「チームのメンツ丸潰れじゃねーかァ!クソッタレ!!」

町田がランエボのホイールを思いっきり蹴飛ばした。蹴飛ばしても何にもならないんだが・・・

城嶋「それにしても、あのハチロクに乗っていたドライバーは何者なんだ?」
町田「知るかよ!!クッソ、絶対ェー勝てると思ったのに!!」
?「そういう考えはいけない。」

二人の話を他所で聞いているものが居た。二人とも、その男は顔も名前も知っている。

城嶋「首都高7人衆 浅原 昌一――――ッ!!」
浅原「絶対勝てる?アマいナ。この場所はそもそも勝ち負けの世界じゃねェ。なんて言うかナ・・・」


ケンカのための場所なんだよ――――


浅原「俺の表現力や語彙が豊かじゃないからかもしれないが、とにかく、言葉じゃ言い表せない世界。勝ち負けじゃなく、言うとするなら撃墜(オト)す。そういうことに気付かないからお前らは撃墜(オト)されたんだ。」


お前らは目の前しか見えちゃいない

目の前の出来事に潜むものが見えていない

お前ら自身が見ようとしないからだ――――


言葉を失った。目の前しか見えていなかったと後悔した。
そのとき、3人は何かが近づいてくる気配がした。城嶋と町田は、どこかで感じたことのある気配だった。
辰巳PAの横の9号線を黒いFCが通っていった。

城嶋「あいつは・・・」
町田「間違いねぇ!アイツがさっきのハチロクのドライバーです!」
浅原「――――ッ!」

午前4時。城嶋と町田は帰ったが、浅原だけはまだそこに居た。

浅原(俺の幻覚か・・・?あのFC、あの男・・・)



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月24日 23:51:10  No.66049
I P:203.181.121.211
第10話

8月2日 午前3時30分
辰巳PA

駐車場の一角に走り屋の車がずらりと並んでいる。2つのチームの車が向き合うように並び、それぞれのチームのリーダーらしき者が話し合っている。
一人は石田 治。「白刃」というチームのリーダー。
もう一方は鈴木 正義。「ロータリーセブン」のリーダー。

鈴木「こちらの勝ちのようですネ。」
石田「クッ・・・!」
鈴木「じゃ、約束どおり、今回のバトルの打ち上げはそちらの負担で(笑)」

チーム同士のバトルの後のようだ。結果は、白刃7戦1勝、ロータリーセブン7戦6勝。ロータリーセブンの圧勝。


8月5日 辰巳PA

一人の男が駐車場の出口付近で車を止めていた。白いFC、「白刃」リーダーの石田だ。

石田(ここ最近、うちのチームの戦績が悪い。俺個人の戦績も悪いな・・・。とりあえず、俺だけでも強くならなきゃナ。そのために、俺は一台の車を待っている。最近噂の黒いFC。車が同じなら、勝敗を左右するのはチューン(改造)のレベルとドライバーの腕。俺は自分がどのくらい強いのか知りたい!さぁ、来てくれッ!黒いFCッ!)

願う石田に獲物がやってきたッ!黒いFC、吉田耕一ッ!

石田「来たァ!!待ってたぜ、黒いFCッ!俺の力量を教えてくれッ!」

辰巳PAより湾岸線西行き入り――――

石田は黒いFCの後方に付き、パッシング(ライトを点滅させて、宣戦布告をすること)をした。黒いFCはそれに応えて加速を始めた。
加速する2台。速度は一気に200キロオーバーへ!

石田「次の有明JCTで台場線に乗り換えるだろう。そのあたりは俺の縄張りだからナ。覚悟しとけヨォ!」

一般車が多いせいであまり速度が乗らない。右に左にスラローム(一般車を避けること・・・だと思う。)していく2台。
吉田の黒いFCは石田の予測どおり台場線へ・・・と思わせて、ギリギリで進路を変更し、湾岸線を直進した!

吉田「このフェイント、効くかナ?」

石田「マ、マジかァ!そんなムチャなフェイントするのはお前くらいだぜ!だけどナ、この湾岸線の一部も俺の縄張りなんだヨ!ぶっちぎれると思うなヨォ!」

一気に100キロまで減速した速度が、ほんの僅かの時間で200キロオーバーに回復。一般車がいなければ250キロは軽くオーバーしているだろう。
2台は東京港トンネルに突入。このトンネルを抜ければ、直後に湾岸最大のコーナー、大井コーナーがある。さらに、多いコーナーの左側に分岐があり、横羽線の上りとつながっている。通称大井Uターン。

吉田「ここで湾岸線を直進すれば確実に勝てるだろう。だけど、俺はそっちには行かない。後ろのFCから聞こえる・・・俺はその声に応えるだけだッ!」

吉田は有利な要素を捨てて、大井Uターンへッ!

石田「そっちを選んでくれたか・・・有難うッ!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2009年12月26日 17:51:38  No.66050
I P:203.181.121.211
大井Uターンより横羽線上り入り――――

湾岸線を200キロ級でスラロームしていたのが、僅か500メートルの大井Uターンで一気に100キロ台のスラロームになる。
僅か500メートルで狂う感覚。この狂いに苛立つ者はミスを犯す。耐え抜いたものが感覚を取り戻し、続くC1で事故らずにクリアできる。

石田「だがアイツは、感覚が狂っていない!いや、一瞬で横羽線の感覚に切り替えた。という方が正しいか・・・?」

右に見える東京モノレールとしばらく並走し、分かれるとまもなくC1だ。

石田「う、うまい・・・テクニックだとかそんなんじゃなく、周りに対する気配り。つまり、一般車を避けるのが上手すぎる。およそ80キロで走行する一般車が、倍以上の速さで真横を通過しようとする車をバックミラーから見たら、一瞬でビビりが入って避ける。だが、アイツは一般車にビビりを入れさせない。気付いたときには前方に・・・。なるほど、黒々とした外見の割には優しいんだナ。」

石田は、相手との格の違いを思い知らされ、アクセルを抜きドロップアウトした。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年01月05日 17:54:41  No.66051
I P:203.181.121.211
辰巳PA

石田は駐車場に入り、さっきの黒いFCがいないかどうか見渡してみた。居た!!
車体だけでなく、外装系の全てのパーツまでもが真っ黒なFC。間違いなくさっきのFCだ。
石田はそのFCに近づき、ドライバーがいるかどうか確認した。ドライバーは中で寝ているようだ。
窓を軽くノックし、そのドライバーと話をしようとした。

石田「お休み中すまないんだが、ちょっと話を聞いてくれないか?」
吉田「あなたは?」
石田「あぁ、自己紹介が遅れたな。俺は石田 治。『白刃』と言うチームのリーダーだ。さっき、君のFCとバトルしたと思うんだが・・・」
吉田「あぁ、あの白いFCの・・・それで、用件は何でしょう?」
石田「早速で悪いんだが、俺のFCに乗ってくれないか?」
吉田「えっ・・・何故・・・ですか?」
石田「最近、俺のFCが乗りこなせなくなってきたんだ。俺のFCに何か問題が無いか、第三者の目で見て欲しいんだ。あと、ついでに、来週、『ロータリーセブン』と言うチームにリベンジマッチを仕掛けるつもりなんだが、良かったら、それにも出てもらいたいなと。」
吉田「構いませんが、僕はこの通り左腕がありません。」
石田「何ィ!?マジかよ・・・」
吉田「シフトレバーの操作はそちらにお任せします。」

石田のFCは、ボディーカラーは白、リアスポイラーはGTウイングとは違う形をしている。馬力は450馬力。最高速度は280キロ。
とりあえず、新環状線ルートで一周し様子を見ることにした。この性能では、新環状線あたりが一番上手く走れるだろうと思ったからである。

俺(何だ?これ?)
石田「上手いナ。弘法筆を選らばずってかァ?」
俺「いえ、これは僕の腕ではありません。石田さん・・・でしたよね。良くここまで仕上げましたネ。」
石田「君ほどではないヨ。この車は中古で50万+チューニング代500万てトコ。君は?」
俺「えっと〜、覚えてナイ・・・」

湾岸線からレインボーブリッジ。吉田は自分のFCとは違うある異変に気付いた。

俺(加速が・・・鈍い。)

原因は分からない。馬力のせいなのかもしれないが、450馬力にしては加速がトロい。
自分のFCでは、レインボーブリッジで230キロほどがベストだ。だが、このFCは200キロ・・・ギリギリ行かない。

俺「このFC、加速が・・・」
石田「加速?加速がどうかしたか?」
俺「このFC、ボディ補強などはどうしてますか?」
石田「ボディ補強?ロールケージ(車体を支えるパイプ)とか入れてるゼ。」
俺「最後に手を入れたのは?」
石田「うーん、覚えてないナ。最近は金がないからメンテもロクに行ってないと思う。」

それだ。原因は車体。恐らく数年間は手を入れていない。長い間、ロクに手を入れていなかったボディはヤレて(劣化して)、エンジンの持つ馬力をしっかりと路面に伝え切れていない。パワー(馬力)が逃げている。と、表現するようだ。
ボディと言えば、あの人しかいない。

首都高7人衆 春川 正――――

江戸橋JCT。黒いポルシェが合流してきた。春川の車だ。

俺「丁度良いタイミングで来ましたよ。このFC、見てもらいましょうか。実戦で――――」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年01月10日 18:57:37  No.66052
I P:203.181.121.211
箱崎JCTの左コーナーを2台がドリフトでクリア。続いて右を、一般車を避けながら難なくクリア。
アクセルを踏んで2台が加速を始める!

俺(ここからだ。加速の鈍くなったFCと、化け物のような加速力を誇るポルシェ911。こっちの方が圧倒的に不利だ。)

春川「逃さない。」

加速力の差で一瞬にして順位が入れ替わる。差はどんどん広がっていく。
次に緩い右コーナーで、差の広がりは一瞬収まるが、再び加速力の差を見せ付けられる。離れてゆくッ!!

春川「話にならない。そんなヤレ切ったボディではマトモな加速が出来るはずがナイ。」

勝負は辰巳JCTに入る前についた。黒いポルシェは一気に前方へ消え失せた。

俺「完敗ですね。これじゃァ仕方ありません。」

辰巳PAに入り車を停めた。黒いポルシェの真横だ。

春川「君には前に会っているよネ。」
俺「ええ。凄いですね。プロのボディ屋の作る車体は。」
春川「いや、ポルシェそのものの力だ。ポルシェっていうのは、他の車よりも良いボディだからな。修理するのも大変なんだがナ。」
俺「早速質問なんですが、この白いFC、どうでしたか?」
春川「・・・はっきりいって、ダメだな。ヤレきってしまって、全く馬力を路面に伝え切れていない。約1割は馬力をロスしてしまっている。」
石田「ど、どうにかなりますか?」
春川「なりますよ。しかも、元通り、なんてケチな事は言いません。それなりの金を払ってくれれば、本来の馬力よりも馬力が多く感じられるボディに仕上げることが出来ます。」
石田「金・・・かぁ・・・金無いんだよナ、俺・・・」
春川「そうですか。ではこうしましょう。選択肢は二つ。一つは、金は取らないが、金額以上の何かを見せる。もう一つは、借金をしてでも金を払い、俺は全ての責任を背負ってボディを作る。与えられるものは同じ。さぁ、どうしますか?」
石田「う〜ん・・・金は払いたくないナ・・・前者でお願いします。」
春川「金額以上の物を見せる、と?」
石田「はい。」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:38:19  No.66053
I P:59.143.94.178
第11話  硬くしなやかに――

春川ボディワークス――――

春川は予想以上に傷んでいるFCの車体に苦戦していた。基本的な補強はされているのだが、ここまでヤレてしまえばそんなのは役立たずだ。

石田『これ以上ヤレない程度の補強で十分です。』

石田が春川にした注文だ。

春川「気に入らねぇナ、その考え方・・・」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺が10歳の頃。この世界を知ったとき、ボディ補強なんてものはちっとも注目されていなかった。
車を買ってチューニング、数年走ってボディがヤレたら新車のものと交換。元のボディはゴミ扱い。
18歳。中古で一番安かったが、憧れのポルシェを購入。バイトの金のほとんどをチューニングにつぎ込む生活が始まった。
そのとき、ボディ補強は必須チューニングの一部となっていたが、俺はボディごときで車が変わるワケは無い。
と、否定していた。金銭的にも、馬力を上げるだけで精一杯だった。
首都高を走り始めておよそ3年、転機の時が訪れた。一人の走り屋による圧倒的な敗北。
当事首都高7人衆であった男、大原 清。
チューニングも、腕も、全てにおいて負けた。
二度と負けまい。
俺はそれまでの倍仕事を増やし、倍の金をもらい、今までの倍のチューニングも施した。当然腕だって磨きなおした。
そして再び、ヤツと戦った。今回は間違いなく勝てる。そう確信していた。
得意のC1外回り汐留S字コーナー。一気に勝負に出た俺。

俺『一般車なし!コンディションも順調!一気に勝負に出れる!この勝負、もらったァ!!』

ベストなライン、速度。ヤツのGTRのランプがバックミラー越しに遠ざかるッ!
ここから一気に加速。ポルシェの真骨頂、立ち上がりの加速で一気に突き放す!・・・ハズがッ!
内側に並ばれ、いとも簡単に追い抜かれた!?

俺『何故だ!?ポルシェの加速が、ヤワな国産車ごときに負けたァ!?』

浜崎橋JCTを右へ。C1外回り――――

俺は愚かだった。一度抜かれた程度で焦っていた。ムリな速度でコーナーに侵入。当然曲がれるワケ無い。

ガッシャァァァァァン!!!




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:39:14  No.66054
I P:59.143.94.178
気付けば俺は、病院のベッドにいた。見舞いに来た大原の言葉が、俺をボディ補強の世界に誘った。

大原『車の気持ちを考えろ。』

敗因は、当事の俺のボディ補強に対する知識の無さだった。
必要最低限の補強していなかった車体は、走り続けていく中でヤレていき、エンジンの馬力を受け止める力を失っていた。
ヤレたボディは加速が鈍る。
そして、敗因以上に感じたことがあった。

大原『ポルシェのボディに助けられたな。』

ポルシェという車は元々剛性が良いらしい。元々の剛性+必要最低限の補強。
いくらヤレているとはいえど、ドライバーを守りきる力はあったようだ。
ポルシェに助けられて俺は生き残ったのだ。


初めて知った、ボディ補強による速さ――――

そして救われる命――――


大原『お前のポルシェは俺のガレージにある。退院したら一番に来い。』

数ヵ月後、無事退院し、大原の言う場所へ直行した。
ガレージの中には大原のGT―Rと、恐らく走り屋以外の活動で使っているのだろうが、4人乗りのベンツが1台。
その他、さまざまな整備道具。
一番奥に、カバーをかけられた車がある。中身を開けなくても分かる。俺のポルシェだ。
カバーを外した。割れたガラス、凹んだボディ、骨組みまで見えている部分もある。
事故った時のまんまだった。
体中に走る悲しみ、寒気、痛くも無いのに、何処かが痛んでいるような気がした。

大原『そいつはもうダメだ。いくら悔やんでも直らねぇよ。』
俺『・・・・・・ッ・・・・・・』
大原『ん?何て?』
俺『もう一度・・・・・・もう一度、この車で走りますッ!』
大原『直らねぇって。』
俺『直して見せますッ!』
大原『・・・・・・』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:41:17  No.66055
I P:59.143.94.178

午前3時 湾岸線空港北トンネル

石田は吉川のFCで走っていた。

春川『対鈴木正義用のFCを造るには、このFCはかなり参考になると思う。三日間で良い。乗ってみろ。』

自分のFCとのあまりの違いに驚きを隠せない。ボディ補強や軽量化でここまで変わるものなのか!?
湾岸線、横羽線、新環状線、C1、更に箱根の峠やいろは坂まで走ってみたが、全てのコースでしっくり来る。
どこまでも加速し、どこまでも旋回出来る。
これが同じFCかァ!?

三日後 春川ボディワークス

どうやら作業は全て終わったようだ。カバーを外し、新生・FC3Sが現る!

春川「吉田のものと同じ、オールカーボン化による軽量化、競技仕様のスペシャルパーツを装着。絶対に文句が出ないように仕上げた。」
石田「そこまでしなくても。」
春川「俺からのサービスだと思ってくれ。まずは、新生FCの挙動に慣れてもらう。新環状線を2周しよう。俺はポルシェで追走する。」
石田「了解です。」

午前1時 新環状線右回り 辰巳PAよりFC、ポルシェスタート――――

二人は同時にアクセルを全開まで踏み込んだ。80キロから一気に150キロオーバー、200キロ・・・

石田「なッ、何なんだ?この加速感ッ!速過ぎて恐怖心すら感じるほどだッ!」

石田のFCの挙動は少しばかり危うく見えたが、今までより乗れているのは確かだ。
ある事故により片目を失ってしまったため、遠近感がつかめなくなってしまい、一般車を避けることは最も苦手な分野だったが、
生まれ変わったFCでは見違えるようにきれいに避けている。
有明JCTより台場線へ
コーナーできれいなドリフトを決め、レインボーブリッジに差し掛かる。
今までではレインボーブリッジ直後のコーナーまで215キロがベストだった。それが今・・・

石田「レインボーブリッジ中間地点!215キロ・・・220・・・225・・・ッ!」

229キロを記録してコーナーへ突入。これほどの速度でも外側に流されること無くクリア。
浜崎橋JCTからC1内回り、銀座区間へ
まず汐留S字。やはりドリフトできれいに弧を描く。S字後半のコーナーを立ち上がり、一気に加速ッ!
タイヤは路面をがっちり掴み、ボディは馬力を逃がさない。

石田「ま・・・まるでワープのようだ・・・加速するとき、真っ直ぐに線を描くのではなく、点と点をワープするように一気に加速する。
まるで戦闘機のようだッ・・・!!」

トンネル内のS字、銀座出口付近のS字、二つの橋げた・・・今までの動きがゴミのように思えてくる。
2台の戦闘機は軽快な動きで次々とコーナーをクリアしていった。

春川「すげぇ・・・予想以上の腕だ。何度かFCに乗ったことがあるが、そのときは時代遅れのゴミ車のように思っていた。
馬力に負けてきしむ車体、高速域でタイヤが地面に付かなくなるような感覚、コーナーでも直線でも不安定・・・。
それが、アレは何だ?あの軽快感、ワープするような加速、馬力を一瞬も逃がさず、タイヤは路面を常に後ろに蹴り飛ばす。
手を入れた俺でもワケが分からねぇ!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:44:15  No.66056
I P:59.143.94.178
銀座区間を抜け、江戸橋JCTまでの長いストレートで更に一気に加速する。

石田「チューンドカーは地上の戦闘機って何処かで聞いた事があるが、まさしくその通りだ。
これほどまでにそのことを感じたことは無いッ!」


気持ちが高ぶる。抑えきれない。ペース配分度外視。

思わず笑みがこぼれるほどの軽快感――――


春川「ブレーキを踏めェ!!壁にぶつかるぞ!石田ァ!!」

石田「ハッ!!」

ガッシャァァン・・・

気持ちが高ぶりすぎて目の前のコーナーに気付かなかった。壁をぶち破らんばかりの勢いで突入。
石田のFCは思いっきりクラッシュしてしまった。何とか走り続け、一番近い箱崎出口で降り、息絶えたようにFCは止まった。

春川「石田ッ!大丈夫か!」
石田「ふぅ・・・。大丈夫、生きてますヨ。」
春川「無茶しやがって・・・馬鹿野郎が・・・」
石田「潰してしまいましたね、FC。でも、今とても清々しい。全力を出し切った勝負の後のような。
しばらくこのままにさせてください。もう少しこの気持ちに浸っていたいんです。」
春川「いや・・・ムリ・・・」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:48:33  No.66057
I P:59.143.94.178
第12話 失われた光

午前1時 芝浦PA

鈴木正義の黄色いFDの隣に黒いポルシェが止まった。春川のポルシェなのだが、乗っているのは石田だ。
潰してしまったFCをまたしばらく預けてもらっているからだ。

鈴木「今日はどうしたんですか?FCは諦めて今度はポルシェで勝負ですか?」
石田「いや、FCは今ある店に預けてある。」
鈴木「チューニングですか?いまさらあんな車に何やったってムダだと思いますけど?」
石田「イラつくわァ〜お前。イラついたから来週の水曜バトルだ。チーム全員で総力戦と行こう。」
鈴木「またですか?ま、今度もこっちの勝ちでしょうけど。」
石田「それだけ伝えに来た。じゃあナ。」

石田はポルシェに乗り込み、高速へ出た。なんだか、さっきの会話からイライラする感情がこみ上げてきた。
怒りをかき消すかのようにポルシェを疾走させる。
ただ疾走するだけでなく、意味も無く派手なドリフトをしたり、意味も無く一般車を煽ったりした。


何をやってもムダ――――


石田「クソッ!嫌な過去が蘇って来やがるッ!」


「な、何故俺がレーサーを諦めなければならないんですかッ!?」


俺の目が両目とも見えていたら間違いなくレーサーになっていた。片目が見えなくなったのは運命のいたずらとしか言い様が無い。
中学の頃、誰かがふざけあっていて窓ガラスを割ってしまった。物音で振り向いたとき、そのときから俺の左目は光を失った。

石田「一生恨むぜ。名も知らぬ同級生よ・・・」


春川ボディーワークス――――

春川「それじゃ、このFCの試走、頼んだぞ。」
吉田「分かりました。」

石田の白いFCの吉田が乗り、最後の大詰めにかかる。




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:49:47  No.66058
I P:59.143.94.178
9号線 湾岸線方面――――


辰巳PAへかっ飛ばしている石田は、バックミラーに何かを見た。

石田「――――ッ!後ろから何か来るッ!」

恐ろしい速さでこちらに追いついてくる1台が現れた。

石田「物凄く、速い――――ッ!」

追いついてきたのは吉田が試走しているFCだ。2車線の狭い9号線を250キロ以上で走っている。
石田もポルシェに鞭打つ。加速性能の差で追いつくことは出来たが、一般車に阻まれ、追い抜くに至らず。

石田「このまま行けば湾岸線だ。性能の差でこっちが勝てるはずだ。」

辰巳JCTを右に曲がり、湾岸線を神奈川方面へッ!

吉田「いくぜ、湾岸線300キロ、GO――――ッ!」

加速して行く2台。一般車が少し多めだが、何処かで台数が減る場所(オールクリア)があるはずだ。
その瞬間を虎視眈々と狙い、大台300km/hの領域へ踏み込む。

石田「一般車の台数が減りつつある。オールクエリアは近い!」

250キロ以上の速度で一般車たちを縫う。台数が減るにつれて260,270と、巡航速度は上がっていく。
メーター達がエンジンの悲鳴を目で伝えてくれる。
有明JCTを過ぎ、海底トンネルのおよそ1キロほど手前、視界に一般車が消える。

吉田「オールクリア――――ッ!!」

後方へのGが一気に上昇する。前方の光景は襲い掛かる速度を増す。エンジンの甲高いロングトーンは、加速の終わりを告げようとしている。

石田「300キロ・・・到達ッ!――――!!馬鹿なッ!」

白いFCはこのポルシェのスピードに追いついてきた。間違いなく300キロ以上出ている。
しかし、一瞬ポルシェの前に出た直後に失速してしまった。エンジンブローを恐れて、アクセルを抜いたのだ。

吉田「ロータリーエンジンをチューニングする上での一番の問題点はこの脆さだ。俺のFCもどうにかしないとナ。」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:50:42  No.66059
I P:59.143.94.178
ポルシェが先に海底トンネルに入り、FCが速度を緩めながら続く。バトルが終了したことを確認した石田は、辰巳PAに戻った。
辰巳PAでは、チームの何人かが休息を取っていた。石田はそのうちの一人、副リーダーの原 桐子に話しかけた。
彼女は読唇術が使えるので、手話などを使わなくても普通に話しかけられる。

石田「原。いきなりで済まないが、来週の水曜日に『ロータリーセブン』とチームバトルを申し込んだ。メンバーに伝えてくれ。」
原「ええ、分かったわ。でも、勝算はあるの?この前負けたばかりじゃない。」
石田「あまり良く思ってくれないだろうが、助っ人を一人呼んでおいた。良いかな?」
原「んー、それしか勝つ方法が無いなら、私は構わないわ。」
石田「それも伝えてくれ。俺は、仕事もあるから、この辺で帰ることにするヨ。じゃな。」
原「じゃ、さよなら。」

石田のポルシェはそのまま去っていった。後には原が残された。

原「またチームバトルかぁ・・・、あたしも頑張らなきゃ。」

愛車の空色の80スープラで、走りに出た。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:51:52  No.66060
I P:59.143.94.178
第13話 恐怖の最高速

水曜日 辰巳PA――――

かなりの台数のロータリーサウンドが聞こえてきた。黄色のFD・鈴木正義を先頭に、ロータリーエンジン搭載車が何台も現れた。

白刃メンバー「き、来たぞ!」
原「うわぁ〜、自信ないよ、あたし・・・」
石田「・・・・・・」

白刃メンバーとは少し離れた位置で、吉川は様子を見ていた。すると、2番目にやってきた白いFDに目をやった。

吉田「え〜、マジかヨ〜」

白いFDから出てきたのは、吉田と同じ学校に通っている大川 櫻だ。ちょっと見ない間にこんなレベルの高いチームにいたのか。
ん、2番目にやってきたってことはチームの2番手?=副リーダー?

吉田「んなこたァね〜だろ。」

んなことあった。鈴木正義と並んで、白刃リーダーの石田に話しかけたのだった。副リーダー確定だ。
リーダー格同士で話し合い、ルールや走るコース・メンバーなどを決定する。

石田「話し合いの結果、ルールが決まった。各チーム7人が代表で走る。コースは新環状線でバトルごとに右回りと左回りを交互に走る。
先に辰巳に戻ってきた方の勝利。7戦中勝利数の多い方の勝ちだ。皆良いな!」
メンバー達「はい。」
原「では、走るメンバーを発表します。まず先鋒は・・・」

と、順に発表されていく。俺は5番目の走者だ。6番目は原 桐子。ラストは石田だ。
1〜4番目が読者に発表されていないのは、メインキャラでもないものが走るので地味な感じになりそうだし、作者も面倒だからだ。

石田「ふざけた作者の解説は気にしないで良い。相手側のメンバーも発表する。」
原「相手側先鋒は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・5番目は高島マサキ・車種はRX−8。6番目は大川 櫻・FD3S。ラストは鈴木正義・同じくFD3Sです。」
石田「午前2時から始める。気合入れていくぜ!」
メンバー達「オーーッ!!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:53:36  No.66061
I P:59.143.94.178

午前二時になりバトルが始まるが、1〜5番目のバトルは省略します。5番目の吉田はC1に入るまでに相手をぶっちぎってしまった。
そして迎えた第6戦。大川VS原。女同士の恐ろしいバトルだ。両者はバトル前の挨拶をする。

大川「ここまで2勝3敗ですね。どーですか?ビクビクしてるんじゃないですか?」
原「そっちこそ、本当は逃げ出したくてたまらないんじゃないの?」

石田「怖ぇーナ。女ってマジ怖い。」

原(あんな生意気なガキに負けたくない)
大川(あんなふざけた女に負けたくない)

2台は一斉に走り出した。PAの中でも全開だ。
まずは湾岸線を西方面へ。時間的に一般車は一番少なくなっている。
250キロ以上でのクルーズが続き、有明JCTからレインボーブリッジ経由でC1へ。
原のスープラが湾岸線で圧倒的リードを奪う。しかし、有明JCTの右コーナーでFDに大きく追いつかれる。

大川「直線じゃあそっちに分があるけど、コーナーではあたしの方が得意みたいね。」
原「コーナーは向こうのほうが速い。けど、ストレートで一気に突き放せる。」

かなり緩いが長い左コーナーを抜け、すかさず右コーナー、そしてレインボーブリッジ。
原のスープラはすでに100メートルほど差を広げてしまった。
レインボーブリッジを過ぎ、少々きつめの右コーナーをクリア。長いストレートを経て下りのS字。
スープラ先行で差は150メートル。ここからC1に入るので、原としてはこのリードを保っていたい。
浜崎橋JCTを直進し、首都高最難関・C1内回り銀座区間へ。

原「あたしの苦手な銀座区間・・・でも、ここを抜ければ直線の多い9号線。最後に勝つのはあたしね!」

汐留S字、左のコーナーに入った瞬間、2台は勝負に出るッ!

大川「相手が見えない・・・とにかく、追いつくしかないッ!」

トンネル内のS字コーナーを大川は数秒遅れでクリア。車速を60キロまで一気に落とし、一番キツイS字をクリア。
相手のテールランプが見えたッ!遅れは取り戻せている!

大川「よしッ!」

緩めの左コーナー、一つ目のそして橋げた。原のスープラは丁度橋げたの部分で一般車につまってしまったようで、大きく失速している。

大川「抜けるッ!」

FDが隙を見て追い抜く。二つ目の橋げた。
見事なラインでクリアするFDだが、スープラは焦ってアンダーステア(曲がりきれずにコーナーの外側に向ってしまうこと)を出してしまう。
FDは一気に差をつける。40メートル・・・50メートル・・・ッ!

原「大丈夫、この先の9号線で一気に抜き返してやるんだから!」

原は空色の80スープラに鞭を打つ。500馬力の加速は徐々にFDを射程距離に捕らえてゆく。
宝町ストレートをアクセル全開で疾走し、江戸橋JCTから9号線へ入る。
上り勾配つきのキツイ右コーナー。白いFDはスープラの射程距離から逃れる。
箱崎JCTまで一時的に4車線になる。運良く、一般車はいない。
2台は4車線目一杯に使ってキツイ左コーナーをハイスピードで駆け抜ける。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:54:48  No.66062
I P:59.143.94.178
原「この右コーナーを抜ければ後はほとんどストレート。アンタとの差は大体30メートル程度。辰巳PAに戻る頃にはあたしが先にゴールしてるわね。」

一気に2車線になり右の中速コーナーを抜け、差は少々広まってしまったものの、その先に広がるストレートで差はどんどん縮まる。
20メートル・・・10メートル・・・
まさに追い抜こうとするところで左コーナーに突っかかってしまった。すぐに右。再び差は開く。

原「次のコーナーまでに抜き返してやる!」

原は直後のストレートで抜き返すことは出来たが、3連続の切り返しコーナーで再び抜かれる。

原「大丈夫!いけるッ!この程度の差、アクセル全開で抜き返せるッ!」
大川「クッ・・・逃げ切るにはスクランブルブーストしかないかナ!」

大川はスクランブルブーストを発動した。5秒間だけ、600馬力の加速で差を広げてゆく。
だが、5秒という時間で決定的な差は開くことが出来ない。600馬力はあっという間に消滅し、スープラは最後の追撃にかかる。

原「敵車の後ろについて空気抵抗を減らす『スリップストリーム』で十分抜き返せる。このバトル、もらったわッ!!」

50メートル・・・40・・・30・・・
空色の追撃機は標的を捕らえていく。

大川「真後ろについて空気抵抗を減らそうってことね。そうはいかないッ!」

25・・・20・・・10・・・
FDは追撃を逃れようとあがく。自分の真後ろに敵を置かないように逃げ回るが、スープラは速度を一気に上げる。

大川「ここまできたら、相手の進路を塞ぐしかないッ!!」
原「かぶせてこようったって無駄よ。ぶつけてでも道を開いて見せてやる!!」

8・・5・・1・・

原「いっけ――――ッ!!」
大川「させるかァー―――ッ!!」

ガツンッ・・・

スープラがFDのリアバンパーに接触!!原は瞬間的にハンドルを切り返しトドメを刺しにいく!!しかし――――ッ

原「嘘・・・」
大川「渋滞!?」

200メートルほど先に渋滞があった。2台はブレーキを踏み、失速。決着は付かなかった。
湾岸線への右コーナーで走り屋の車が事故ったようだ。つい数分前に事故ったようで、まだ情報は入ってきていなかった。
原と大川は事故ってしまった走り屋をにらみつけた。相当冷ややかな目だ。

走り屋1「うわっ・・・睨み付けてる・・・。」
走り屋2「こえ〜・・・」


辰巳PA――――

2台はゆっくりと戻ってきた。車から降りた二人はなんだか凄いかったるそうだ。

石田「浮かない顔だナ。どうした?」
原「渋滞ですヨ。最後の最後で決着がつかなくなるなんて・・・事故って無ければあたしが勝ってたのに・・・」

第6戦目は決着付かずの引き分けとなった。残るは石田と鈴木のリーダー同士の最終決戦。
勝敗や如何に?



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:58:10  No.66063
I P:59.143.94.178
第14話 新生FCの力を見せ付けろ

遂にはじまる。石田と鈴木のリーダー同士の対決だ。鈴木は挨拶がてら石田に話しかけた。

鈴木「コース、新環状線左回りで良いですね。」
石田「ああ。」
鈴木「それじゃ、お手柔らかに。」

不敵な笑みを浮かべながら鈴木は去っていった。石田は車に乗り込む前に、原に話しかけた。

原「な、何ですか?」
石田「・・・なんて言えば良いかな・・・その、・・・俺は・・・多分これが最後のバトルになると思う。」
原「えっ・・・」
石田「何故か分からないが、このバトルを最後にこの世界を降りなきゃいけない気がするんだ。」
原「・・・・・・」
石田「とにかく、それを伝えに来た。」

その頃、吉田は鈴木と話していた。

鈴木「君、速そうだね。どこのチームからの助っ人?」
俺「チームには入っていません。一人です。」
鈴木「へぇ〜。今までチーム戦はしたことあるの?」
俺「チーム戦って言うか、チームを相手にしたことはありますけど・・・」
鈴木「ほぉ。(間違いない。最近噂の黒いFC!)面白いな。もし良ければ俺と一戦交えないか?」
俺「良いですね。俺、最近強い相手バトルしてないんで。」

どうやらこのバトル、吉田も加わり三つ巴のスーパーバトルになりそうだ。
鈴木は副リーダーの大川に話しかけた。

鈴木「気になっているのか?あのFC。」
大川「えっ・・・」
鈴木「フッ。良いことを教えてやろう。あのFCもバトルに参加する。」
大川「えっ・・・!」
鈴木「どうするかはお前次第だ。」
大川「・・・・・・」

白刃メンバー「副リーダー、2台の準備が整いましたよ。カウントお願いします。」
原「・・・・・・」
メンバー「福リーダー?」
原「カウントはあなたがやって!」
メンバー「え、えっ、えぇぇぇ〜!」

原は空色のスープラに乗り込み2台の後ろに停める。さらに後ろに吉田のFC、大川のFDが並ぶ。

ロータリー7sメンバー「何じゃこりゃ!5台一斉にバトルするのかッ!」
原「中田君、カウントお願い!」
中田「お、俺ですか!?」
原「早くッ!」
中田「分かりました。」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 22:59:25  No.66064
I P:59.143.94.178

息を呑むメンバー達。2チームでバトルするのに5台も参加するなんて思っても見なかっただろう。
表向きに見れば2対2対1の三つの勢力の戦いだが、実質的には・・・
石田VS鈴木のリーダー対決。
吉田VS大川の師弟対決。
そして原は石田の最後の走りを見守るようだ。
カウントが0になり、5台が一斉にスタートする。原のスープラは他の4台の対決に水を差さないよう、スタート直後に一番後ろに付いた。
一番最初は大きな左コーナーだ。

石田「このバトルは本当に最後になる気がする。」

直線に入り5台一斉に加速。一般車はほとんどいない。途切れない加速、そして途切れない音。
緩めの左コーナー、左・右・左の切り返しコーナー、5台はまるでランデブー走行をしているように走る。

鈴木「だが、これはバトルだ。約100キロの一般車の群れをその2〜3倍の速度で走りぬける。」

今度は右からのS字。長い直線の次は箱崎JCTの相当きつめの左コーナー。
吉田がギリギリまで遅らせたブレーキで5台の一番前に出る。石田、鈴木、大川、原と続く。

原「これが石田さんの最後のバトルになるなら、私は最後まで見守ってる。この目でしっかりと見届ける――――」

3車線の広い右コーナー。一般車のために右側2車線しか使えない。この先、左の分岐からC1外回りに入る。
上り坂のてっぺんから始まる左のヘアピンコーナー。この先は銀座区間。

大川「現在、時速150キロ、アクセル全開で加速中。一般車が60キロ暗いまで速度を落とすところを100キロ近くで駆け抜ける。」

吉田「一瞬のミスが命取りだ。」

宝町ストレートを下っていき、最初の橋げたを通る。
加速力を利用して鈴木のFDは石田のFCの前に出る。橋げた直前、石田はあまりにも遅すぎるタイミングでブレーキ!

石田「しまったッ!曲がりきれないッ!!」
原「石田さん!!」
石田「クッ・・・曲がれぇぇぇ――――!!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 23:00:34  No.66065
I P:59.143.94.178
石田はFCを無理矢理左に向け減速。幸いハンドルを切るのが早かったので、ガードレールの0.5ミリほどで接触を回避できた。


またそれか。だらしないな。


石田(チィ・・・)

石田は大きく失速し、前から4番目を走ることとなった。コーナーがキツイ区間にもかかわらず、石田はスクランブルブーストを発動する。
450馬力から550馬力。僅か100馬力の上昇だが、ストレートで徐々に3台を捉えつつある。


な、何故俺がレーサーを諦めなければならないんですかッ――――!?


僅か数秒程度のストレートで大川を抜かし、残りの2台を追撃にかかる。

鈴木「なんと言う加速だ!?ロータリーエンジンでその加速はありえないッ!!」

最もキツイS字コーナーで吉田のFCを捉える。

吉田「RX−7 FC3S。搭載されているエンジンは『13B−T 水冷直列2ローター』無改造で約200馬力。石田さんのは大きなチューニングを施しているため、確か450馬力と聞く。」

コーナーの立ち上がりで吉田FCと鈴木FDを追い抜く。

石田「後にボディをチューニング。圧倒的な剛性と軽量化を施し、一瞬も加速を逃がさないボディにした。」

トンネル内のS字で更に差をつける。

原「その加速の仕方は、例えるとするなら『光』。感覚的には約600馬力。450馬力なんてまるで嘘のよう。」

その白い光は一般車の陰に隠れる。

大川「スクランブルブーストで700馬力の加速のように見える。」

汐留S字で白い光は減速。しかし圧倒的な速さでS字をクリア。
残る4台の1秒ほど遅れてコーナーを立ち上がる。

原「石田さん、コースが違う!」

何と石田のFCはコースを変え、C1外回りの向った。何の躊躇も無い!

鈴木「フッ・・・そう来なくっちゃナァ!!」



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月08日 23:01:54  No.66066
I P:59.143.94.178

5台全員進路変更 C1外回りへ――――


石田、鈴木、吉田、大川、原の順でC1外回りへ入る。一般車が少なく、常にアクセルを踏み続けている。
C1では考え難いほどのスピードだ。そのスピードで芝公園の連続S字コーナーに突っ込む。
5台はガードレールすれすれまで寄せるドリフトで一つ目のS字を抜ける。
特に石田は2センチまで近づくほど道幅を目いっぱい使っていた。

石田「ッ、ぁぶねー・・・」

死ぬような思いを一瞬しながらも次のS字へ。
やはり石田は誰が見ても危なっかしすぎるほど道幅を目いっぱい使う。

石田「次に左でこのS字は終わる!」

ブレーキで速度を落とし、ステアリングを左に切りながらアクセルを踏み加速。
そのとき――――

石田「うわッ・・・!」

外側の車線にトラックがいた。石田はあわててブレーキを思いっきり踏み付け、何とか回避。
トラックの方はあわてて回避しようとしたため、操作をミスり、横転しかけた。

大川「ちょッ・・・とぉ!」

原「・・・ッ!!(ぶ、ぶつかるッ!!)」

大川は何とか抜けた。しかしトラックは最後尾にいた原のスープラに襲い掛かる。

原(避けきれ・・・ナイッ!!)


あんま無茶すんナよ。お前みたいなかわいい女が死んだら俺も耐えられんからナァ――――


(どーすれば・・・アクセル?ブレーキ?それともステア?)


は〜っはっはッ!クルマ潰す事くらい誰でも一度や二度はあるさ!


(石田さん・・・ッ・・・ッ!!)


ま、お前が死ななかっただけいーさ。


(つぅ・・・ッ――――!!)


多分これが最後のバトルになると思う――――


原「あぁぁぁぁぁ!!」

思いっきりアクセルを踏みつけた。前進を始める車体。

抜けたッ!

トラックにかすっただけでどうにか抜けることが出来た。


あなたのクルマが失速したら


あたしのクルマも失速する


でも・・・

これが最後なら、なんとしてでも見届けます――――



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月19日 06:04:12  No.66067
I P:59.143.94.178
第15話 何としてでも頂点に立て

一ノ橋JCT――――

鈴木FDを先頭に、石田FC・吉田FC・大川FD・原のスープラとバトルは続く。
出口のキツイ左コーナーを抜け、トンネル内の緩いS字コーナー。

石田「次の谷町JCTの右コーナーを抜ければ約500メートルの赤坂ストレートだ。もう一度スクランブルブーストで追い抜く!」

鈴木FDが最初に右コーナーをクリア。一般車がいないことを確認する。

鈴木「一般車なし!オールクリア――――ッ!」

5台一斉に加速!最も加速が早いのは・・・石田のFCだ!

吉田「なんじゃありゃぁ!!」

軽量化による加速性能の上昇+スクランブルブースト+鈴木のFDを利用して空気抵抗を減らす技、『スリップストリーム』!
それら3つの要因で、石田FCは高速、いや、光速で鈴木FDを抜き去る!
ストレートが終わり、石田はスクランブルブーストを解除し、ギリギリのレイトブレーキングでコーナーを切り抜ける。

鈴木「流石だ。プロのレーサーを目指していただけあって、車を操る技術にかけては俺も改めて舌を巻くぜ!」

吉田「だが、一つだけ足りないものがある。」

大川「技術じゃなく・・・どこがどうと言うような具体的なものじゃない。」

吉田「そして、それは自分で気付いていくしかない――――」

鈴木「気付けますか?石田さん。あんたが気付くまで、俺はあんたを追い込んでやるよ!」




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月19日 06:04:57  No.66068
I P:59.143.94.178
三宅坂JCT直前の左急コーナー。突然下り坂になるので、速度をつけ過ぎていると一瞬ジャンプし、操縦不能になる。
たかが一瞬だが、時速150キロ近くで一瞬と言うと結構な距離を進んでしまう。
なので、いかにジャンプしないように出来るかが、このコーナーで生きるか死ぬかを分けるのだ。
と、言ってるそばから石田のFCはジャンプしてしまった。

石田「大丈夫だ。多少ジャンプしても、強引にドリフトさせれば曲がりきれる!」

息を止め、足のペダルと手のステアリングに全神経を注ぐ。
着地――――そこからドリフト――――
全身から汗が飛び散る

大川「嘘ッ!あんなコーナリング見たことないッ!」

見てるこちらも冷や汗ダラダラだ。頭のねじがブッ飛んでるとしか思えない。
その後も、緩めの左下りコーナー、右コーナー2連続とクリアしていくが、鈴木のFDは石田のFCを徐々に射程距離から逃がしてしまう。

鈴木「クソッ!追い込むなんてとんでもねぇ!こっちが追い込まれてるじゃねぇかッ!」

千鳥が淵の右急コーナー。石田のプロ顔負けのブレーキングで更に鈴木から逃げる。

石田「っぉっとぉ!!」

2車線と言う狭いスペースを目いっぱい使って他の誰よりも早くコーナーを抜ける。
ガードレールと車体との差はおよそ2センチ!

吉田「凄い。ギリギリぶつかってないな。石田さんのFC。かなり上手い走り屋でもガードレールに2・30センチまで詰め寄るので精一杯だ。
だけど石田さんの場合は、ほとんど2・3センチ位までしか余裕がない。徹底的に鍛えられているんだナ。」

その後、竹橋JCT、神田橋を通り、江戸橋JCTから再び新環状線ルートに戻る。
その江戸橋JCTで異変は起きた。
銀座区間へ向うためには江戸橋JCTを右折する。その右折のコーナーで石田はやはりレイトブレーキングで突っ込む。
そのとき、コーナーの外側に一般車がいた。このままではぶつかってしまうと、ブレーキを踏みつけ減速する。

鈴木「もらったァーー!!!」
石田「クソッ!これで何度目だ!?」

これまでと同じパターンで再び鈴木に抜かれてしまった。吉田のFCは強引にブロックして進路を塞ぎ、2番手を守った。
石田はこれまで以上に苦しそうな表情だ。


お前速ぇけどサ、やっぱプロにはさせられないわ――――


石田(何だこれ。何年前の話だよ!)


もう諦めろ!お前は・・・・・・


石田(止めろッ!止めてくれ――――!!)



お前はただ命知らずなだけだ――――




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月19日 06:06:17  No.66069
I P:59.143.94.178
石田のFCのマフラーから一瞬赤い炎が出た。アクセルを抜いて失速したのだ。
他の4台の邪魔にならぬよう一番右の車線に寄る。
すると、原のスープラまで失速した。
石田が失速したら自分もバトルを下りようと決めていたようだ。

石田「行けって。バトルの行方を最後まで見届けろヨ。」

原「ううん。あたしは『あなた』を最後まで見届けるって決めたから。」

石田「そうか。」


辰巳PA

石田達がつく頃には決着がつき、両チームのメンバーも熱気が冷めていた。

石田「俺の負けだ。やっぱ歳のせいかナ。こりゃぁ。」
鈴木「いつも通り、罰ゲームで打ち上げの費用はそっち持ちですね。」

十分ほどして両チームとも高速を降り、いつもの居酒屋に寄った。

いつもの居酒屋

ガヤガヤ騒いでる店内で、石田だけは静かに酒を飲んでいた。
しばらくすると、石田は原の所に寄った。

石田「チームリーダー。頼んだよ。」
原「・・・・・・」

それだけ言って石田は店を去った。


本当に降りてしまうんですね――――


あの時アクセルを戻したのはバトルから降りたんじゃない。走り屋という世界から降りたのだ。
もう彼は二度と、100キロを越す速度を感じることはないだろう。

辰巳PA

白いFDと黒いFC。紛れもなくあの二人の車だ。なにやら話をしている。

大川「白いFCのあの人、途中で失速しちゃったネ。」
吉田「ああ。」
大川「何でだろ。」
吉田「別に知る必要はないよ。石田さんだけの問題だ。」

大川は吉田に何処か違和感を感じていた。

大川「なんか吉田君、変わった?」
吉田「お前が変わったと感じるんなら、そうなんだろうな。」
大川「なんか、ピリピリしてるとゆーか・・・」

確かにそうだ。自分でも分かるくらいに気持ちがこわばっている。
もう覚悟を決めて全てに決着をつけなければならないのだ。もう余り時間はかけていられない。
そしてもう一つ、やつらに証明したい事がある。

吉田「悪いが今日はここまでだ。俺はもう一走りしてくる。」
大川「あ、ちょっ・・・」

高らかなエンジン音を奏で、黒いFCは夜の暗闇に消えていった。



Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月30日 16:48:28  No.66070
I P:59.143.94.178
第16話 伝説のFCを探し出せ

大黒ふ頭PA

わいわいと走り屋たちが集うこのパーキングエリア。
女連れ、チャラい音楽を大音響で流している奴ら、本当に走りを極めようとする奴ら・・・
車に取り付けられたきらびやかなネオンが華やかさを演出する片隅で、メッチャ重苦しい空気に包まれた4人組がいた。

大原「よし、全員集まったな。俺達4人だけの極秘会議を始める。」
北平「なぁ、大原さん、今回集まったのって・・・もしかして・・・」
白田「あの黒いFCのことだろ?」
大原「そうだ。俺達が18年前にクラッシュまで追い込んだあのFCだ。」
横山「ちょっ、クラッシュまで追い込んだのに何でそいつがまた現れるんだよ?ありゃぁ絶対死んだはずだぜ!?」
大原「何故またあいつが現れたのかは分からないが、俺達を探すかのように連日首都高を走り回ってるようだ。」
白田「この間、俺はそいつに会った。C1の汐留S字。何故か田路悠木のAE86に乗っていた。しかも情けないことに、有利な9号線で負けた。」
北平&横山「!!!」

あまりの驚きに、北平と横山は顔が青ざめていた。横山は小声で呪われているんだと呟いた。

横山「ねぇ、これ絶対呪われてるよ!どーにかなんないの!?」
北平「ムリだろ・・・」

諦めモードの二人をヨソに、白田と大原は会議を続けた。

白田「噂に寄れば、あいつはバンパープッシュを良く使ってくるそうだ。」
大原「ずいぶん荒々しいな。」
白田「もしかしたら、18年前の仕返しにでも来たのか?あいつ・・・」
大原「考えられるなァ・・・。でも、俺達あんなに供養とかアイツの墓にお供え物とかしてるのに・・・」
白田「そんなもんで消えるような過去じゃねーだろwww。」
大原「でも、俺達アレからもっと大人しい走り屋になろうって決めて、実際、前よりも大人しくなってるはずだよナ?」
白田「自分で言うのもなんだがな。そうはなってると思うよ。」
大原「じゃあ、何故・・・?」

そのとき、あまりにも異質な音が聞こえた。ずっと前から聞いた事のある音だ。
4人の背筋が凍りつく。
パーキングエリアに来たのはやはりあの黒いFCだった。
黒いFCは4人の目の前を通り過ぎた。そして、どこにも止まらずにそのままPAを出てしまった。

北平「な、何だったんだ?アイツ・・・」
横山「さぁ・・・」

ボサッとしている二人をほっといて、白田と大原はいきなり自分の車に乗り込み、さっきのFCを追走した。
恐らく方向からして横浜環状線に向ったのだろう。

北平「アッ!」
横山「ま、待ってくださーい!」

大原と白田は大黒ふ頭PAを飛び出し、黒いFCの捜索に出た。
湾岸線から横浜環状線に入り、200キロ前後のクルーズで探すが、一向に見当たらない。

大原「こりゃ、全開で追いかけないと見つからないかナ。」

大原は愛車のR32に鞭を打つ。それに反応して白田も速度を上げる。
巡航速度は約250キロ。次々と一般車を交わして行き、汐入ランプで一台の早い車を前方に捉えた。

白田「間違いない。ロータリーサウンドを奏でる黒い車体・・・」
大原「18年前に俺らが死に追いやった・・・」


元・黒影FC 吉田 耕一――――ッ!!




Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月30日 16:50:14  No.66071
I P:59.143.94.178
吉田「やはり来ると思っていた・・・」

不思議なことに、18年前、吉田が死んだ場所と同じ場所からバトルが始まった。
18年前に中断されていたバトルが再開したかのような気分だ。
緩いS字コーナー。ブレーキの必要はほとんど無い。
長い直線、少々キツイS字からの右コーナー。

大原「嗚呼、その動き、18年前と全く変わっていない。」

一般車を次々と追い抜き、FC先頭のまま昭和島JCTまで来た。
FCは左の分岐線に入り、進路を湾岸線東行きに変更した。
上り勾配のS字、長い直線、アクセル全開のまま左コーナークリア。

大原「わざわざ不利な湾岸線へ入るか・・・相変わらずワケの分からねぇ野郎だぜ!」

湾岸線突入・いきなりオールクリアからのフラットアウト――――ッ!

大原「喰らえ!800馬力の威力をッ!」

大原はスクランブルブーストを使った。抑えていた馬力を一気に爆発させる。
大原のR32は通常600馬力だが、実はそれでも抑えていた方なのだ。
800馬力の今の状態こそ、本当の姿なのである。

白田「800馬力に比べりゃ、俺のZ33の600馬力なんてかわいい方だぜ。」
大原「FCの搭載されているエンジン、13B−ターボの限界はおよそ500馬力。ついて来れるわけ・・・なッ!」





Re:幻の最高速  投稿者:ふぇにーちぇ  投稿日:2010年07月30日 16:54:32  No.66072
I P:59.143.94.178
なんと、大原のR32の真後ろに黒いFCがいたのだ。
普通なら絶対ありえないのだが、現にバックミラーに映っているし、音からしても間違いなく真後ろから聞こえてくるので間違いないだろう。
さらに、あのFCを操っているのが18年前『黒影』と呼ばれた吉田耕一だということも考えると、決してありえないことではない。

白田「その気配、機械とは思えないその気配もあの時のままだ。」

アクセルを踏み込んだまま、速度は遂に300キロに達しようとしている。
大原と白田は路面に微妙に刻まれた轍やつなぎ目に少しハンドルを取られつつも、即座に性格に進路を修正する。
だが、吉田のFCは轍やつなぎ目に全く動じていない。ハンドルを全く取られていないかようだ。

白田「すげぇナ。それも、お前の好きなボディ補強ってやつの力か?」

その通り。まさにボディ補強の力である。
ボディ補強によって硬くしなやかに生まれ変わった車体は、加速を逃がさなくなるだけではない。
少々の路面の変化に動じなくなるという効果も生み出されるのだ。

大原「湾岸線は、ただの直線じゃない。ただアクセル踏んで、ハンドル切らないで真っ直ぐ進むような、そんな楽な道ではない。路面の轍にハンドルを取られ、一般車の群れに進路を阻まれ、一般車を避けたと思ったらいきなり工事現場が現れたりする。200キロオーバーで一般車を避けようとすれば、それは車線変更ではなくてコーナリングとほぼ同じだ。そんな過酷な湾岸線を、あいつはいとも簡単に・・・」

速度は320キロ。ようやく一般車がポツリポツリと現れた。
だが、わざわざ減速してまで避けるほどではない。
3台のエンジンには多大な負担がかかり続けている。
しかし、それでも1台も加速が終わる様子を見せない。

白田「湾岸線に入り、全開状態が約5分がたった。普通の、いや、かなりのハイチューンのクルマでさえ、ここまで長い全開状態はきついだろう。ましてや熱に弱いロータリーエンジンだ。出来れば俺もアクセルを抜いて車をいたわりたい位だ。でも、踏み続けなければお前はもう2度と俺の前から消えてしまうだろう。」
大原「お前はホントにすげぇナ。熱に弱いエンジン、コーナリング重視だが安定性の無い車体、そんな車体で300キロ行くって事自体が凄いのにな。」

白田のZ33が急に加速し出した。ここまで負担をかけていきなり調子がよくなる。この兆候は・・・

白田「エンジンブロー――――!」

だが、白田は減速する兆候を見せない。ブローするまで踏み続ける気だ。
それから10秒ほどして、白田のZ33のマフラーから煙が吐き出された。
どうにかエンジンだけの損傷で済んだが、もう走る力は残されていない。
白田は一番左の第一車線に車を寄せ、大人しく失速した。

大原「・・・・・・」

湾岸線有明JCTで、大原はレーンボーブリッジ方面に進路を変更した。
これ以上走り続けると白田の二の舞になる。

大原「壊すわけにはいかない・・・」


18年以上の年月をかけて作り上げた、命よりも大切な800馬力を――――





[75] 魔法の国のヴェスぺリア  投稿者:ミリア☆  投稿日:2010年07月21日 15:16:24  No.75001 [返信]
[本文を見る]
I P:210.198.156.57
どうも☆お久しぶりです☆

っていっても長いとこやってないから知らない人も多いと思います。

このサイトにきて1番は小説にしました☆

つまらないのでスルーしてもOKです♪

次のレスからはじめます





大冒険  投稿者:ぐらいだあ  投稿日:2010年07月21日 15:23:24  No.75002
I P:210.198.156.57
皆さんはじめまして

ぐらいだあです

次にレスをかきます



Re:魔法の国のヴェスぺリア  投稿者:星史郎  投稿日:2010年07月21日 16:45:04  No.75003
I P:61.11.167.223
小説を書くなら1つのスレに続けて書いて下さい。他の人のスレが流れて迷惑です。
あとぐらいだあ氏とミリア☆氏が同一人物なのはIPを見ても明らかですが、これはどういうつもりでしょうか。
自作自演のつもりでしたらお止め下さいね。



[76] 魔法の国のヴェスぺリア  投稿者:あぷる  投稿日:2010年07月21日 15:27:20  No.76001 [返信]
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I P:210.198.156.57
皆さん始めまして・・かな?

1年前にこのサイトによくきてました

キャラクターはほかにもいっぱいいるんですが・・・

今は1人です

そのうち増えるので☆

よろしくお願いします



[74] 魔法の国のヴェスぺリア  投稿者:ミリア☆  投稿日:2010年07月21日 15:15:53  No.74001 [返信]
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I P:210.198.156.57
どうも☆お久しぶりです☆

っていっても長いとこやってないから知らない人も多いと思います。

このサイトにきて1番は小説にしました☆

つまらないのでスルーしてもOKです♪

次のレスからはじめます





Re:魔法の国のヴェスぺリア  投稿者:ミリア☆  投稿日:2010年07月21日 15:20:47  No.74002
I P:210.198.156.57
キャラ紹介

中野真理亜(中野まりあです)

いまのところは1人です

これからも増えますので・・・



[73] 夜の逃走劇  投稿者:凛子(元月風)  投稿日:2010年07月15日 17:25:01  No.73001 [返信]
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I P:110.66.139.249
こんにちは、元月風の凛子で御座います。
前回の小説を消して、新たに短編小説を書かせていただきます(
若干グロ要素が入っているのでお気を付け下さい…;

〜 ストーリー 〜

夜のある古い洋館には「リリス」という少女の半ゾンビが現れるという。
その情報を聞き、ある少女が立ちあがった。
『リリスの正体を突き止めるため、夜の洋館に忍び寄る』事を決意する。
少女の名は「朝倉涼香」(あさくらりょうか)。
涼香は他の仲間たちと共に、洋館に侵入するのだが…
そこで衝撃の事実を目の当たりにする。



Re:夜の逃走劇  投稿者:凛子  投稿日:2010年07月15日 17:40:03  No.73002
I P:110.66.139.249
〜 キャラ紹介 〜

朝倉涼香(あさくらりょうか)
小学6年の頭脳明晰で優しい少女。
今回の事でリーダーを務める。
運動も得意で、好きな食べ物は苺のお菓子全般。

鏡崎翔太(かがみさきしょうた)
同じく小6の体育が得意な少年。
今回の事では副リーダーを務める。
明るくて、飼い犬のダイヤを可愛がる。

紺野蓮太(こんのれんた)
彼も小6であり、こちらは頭脳派。
今回の事では参謀を務める。
ちなみに翔太とは親友である。

立花巴(たちばなともえ)
彼女も小6で、明るく好奇心旺盛。
今回の事では補助を中心に務めている。
楽しい事なら何でも好きで、怒るとかなり怖い。

ダイヤ
翔太の愛する飼い犬。
こちらは口にナイフを加えて、敵を斬って攻撃する。
力もあり、かなり頼もしい雄犬。

敵キャラは臨時追加予定です。



[71] ねがい  投稿者:ボワボワ作業員  投稿日:2010年06月27日 08:25:21  No.71001 [返信]
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I P:180.12.193.69
「あたしは、アンタの事許すつもり、ないからね!」
そう吐き捨てて千反田は街の雑踏へ消えていく。
僕はそんな彼女の背中をアホ面で、ただただ呆然と見つめていた。
どうして、こうなってしまったのだろう。
願わくは、もう一度やり直せますように。
そして。

また、好きになってくれますように。



ねがい          上のはあらすじ?です  投稿者:ボワボワ作業員  投稿日:2010年06月27日 08:56:12  No.71002
I P:180.12.193.69
「竹内君、大学決めた?」
高二の冬。
たまたま隣の席になった千反田さんと仲良くなり、彼女は僕によく話し掛けてくれるようになった。
彼女がクラス委員なのも、その愛想のよさや積極性を考えれば頷ける。
一方の僕は、
「決めてないよそんなん」
無愛想で消極的なアホだ。
そんなアホな僕と才色兼備な千反田さんが話しているのに嫉妬する男子も少なくはない。
「おーい竹内ー」
このジャイアンみたいな声をした奴もそう。
名は輪島といって、アメフト部所属の単細胞脳味噌筋肉野郎である。
三度の飯よりプロテインの方が好きらしい。それは嘘だ。プロテインだけで筋肉はつかない。
コイツは僕を食堂に誘う気だ。その間にコイツの子分達に多分、否、絶対千反田さんを連れ去らせるつもりだ。
「聞いてんのかよ竹内」
勝手にプロテインでも飲んでろ、とは流石に言えなかったので、僕はきょとんとしている千反田さんを残し、輪島について行った。



[70] ブサイク勇者  投稿者:  投稿日:2009年12月07日 16:47:25  No.70001 [返信]
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I P:143.90.185.82
RPGのキャラクターは何故かくもイケメンなんだ!


 商業的な側面を考えてしまうと、ブサイクでは人気が出ない・売れない、購買意欲を削がれるという単純明快な理由が挙げられてしまうのだが。
 
 ….不公平だ.。

 俺は勇者だ。この顔でも。なのにこの村での扱いは何だ。ひどいものだ。店の軒先まで行くとイベントが発生して店が閉まった。アイテムなど買えない。
 
 また、村人から情報を得ようにも、こちらが近づこうとすると逃げて行くのでその世界の情報はマッタク得られない。
 まさに孤立無援の旅だ。DQ1など目ではない。
 




ブサイク勇者  投稿者:  投稿日:2009年12月07日 16:48:48  No.70002
I P:143.90.185.82
そんなわけで、俺はろくに装備も整えられなかった。
 買い物は諦めて、疲れた身体を休めようと宿屋に入った。扉をくぐるとすかさず、受付嬢から冷たい視線を投げつけられた。宿泊を希望したが、”本日は満席ですので”、とぞんざいに断られる。諦めて店から10メートルほど離れると、受付嬢の”いらっしゃいませー、何泊のご予定でしょうかー?”という朗らかな声が聞こえて死にたくなった。
 ろくに睡眠も得られず、俺は食料の自給もままならず、貧窮に喘いでいた。仕方がないので、村からさほど離れていない森の中でキャンプを張る。パチパチと火焚き音が鳴る冷たい夜の底。呆然と火を見つめながら、
 ”くそっ…どいつもこいつも見下しやがって…でも俺には魔王を倒す運命があるんだ…”と呟いていた。
 瞼をふせ、教室に乱入してきたテロリストを華麗に撃退する自分をシミュレートして自分を慰めた。
 明朝、HPとMPはろくに回復していない。
 木漏れ日の中を歩いていくと、モンスターと出会った。記念すべき初戦闘だ。
 ようやく、俺の運命の戦いが始まるのだ。
 だが、一向に俺のターンが回ってこない。一方的にモンスターの攻撃を受け続ける。どう考えてもステータスでは俺の方が素早さが高いのに、コマンドがアクティブにならない。
 システムまでブサイクを差別するのか。ふざけんな!




ブサイク勇者  投稿者:  投稿日:2009年12月07日 16:57:46  No.70003
I P:143.90.185.82
 気が付くと棺の中にいた。
 棺の蓋が開かれ、慈愛溢れる笑みをたたえたシスターの顔が覗き込んでくる。どうやら俺の死体は教会に引き渡され、今しがた蘇生させられたらしい。よかった、心配していた。そう嘯くシスターは、さっきから一向に目線を合わせようとしない。シスター曰く、あそこの森は一人で突破するにはムリだそうな。
 誰かパーティーを組んでくれる人はいないんですか?
 と平然と問いただしてくるシスター。
 旅立ちの日に俺が酒場に入った途端、その場にいた旅人全員が退席しましたが何か?
 とりあえず、”あ…う…”とどもりながら、何とかシスターに礼を言って教会を後にする。
 この後どうしようか思索していると、懐が軽いことに気付く。たっぷりと路銀を蓄えていたはずの財布の中身がなかった。踵を返し、教会の窓から中を覗くと、札束をめくるシスターの姿が。
 どうみても俺の金です。本当にありがとうございました。
 …死んだ時の教会への寄付金って、全財産の半額ですよね。
 何で俺だけ全額なんだ。ちくしょう。
 金だけはこんな醜い面の俺にも平等だったのに。
 ついにそれすら失った。
 村人達の談笑が、神経に障る。
 ああ、笑えよ。笑いながら爆発しろ。

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[69]  投稿者:  投稿日:2009年11月29日 18:10:28  No.69001 [返信]
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I P:143.90.185.82
朽ちた道。
朽ちた家。
朽ちた街。

延々と続く、砂塵<ダスト>にまみれた廃墟。
その岩作りの壁面には、夥しい量の弾痕が刻まれていた。
穿たれた穴はまだ熱を保ち、それが決して遠い過去のものではないことを物語る。

そして、その熱を冷ますように、
豪奢なデザートを果実のソースで彩るように、
私の眼前の壁いっぱいに、鮮やかな赤がぶちまけられていた。

滴る真紅の塗料の先に、壁に背を預けきった人影があった。
その相貌は赤く染め上げられ、眉間には指先ほどの黒い穴がぽっかりと空いていた。

「ガルシア!!おい、ガルシア!!」

濃緑のタクティカルスーツに身を包んだ男が、事切れた死体に向かって叫ぶ。
石壁に反響したその声が低くこもっていたのは、ガスマスクのせいか、あまりにも突然に味方を失った動揺からか。

「阿鼻谷!!もうそいつはダメだ!!捨て置け!!」

血に塗れた味方を尻目に、褐色のケブラーベストの男が檄を飛ばす。

「くそっ!!ふざけげる!!」

阿鼻谷の怒号はそれ。
だが、冷静さを取り戻したのか、死体を床に放り投げ、きびきびと石部屋の中に後退していく。
それぞれ部屋の隅に散会し、机や木箱を遮蔽物とし、開いた入り口から狙撃されぬよう位置どった。

「コゲ! ガルシアをやったのは誰かね!」
「わからん。相当遠くから狙撃されていたからな…。
 だが…あの距離で頭部を一撃か…。それに、あの高く乾いた独特の火薬音…。」

褐色の男が、さきほどガルシアを屠った敵について逡巡する。
だが、その思考を遮るように、通信機がけたたましく鳴り出した。

「コゲさん!ドクターがやって来ます!逃げてー!」

斥候に出ていた鉄っちゃんからの、悲鳴まじりの伝言。
指し示された襲撃者の正体に、コゲは顔を苦々しげに歪める。

「チィッ…やはり、AK-47カラシニコフ…Dr.Kか!!」








[67] ああああああああああああ  投稿者:TofT  投稿日:2009年11月06日 18:52:40  No.67001 [返信]
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I P:143.90.185.82
あらすじ

ここはRPGの世界。様々なキャラクター達に寄ってなりたっているこの世界は
活気に満ちあふれていた。

改造・チートの時代と悪魔のプレイヤーがあらわれるまでは・・・・・

名前入力に『ああああああああ』と入力された 哀れなキャラクター・・・・
高速にアップするレベルに耐えきれず身体に激痛を走らせる主人公・・・

このゲームは    どうなってしまうのだろうか!?



Re:ああああああああああああ  投稿者:TofT  投稿日:2009年11月25日 18:45:01  No.67002
I P:143.90.185.82
あえて登場人物は紹介しません。

あと少々本格的にやります。



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